今回は兵庫県にあるダムを紹介していきたいと思います。
兵庫県といっても今回のエリアは兵庫県の南東部。
西宮や尼崎といった兵庫県の中でも人口の多い都市や、阪神工業地帯といった工業エリアを通る猪名川に設けられたダムです。
そのダムとは一庫ダムと言います。
いっこだむ??
ではなく、
ひとくらダムと読みます。
ダムの名前って意外と読みにくいものが多いですよね。
このダムは、比較的都市部にある猪名川に設けられ、治水や上水道供給に長年役に立っているダムなのです。
特に猪名川というのもかつては洪水被害で都市部に大きな被害を与えたことがあったことからも、ここにダムをもうけられるのは人々にとっては悲願でもあったそうなのです。
ほとんどのダムというと山の中の人があまり済まないようなところに作られることが多いのですが、この一庫ダムのあるところはどちらかというと住宅地。
となってくると、その建設にはいろいろと課題が出来上がってくるわけで・・・。
今回はこの兵庫県にある一庫ダムについて紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
兵庫北部に関する記事です。









一庫ダム
一庫(ひとくら)ダムは、兵庫県川西市にあるダムです。
淀川水系にある一庫大路次(ひとくらおおろじ)川に建設されたダムであり、この一庫大路次川は、その後川西市・尼崎市などを通る猪名川に流れ込みます。
この流域には数多くの人々が生活をし、また阪神工業地帯の経済をも支えている川なのです。
しかし、かつてこの猪名川は、台風によって未曽有の洪水被害をもたらしたことがありました。
河西氏周辺は、関西圏のベッドタウンであり数々のニュータウンが建造されました。
しかし、猪名川の洪水の危険性は、それにブレーキをかけかねない事案でした。
また、爆発的に増える人口を支え、工業地帯でも多くの利用が見込まれる水需要の高まりもあったため、この一庫ダム計画が1968年に策定されたのでした。
その後建設が完了したのは1983年。
なんと15年もの時間がかかってしまいました。
その理由としてはこの一庫ダムの立地が影響しています。
山の奥深い所にあるダムではなく、住宅地に隣接している一庫ダムの工事は、騒音や水質汚濁など、周辺の人々の生活に特段の措置が必要な工事なのでした。
また、土地の価格も高騰しているエリアということもあったため、数々の工事が難航する要素があったのでした。
そうして完成した一庫ダム。
このダムには3つの役割があります。
1つ目が、やはり洪水調整です。
そもそもこの一庫ダムができた経緯でもある洪水被害。
この一庫ダムができたことによって高度に水量管理ができるようになり、洪水の調整が可能になりました。
2つめが不特定かんがい等の目的です。
猪名川に流れる流水の正常な機能を維持するための水の流量を常に確保し、その安定を図っています。
最期の3つ目が新規利水用途です。
猪名川沿岸の都市の水道用水として膨大な量の上水を提供しているのです。
これらの役割によって、ダムができたことによってその効果は計り知れない影響を与えたのでした。
この一庫ダムができたことによって誕生したのがダム湖である知明湖です。
大阪から20kmほどという近場に位置するダム湖は、ダムから流れ出た水が流れ出る猪名川の流域に約180万人が居住するという、数多くの人々の生活を支えるために欠かせないダムとなっているのです。
そしてこの安定した水源と、洪水を防いでくれる安全な土地が人を呼び、流域に住む約60万人の生活をさせる水がめとなっています。
また、知明湖周辺には散策路や釣り場、キャンプ場や展望台など、市民のためのアクティ日を数多く提供してくれます。
そのため、年間で訪れる人は約30万人にも上るのだそうです。
これは、近畿地方では3番目に多い人の入りだそうです。
アクセス
能勢電鉄山下駅より、バスにておよそ10分の一庫ダム停留所下車で到着します。
一庫ダムに行ってみた
それでは、一庫ダムに行ってみましょう。

井補野トンネルを越えるとすぐ目の前にあるのが一庫ダムです。

駐車場に車を停めると、一庫ダムに関する案内が多数あります。
市街地に近いダムでもある一庫ダムは、ダム及びダム湖である知明湖周辺には様々なアクティビティを楽しめる場所が目白押しです。
キャンプ場から展望台。
遊歩道に公園。
グラウンドやゴルフ場。
釣りのスポットなど、地域の人々と共にあるダムとダム湖であることがわかりますね。

こちらは一庫ダムそのものの解説です。

一庫ダムの周囲はクヌギの里山が広がります。
この自然環境を維持管理するために、支援を求めているようですね。

一庫ダム全域の案内図です。
キャンプ場が結構い多いのがわかりますね。

それではダム管理所に向かってみましょう。

管理所の前には建設の碑が置かれています。

ダムの各種情報が書かれています。

こちらがダム管理所になります。
ダムカードはこちらでもらうことができます。

それではダムを見に行ってみましょう。
まずは放出側の一庫大路次川です。

75mの高さはなかなかのものですね。
降りたところにも唐松公園という公園があります。

ダムの堤の上はこのようになっています。
ここを越えていくと、 新光風台のニュータウンに出ます。
ニュータウンとは言いますが、今は・・・という感じもしますが。

こちらがダム湖側です。

一庫ダムのダム湖は知明(ちみょう)湖と言います。
ダム湖にその姿が浮かぶ知明山からその名前をとって命名されたのだそうです。

こちらが知明湖です。

日本国内に約2800あるというダム。そしてダム湖。
そんなダム湖の中でも、65のダム湖がダム湖百選として選定されているのだそうです。
地域の活性化に寄与し、替え替えのないものとなっているダム湖が選ばれているのだそうです。
この知明湖はそのダム湖百選に選ばれているのです。
いかがだったでしょうか。
年から非常に近い場所にあるというダムである一庫ダムは、これまでに紹介してきた度のダムよりも、市民と共にあるというダムの形を示していますね。
ダムとして人々の生活を支える大切な役割をもつとともに、様々な余暇を支える役割をも持つ一庫ダム。
週末には出かけてみたくなるダムですね。