1027【兵庫紀行】間口が狭く奥行きの深い造りをした”妻入”という造りの商家が建ち並ぶ『河原町妻入商家群』

近畿地方(Kinki)
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兵庫県の丹波篠山市
かつての篠山城の城下町には、歴史ある建物が数多く残されています。
これまで当ブログでも数々紹介してきた特徴的な建物群が数々残されています。
そんな歴史ある地域にはよくよく見てみるとまだまだ魅力的な地域が残されているのです。

今回紹介している河原町妻入商家群もそんな地域の一つです。
妻入り。というのは、屋根の絵以上のことです。
切妻屋根、思入り屋根の建物であり、建物の入り口部分を棟木と直角である妻側の面に設けている場合を妻入りといいます。
なお棟木と並行の面に入り口がある場合はその麺を平(ひら)というため平入りといいます。

日本の伝統的家屋は平入りが多く妻入りの建物は少ないらしいのです。
この特徴的な妻入りの商家の建物が集まった独特の地域が河原町妻入菱化軍なのです。
ここも待ちなもの保存状態が非常によく、さらに市をあげて景観保存のための取り組みも行われている場所であるため、一歩底に踏み入れればまるで違う時代に来たかのようにも感じてしまいます。

今回はこの河原町妻入商家群について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 古い町並みは芸術ストリート!?歴史ある妻入り商家群の残る、河原町妻入り商家群へと行ってみよう。

兵庫北部に関する記事です。

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河原町妻入商家群

兵家県の丹波篠山
歴史ある篠山城から東に500mほどのところに、伝統ある家屋が600m近く立ち並ぶ通りがあります。
河原町と呼ばれるこの通り沿いの左右には、南北に細長い、かっての商家の建物が数多く残されています。
この場所を河原町妻入商家群といいます。

かつては京街道と呼ばれていたこの通り。
その両サイドには伝統的な建造物が立ち並ぶことで、市からも保存地区として指定されている地域なのです。
この辺り特有の妻入りと呼ばれる造りになっている商家が立ち並んでいます。
妻入りとは、その建築物の造りのことを表しています。
山形の形状をした屋根をもつ建築物の場合、屋根の大棟と平行な面を平(ひら)と呼び、大棟と直角になる面を妻(つま)と呼びます。
この平(ひら)の部分に正面出入り口がある場合、それは平入りと呼ばれ、妻(つま)の部分に正面出入り口があるとそれは妻入りと呼ばれるのです。
この河原町妻入商家群には、この妻入りの建物が多く立ち並んでいるわけですね。
伝統的な奈良の町屋や京町屋など多くの場所ではこの平入りの建物が比較的多くなっており、妻入りの建物が多いのはけっこう稀なのだそうです。

そしてこの河原町商家群のもう一つの特徴が、細長い建物になっているということです。
別名”うなぎの寝床“と呼ばれるこの建物のつくり。
間口はそれほど大きくないのですが、奥行きが間口の5倍ほどもあるような細長い家のつくりとなっているのです、
そのため、一歩中に踏み入れれてみると、どこまでも奥に続いていくようになっているのです。

通りを歩いていて見える表構えもかつて藩政時代に作られた伝統的な造りをしている家が数多くあります。
そのため、通りを歩いているだけでも、気持ちは江戸時代!?といった感覚にさせてもらえます。

では、現在はこの河原町妻入商家群は、どのように活用されているのでしょうか。
もちろんただ単に古い建物が立ち並んでいるだけではありません。
土産物屋も点在しており、買い物も一緒に楽しむことができます。
また、アートギャラリーも点在しており、芸術ストリートともなっています。
定期的に、芸術作品の展示イベントも行われているようです。
さらには、丹波の陶器を展示した丹波古陶館や、篠山能楽施設。
さらには、篠山の生んだ近代南画家である平尾竹霞(ひらおちくか)生誕の地といった場所もあります。

近年では、若い定住者も増えてきているようで、ちょっとした球形ができるようなカフェなども要所要所にできており、600mというなかなかの規模の通りではありますが、気軽に散策も行えるようになっています。

2021年には景観をさらに良くするために電線の地中化も行われて、ますますかつての雰囲気を強く出してくるようになった河原町妻入商家群。
ただでさえ見どころの多い篠山城下町の中でも、外せないスポットとなっているのです。

アクセス

篠山城から東に500mほどのところにあります。

河原町妻入商家群に行ってみた

それでは、河原町妻入商家群に行ってみましょう。

通りの入り口あたりに来るとこのような看板があります。
歴史的な伝統建造物の保存地区であるため、ここから一歩踏み入れると一気に時代がタイムスリップしたような感覚になります。

保存地区の概要についてです。
結構広範囲にわたって指定されていることがわかります。

そしてこちらがその通りです。
両サイドに立ち並ぶ多々物のほぼすべてが、かつての歴史的な様相を残していますよね。
この日は、美術作品の展示イベントが行われていたので、それぞれの家屋の中に入ってそれらの展示品を見ることができました。
まあ、展示品よりもそれを展示している家屋の造りの方が気になったんですけどね。

いかがだったでしょうか。
もう少し建物の写真もあればよかったのですが、今回は少なめになってしまいました。
また次回訪れた際に写真関係は増やして行ければと考えています。