1031【奈良紀行】赤井五代松翁が生涯をかけて開拓した鍾乳洞『五代松(ごよまつ)鍾乳洞』

近畿地方(Kinki)
この記事は約5分で読めます。

奈良県の天川村というと、美しい自然と共に数々の観光スポットが集まっている場所でもあります。
これまでも紹介してきた洞川温泉をはじめ、キャンプやハイキングにもピッタリな場所ということで、多くの人々から親しまれている場所です。

そんな天川村には、自然がつくりだした神秘的な観光地があるのです。
それこそが鍾乳洞なのです。
天川村には2つの有名な鍾乳洞があり、それらを探索することができてしまうのです。

一つは面不動鍾乳洞であり、もう一つが今回紹介している五代松(ごよまつ)鍾乳洞なのです。

どちらも山の斜面を登った先にある鍾乳洞なので、歩いてそこまでというのはできなくはないのですが、なかなかにこたえます。
そこで、どちらの鍾乳洞にも急斜面をグイグイ登っていくモノレールが設置されているのです。

では、その急斜面を上るスリリングなモノレールの先にある鍾乳洞とはどのような場所なのでしょうか。

今回は、この天川村の鍾乳洞のうち、五代松(ごよまつ)鍾乳洞について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 維持管理され、神秘的な空間として今も人々から親しまれ続けている五代松鍾乳洞に行ってみよう。

奈良県に関する記事です。

1056【奈良紀行】川遊びも存分に楽しめる老舗のキャンプ場『ごりょう橋キャンプ場』
和歌山は九度山町。高野山を開いた空海が、この九度山に住んでいた母に、月に9度会いに来ていたことからその名前がついた町です。また、戦国の時代には、真田昌幸・幸村親子が、関ヶ原の戦いの後幽閉された町としても有名です。そんな自然あふれる町の山間部に、60年以上続く老舗キャンプ場があります。つい最近まではどーむびれっじと呼ばれていたキャンプ場なのですが、現在はごりょう橋キャンプ場といいます。
1041【奈良紀行】奈良県黒滝村の入り口、なぜかこの辺りにに使わない建物が特徴の『道の駅 吉野路黒滝』
建物が特徴であるだけではなく、ここにしかない施設も設けられているのです。なんといってもこの黒滝村。コンビニエンスストアがないんです。一軒も・・・。そんな村の中で唯一コンビニエンスストアがあるのがこの道の駅 吉野路黒滝なのです。そしてもちろん村野特産品を販売する物産販売所も。今回はこの道の駅 吉野路黒滝について紹介していきたいと思います。
1038【奈良紀行】令和の現在になっても、この先の参道は女性は入ることができない『大峰山 女人結界門』
このご時世で!!?たしかに、この女人禁制の場は、多くの物議をよんだものであるのだそうです。しかし、受け継がれてきた宗教的理由から今もなお女性は立ち入ることができなくなっています。そんな女性がそれより先まで立ち入ることができない結界の部分にあるものが設置されています。それが大峰山 女人結界門といいます。
1033【奈良紀行】テントサイトだけではなく、バンガローでも自然を感じられる『フォレスト・イン洞川キャンプ場』
奈良県の天川村。自然から歴史的なものまで様々な楽しみ方があるこの場所に、老舗的なキャンプ場があります。そのキャンプ場とは、フォレスト・イン洞川キャンプ場といいます。奈良の奥地にあるこの天川村のキャンプ場。何といってもあふれるばかりの星空を楽しみ、これまた有名な湧き水で食事を作り。キャンプ前後には様々な観光名所を楽しむ。一粒でなんどでもおいしいようなキャンプ所なのです。
1022【奈良紀行】大峯山の登山口にあり、数々の登山者の疲労回復に利用された『洞川(どろがわ)温泉』
洞川温泉は奈良県吉野郡の天川村。かつて大和国と呼ばれていた場所にある温泉なのです。この温泉地なのですが、歴史ある温泉旅館がまだまだ現役で軒を連ねる温泉街となっています。そこには数々の土産物屋や、観光スポットも集まっており、多くの人々に利用されている場所となっています。
1019【奈良紀行】この水を求める人がひっきりなしにやってくる。五代松鍾乳洞モノレール前乗り場にある『ごろごろ水』
奈良県吉野郡、天川村にある洞川(どろがわ)温泉。雰囲気の良い温泉郷を抜け、大峰山の登山口に至る参道沿いに、以前紹介した五代松鍾乳洞へ行くためのモノレールがあります。このモノレール乗り場の目の前には、多くの人々がひっきりなしに訪れる場所があります。よくよく見てみると、車で乗りいれてきて、多くの人々はポリタンクを大量に持ち込んでいます。ここは湧水の採水所なのです。
1017【奈良紀行】あれ??ここが寺??素晴らしいバラ園がある奈良のお寺『霊山寺』
奈良県のお寺の中で、今回紹介しているお寺もまあ規模が大きいお寺です。そのお寺の名前を霊山寺(りょうせんじ)といいます。このお寺、非常に規模が大きいのもそうなのですが、個々がお寺であることに似つかわしくないとある施設があることでも有名なのです。
1010【奈良紀行】びっくりするほどの傾斜の中をゆっくりと進む『五代松(ごよまつ)鍾乳洞モノレール』
ごろごろ水の採水場の前にあるのが、五代松鍾乳洞と呼ばれる鍾乳洞です。この2つの鍾乳洞ですが、隣接している道路から、険しい斜面を登って行って初めて探索することができる鍾乳洞です。そのような立地のため、どちらの鍾乳洞にもその斜面をグイグイ登っていってくれるモノレールが備え付けられているのです。
994【奈良紀行】紅葉も美しく、一般公募で決まった"まほろば湖"をかかえる『初瀬(はせ)ダム』
今回は奈良県にあるダムの記事です。奈良県桜井市にあるダム、初瀬(はせ)ダムは、最終的に大阪を通り、大阪湾に流れ込む大和川の上流部に建設されたダムとなっています。このダムが設けられたのは、多目的用途のために造られたダムとなっており、建造されてから45年以上人々の生活を支え続けています。
966【奈良紀行】大迫力の放水の様子を下から見上げることができる『天理ダム』
大迫力のダムを下から見上げたいなあ。日本国内にダムは数あれど、間近にしたから見上げられるようなダムというものもそうあるわけではありません。ところがあるところにはあるものです。今回紹介している天理ダムは、奈良県の天理市にあるダムです。
945【奈良紀行】農業用貯水のために作られた大和川水系のダム『白川ダム』
ダムには様々な理由があって作られます。今回紹介している奈良県にある白川ダムもこういった目的をもって造られたダムです。このダムは、元々の用途に加えて、新たな用途を付け加えるために改良工事が行われて現在の形に至っているダムとなっています。
926【奈良紀行】大和川水系のダム。奈良市街からすぐそばにある『岩井川ダム』
奈良の市街地からわずか2km弱。奈良の街を間近で守るためのダムがあります。そのダムとは、岩井川ダムといいます。まだ完成して20年も経っていない比較的新しいダムなので、そのコンクリートの外観も非常に美しいダムとなっています。
910【奈良紀行】奈良でもやります、ダムシリーズ。初回はこちら『布目ダム』
奈良県奈良市。中心部である奈良駅から東に15kmほどの場所にあるのが今回紹介している布目ダムです。淀川水系の木津川につながる布目川に設けられたダムであり、木津川上流ダム群の中では、竣工から30年ほどとまだ比較的新しい部類のダムです。増え続けていた関西圏の水需要を満たすために非常に重要な拠点にあるダムなのです。

五代松(ごよまつ)鍾乳洞

五代松(ごよまつ)鍾乳洞は、奈良県の天川村にある鍾乳洞です。
奈良県の天然記念物にも指定されているほどの有名な鍾乳洞なのです。
子の鍾乳洞が発見されたのは、昭和4年のこと。
その後、ここの名称にもなっている赤井五代松翁によって十数年の年月と私財を投じされて整備され、今のような観光地として開かれた鍾乳洞となっています。
この五代松鍾乳洞の前には、有名な湧き水であるごろごろ水の採水場があります。
このごろごろ水が湧き出るもとにあるのがこういった鍾乳洞でもあるのです。
現在人が入ることができるのは80mほどですが、一説には2km超もの長さがあるのではないかと言われている五代松鍾乳洞なのです。
ここを長い年月をかけて通り湧き出してきたのがごろごろ水でもあるのです。

赤井五代松翁がこの鍾乳洞を発見したのも、ごろごろ水がどこからやってきているのか、そういった子ども時代の壮大な興味関心が、発見という結果に結びついたからなのでした。

中にはどれだけ時間を書ければここまでの大きさに育つのか想像もつかないような鍾乳石が連なっています。
100年かけても1cmほどしか成長しないといわれている鍾乳石。
そんな鍾乳石が、数十センチから数メートルもの大きさに育って、私たちの目の前に現れるのです。
その中でも最大の脊柱である大黄金柱と呼ばれるものは8mもの大きさにまで達します。

まるで別世界のような神秘的な光景が眼前に広がる洞内。
様々な鍾乳石には、それぞれどのように見えるかで名称がつけられたりしています。
この鍾乳洞が発見されてからまだたかだか100年。
ここまでの鍾乳洞ができあがった悠久の年月の長さを考えると、その驚くほどの長さには驚かされますね。

アクセス

近鉄大阪線長谷寺駅から北に1.5kmほどの上りの先にあります。

五代松(ごよまつ)鍾乳洞へ行ってみた

それでは、五代松(ごよまつ)鍾乳洞へと行ってみましょう。

五代松モノレールで鍾乳洞前駅にまで到着。
細い山道を少し進みます。

鍾乳洞内はヘルメット必須です。
かぶらないと頭部打撃必至です。

歩いた先に一つの小屋があります。
ここに案内の方がいますので、そろったら鍾乳洞内出発になります。
なお、案内人なしで洞内には入れません。

鍾乳洞内に入ると早速このような場所が。
ライトアップされているわけですが、ひんやりとした鍾乳洞内は神秘的な雰囲気が漂います。

それでは洞内を進んでいきます。
中にはかがまないと進めないようなところも。
また、ところどころ、色々な名称がつけられています。

ここは下半身の柱というようです。
たしかに!!

子育て観音です。

見事な鍾乳石が連なっていますね。

こちらは白龍の滝。

藤の棚です。
たしかに藤棚に見えますね。

蛸の石旬というそうです。
石旬というのは、洞窟の天井の水滴から析出した物質が床に蓄積して、たけのこのように上に伸びたものなのだそうです。

左側が白鶴の姿。
中央が千成瓢箪。
右側が大日如来といいます。
壮大な名前が付けられていますね。

鷲の大鍾乳石。
これを見てよく思いつきますね。

鍾乳洞内の大空間です。
わずか80m足らずの行程ですが、見どころは多いです。

というわけで出口です。
つかの間の探検隊気分でした。

帰りもモノレールは使えますが、徒歩で降りてもそれほど大変ではありません。
歩いてみると改めてすごい傾斜角だなあ、と感じさせられます。

山麓のモノレール駅に降りてきました。
ここまで10分ほどでしょうか。

いかがだったでしょうか。
奈良県の奥地に、このようなスポットがあるとは驚きでした。
モノレールの造りや鍾乳洞の案内システムなど、多くの人が殺到するとさばけないだろうなあと思われる五代松鍾乳洞。
人がまばらな時期や時間帯などを狙って訪れることがおすすめですね。