奈良県の南部にある山、大峰山。
この山はかつて歴史的に修験の場として僧侶たちによって切り拓かれ、多くの修験者たちの修行の場として広く利用されてきました。
現在はユネスコの世界遺産にも登録されているこの場所。
しかし、令和の現在において、いまだこのような場所が残されているのかという場所が残っています。
それは、この修験の場には、女性が立ち入ることができないのです。
このご時世で!!?
確かに、この女人禁制の場は、多くの物議をよんだものであるのだそうです。
しかし、受け継がれてきた宗教的理由から今もなお女性は立ち入ることができなくなっています。
そんな女性がそれより先まで立ち入ることができない結界の部分にあるものが設置されています。
それが大峰山 女人結界門といいます。
山道につながるただの木でできた門。
しかしこの門の存在は、この大峰山の長い歴史を今に伝え続けているものなのです。
今回はこの大峰山にある女人結界門について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
奈良県に関する記事です。














大峰山 女人結界門
奈良県吉野郡。
この地から南に向けて紀伊山地の霊場と参詣道として世界遺産に登録されています。
そんな世界的に有名なこの場所に、世界でもなかなか見られない女性が立ち入ることができない場所があります。
その境にあるのが大峰山 女人結界門です。
令和のこの時代になっても、この結界門から先へは女性の立ち入りが許されていない場所なのです。
なぜそのようなことになっているのでしょうか。
大峰山とは奈良県の南部にある山です。
この大峰山は、古くから修験の場として多くの僧侶たちが訪れてきた場所なのでした。
この場所には、山道を進んでいくと大峰山寺や、そこに至る道である大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)などがあります。
そしてこの場所は、今もなお女性の入山を禁止する女人禁制となっているのです。
その歴史は非常に古く、約1300年もこの掟が守られ続けているのです。
この修験の場が女人禁制になった理由は諸説あるそうなのですが、一説には険しい山道であることから女性の身を守るためというもの。
また、修験者たちが他者に惑わされずに厳しい修行に没頭したいという思いがあったためではないかと考えられています。
現在でもこの掟は守られ続けています。
時代にはそぐわない掟ではないかという意見も数多くあったのは確かなのだそうです。
しかし、この掟は数えきれないほどの先人たちが1000年以上の時をかけて宗教的な伝統として作り上げてきたものであり、そこには女性も含んだ信徒や地元の人々がその信仰を守り伝えてきた背景があります。
そのため、その信仰の形を守り続けてきた人々の思いを受け継ぎ、次の世代へとそれをつないでいくことが、多くの先人たちの思いを守り続けることになるのです。
アクセス
五代松鍾乳洞からさらに東に3kmほど道なりに進んだところにあります。
大峰山 女人結界門へ行ってみた
それでは、大峰山 女人結界門へ行ってみましょう。

道を進んでいくと、写真のような大橋茶屋という茶屋(食堂?)があります。
こちらの駐車場に車を停めて、ここから徒歩で大峰山の登山に向かうことができます。

さらに歩いて道を進んでいくと、赤い橋が見えてきました。
あの先に大峰山 女人結界門があります。

この辺りは紀伊山地の霊場と参詣道として、世界遺産に登録されています。
道の世界遺産というと、世界遺産の中でも珍しい部類なのですが、吉野からスタートし、熊野に向けて大峰山中に分け入る大峯奥駈道として多くの登山者が訪れる場所となっています。

もちろん、登山ですので甘い考えで入山するのは控えましょう。

さらに奥へと向かいます。

両側に墓が立つ墓地を抜けていきます。

するとその先に、大峰山 女人結界門が見えてきました。
木でできた小さなもんですが、手前には石でできた女人結界の案内があります。

この門から先は女人禁制となります。
時代的にそういったことが受け入れられにくい世の中ではありますが、宗教的に永く守られ続けた掟です。

なお、ここに続く道を振り返ってみると、このようになっています。

なぜこの地が女人禁制になるに至ったのか、そのいきさつについて書かれています。
決して、修行者たちの実がその掟を作ってきたのではなく、女性を含んだ信徒や地元の人々によって信仰が守られて、伝承されてきた場所です。
色々と意見はあることですが、侵攻する人々の戒律上の結界として、今後も結界の維持に対する協力を求めています。

こちらが大峰山 女人結界門です。
その先に続く道からは、非常に神聖なる空気が漂ってきます。

いかがだったでしょうか。
この神聖な雰囲気は、実際に訪れなければ味わうことができません。
長い時間をかけて多くの人々によって伝承されてきた大峰山 女人結界門。
その先人たちの信仰心をしっかりと汲み取って、今後もその掟をしっかりと護持していくことが今を生きる者が次の世代へとつないでいかなければいけないことなのかもしれません。