1064【広島紀行】尾道の激しい傾斜地の先にある寺院『千光寺』

中国地方(Chugoku)
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坂の町としても有名な広島県にある尾道の町。
海に面したこの尾道では、海に面してすぐに険しい坂がいくつもあり、坂の上からは素晴らしい景色がながめられるということで、非常に有名ですよね。
そんな尾道にある大宝山の坂の上にひときわ有名なお寺があります。
そのお寺の名前を千光寺といいます。
なんと大同元年(806)に弘法大師によって開かれたとされている歴史あるお寺です。

しかし、このお寺にたどり着くまでには非常にハードルの高い階段が連なっています。
その長い階段の先には、これまた300年以上もの歴史がある本堂をはじめ、その本堂から見ることができるすばらしい眺望。
千光寺に伝わる、光る玉の岩の伝説。
本堂からぐるっと見て回ることができる参拝ルート。
さらに寺の周囲に整備された文学のこみちなどなど。
とにかくみどころたくさんなお寺なのです。

そしてこの参拝ルートの最も高いところには、ロープウェイの山頂駅があり、そこにある展望台からは尾道の街並みを一望することができるのです。

そんな坂の町、尾道の代表的な観光スポットである千光寺について今回は紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 激しい坂道の階段を上った先にあるのは、歴史あるお寺と素晴らしい眺望でした。そんな尾道の町を代表する千光寺に行ってみよう。

広島にある百名城の記事です。

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千光寺

千光寺は広島県尾道市にある真言宗の寺院です。
大宝山に位置し、千手観音を本尊とするお寺となっています。
ここの特徴は何と言っても階段。
千光寺まで続くこの階段が連なる道、千光寺道はなんと600段以上もあるのだとか。
しかし、そんな過酷な階段を上った先にあるこの寺から見える景色は、ここにたどり着いた者だけが楽しむことができる光景となっているのです。(なお、ロープウェイでも山頂にある山頂駅までいくことができますよ。)

この千光寺ですが、その開基は平安時代である806年のこと。
弘法大師によって開かれたのではないかと伝わっています。
そして、後に源氏の名将であった源満仲によって再興され栄えていったとされています。

朱塗りの本堂は1687年に建立されたもので、舞台づくりの珍しい造りとなっています。
この本堂だけでも300年以上の歴史がある建物なのです。
ここのは本尊である千手観音像が置かれています。

千光寺の境内には巨大な岩である玉の岩があります。
この球の岩には伝説があり、夜になると海上を照らしさながら灯台のような役割を果たしていたという言い伝えがあったりします。

これほどの高さのあるお寺ですので、そこから見える風景は他になかなか見られないものがあります。
そんな寺の周囲には、文学のこみちと呼ばれる道が設けられており、尾道のこの風光を愛した文人たちの作品岩に刻まれた遊歩道となっています。

アクセス

JR山陽本線の尾道駅から東に徒歩20分。
そこから階段を上るか、千光寺山ロープウェイで山麓駅まで行ってから歩いて下るかすると到着します。

千光寺へ行ってみた

それでは、千光寺へと行ってみましょう。
千光寺手前にあるゲストハウスのみはらし亭から登っていきます。
ちなみに、みはらし亭まででも階段370段あります。
そこからさらに上がっていくわけです。

途中には毘沙門堂があります。

まだまだ登ります。

ようやく本堂が見えてきたかな?

やっと到着です。

ドラマや映画などでもこの辺りは使われているのをちらほら見たことがあります。

すぐそばには三十三観音堂もあります。
あとで反時計回りにグルーッと回ってきますが、最終的にこの奥の道から戻ってきます。

千光寺のなで地蔵だそうです。

早朝(6時台)なので、施設の中には入れませんでした。

鎖で岩を登る石鎚山はこの階段の先です。
とりあえず後回しにします。(※後日、別記事としてUPします。)

参拝順路に沿って見ていきましょう。

こちらからも石鎚山に向かうことができます。
書いてある通り本堂でのお参りを優先しましょう。

本堂を見て回ります。

お参りの仕方が書かれています。
・ろうそく、線香を供える。
・お賽銭を納める。
・帽子などは脱いで、合掌礼拝。
・「おんばざらたらまきりく」と三度唱える。
・合掌礼拝。
・おみくじやお守りなどを求める。
とのこと。

この先は護摩堂です。
早朝ですが、お経が聞こえてきます。

敷地内をさらに進んでいくと、

この岩の上に玉の岩があるそうです。
千光寺に伝わる伝説の岩ですね。

大師堂から見下ろす尾道の町。
日の出を眺めることができます。

さらに進んでいくと、

何やら仏像がたくさん並んでいます。
生まれの干支に応じた像がそれぞれあるようです。

その上には鏡岩と呼ばれる岩が。
かつて、太陽や月、先ほどの玉の岩などの光を反射させていたと伝わる岩だそうです。

鏡岩が発見されたときの記事がありました。

ここからはロープウェイ山頂駅・展望台方面へと歩いていきます。

この道は文学のこみちとなっているようであり、数々の文学作品が石に彫られています。
一つ一つそれらを楽しみながら登っていくのもよいかもしれませんね。

ここでも景色は素晴らしいですが、まだまだこの先には展望台があるのです。

あともう少し。

文学のこみちの案内ですね。
ロープウェイ山頂駅に到着です。

道沿いにある文学作品碑の紹介です。

山頂駅そばには大きな展望台、千光寺頂上展望台 PEAKがあります。(※写真は取り忘れました・・・)
そこから見た尾道がこちらです。
なお、そばには売店もありますが、さすがに早朝なので開いていませんでした。

展望台からは下り道に入ります。
下っていくと早速千光寺公園となり、八福稲荷神社の建物があります。

千光寺公園を下っていきます。

このあたりは、恋人の聖地「千光寺公園」と呼ばれているそうです。
なお、この周辺は城跡でもあるようですが、あまりよくわかりませんでした。

ではここから千光寺本堂に向けて戻っていきます。

巨大な岩です。
上には鎖が打ち付けられていました。

というわけで戻ってきました。
この後、石鎚山鎖修行に行ったのですが、それについては後日、別記事としてアップする予定です。

いかがだったでしょうか。
ただのお寺の参拝ですが、なにせ山頂付近にあるというのがハードル高すぎる千光寺参拝。
しかし、驚くほどの歴史があるこのお寺への参拝には、多くの人々がこぞってやってくるわけですね。
実際見に行ってみると、お寺を堪能できるだけではなく、文学碑を楽しめたり景色を楽しめたりと、さながらアミューズメントパークのようなお寺巡りという感じもあったりしました。
尾道を代表するこの千光寺。
体力は必要ですが、ここに行かずに尾道に来たとは言えないかもしれませんね。