1066【食巡り】仙台銘菓の地位を不動のものにしている宮城県のお土産の代表格『萩の月』

東北地方(Tohoku)
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日本各地には、そこに行ったからにはこれを買ってこないとね、といえるような代表的なお土産物がそれぞれあります。
そして、そのお土産を受け取った人も、その品を見てどこに行ったのかに気付き、そこから話が膨らむ、といった具合ではないでしょうか。
これほど地域それぞれにお土産文化が定着している国というのも、世界的に見ても非常に珍しいのではないでしょうか。

今回紹介しているのはそのような日本を代表するお土産の一つです。
そのお土産が販売されているのは宮城県仙台市
この地域の名前を聞いただけで、「あ!あれのことだな。」と勘のいいひとは気づくことでしょう。
そうです。仙台銘菓の萩の月です。

萩の月とは、ふんわりとしたカステラ生地の中にカスタードクリームがたっぷりと入ったお菓子。
その味わいはもはや全国区といっても過言ではないでしょう。
ところがこの萩の月。
実はまだ歴史的に見ても40年弱と、それほど長い歴史があるわけではありません。
しかし、たったこれだけの歴史であっても、仙台を代表するお土産の地位を獲得し、日本全国のお土産を見たとしても5本の指に入るほどの定番土産となっているのです。

今回はこの仙台を代表するお土産の、萩の月について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • カステラ生地とカスタードクリームの優しい味のお菓子。萩の月をもっていって、仙台話に花を咲かせてみませんか。

萩の月

萩の月は、宮城県仙台を代表する銘菓であり、お土産です。
正式には仙台銘菓 萩の月と呼ばれるこのお菓子ですが、ふんわりとした白っぽいカステラ生地の中にカスタードクリームの入ったお菓子となっています。
仙台銘菓という名前からもわかるように、仙台のお土産として多くの人々から選ばれ続けています。
この萩の月を作ったのが、株式会社菓匠三全(かしょうさんぜん)という会社であり、今もなおこの萩の月をメインにして取り扱っている仙台を代表する企業です。

この萩の月ですが、今では仙台土産の代表格としての地位を確保していますが、その誕生はそれほど古い時代のことではありません。
何と最初に販売されたのは1979年のことであり、まだ40数年の歴史でしかありません。
しかし、もはや仙台といえば萩の月とでもいうように、牛タンや笹かまぼこと並ぶほどの定番商品となっています。
それまで、菓匠三全では伊達絵巻という、小倉餡とクリームをバウムクーヘンで包んだ商品を主力として展開していました。
そんな同社が、さらなる商品ラインナップの拡張のために開発されたおが萩の月でした。
そんな萩の月ですが、開発されたきっかけとなったのがシュークリームとカステラの存在であったようです。
この2つの良さを組み合わせて開発されたのが萩の月でした。
ところで”萩”というと、当ブログでも何回か紹介したように山口県の都市。
なぜ萩??となるかもしれませんが、この名称はその姿かたちからきています。
丸く、薄く黄色がかったその見た目が月を連想させ、萩が咲き乱れる宮城野の空に浮かぶ満月のようにみえることからこの名前が付けられています。
宮城野というのは萩という七草のひとつの名所。
この萩が中秋の名月の頃に策ということから、この名称につながっています。
そして、その名前が全国区になったのは、松任谷由実が萩の月をラジオ番組で取り上げたことで爆発的に広がったのだそうです。

その人気はすさまじく、全国各地で模倣品が販売されるに至るまでになりました。
しかし、元祖の萩の月は菓匠三全が販売するものであり、仙台土産の新たな歴史を切り拓いたパイオニアとして、多くの人々から愛されているのです。

なお、萩の月の食べ方なのですが、いろいろな著名人がその食べ方についてこだわりがあるようで、様々な食べ方を提案しているようです。
本来は、常温で食べることを菓匠三全は想定したようなのですが、先述した松任谷由実は、冷凍庫で半分凍らせた状態で食べることをラジオで紹介しました。
また、仙台出身のサンドウィッチマンは温かくしてカスタードクリームをより柔らかい状態にして食べることを紹介しているようです。

いかがだったでしょうか。
多くの人が一度は食べたことがあるのではないでしょうか。
松任谷由実の一言から全国的になった経緯。
そのラジオを聞いた多くの人々がこぞって萩の月を求めたのでしょうね。
さらに、販売元企業が推奨したのではなく、それを食べた一般消費者から、様々な食べ方が提案されて広がっていくというのも萩の月の面白い所ではないでしょうか。
そんな情報が展開されたのであれば、ますますいろいろ試したくなってしまいますね。
老若男女誰からも愛される優しい味わいの萩の月。
仙台に行ったときにはぜひとも買っておきたい一品ですね。