『I have a dream.』
このフレーズから始まる歴史的な明演説を御存じでしょうか。
おそらく、中学校などの英語の教科書によくその文が載っていたと思います。
シンプルでわかりやすい演説だけど、そこには強い強い思いが秘められている。
そんな歴史的な演説を残した人物こそがキング牧師です。
なぜそんな一人の牧師が残した演説がこれほどまで歴史に残っているのか。
それは、この牧師が国人であったからです。
かつてのアメリカ合衆国というとそれは差別のひどい国でした。
そんなアメリカ合衆国に住むアフリカ系アメリカ人の指導者として、差別撤廃に向けた運動を行った人物なのです。
その活動の中で行われたのが、冒頭にも書いた、
『I have a dream.』の一説が含まれる演説なのです。
この演説の後、命を絶たれてしまうことにも巻き込まれたキング牧師。
しかし、その存在は、アメリカ合衆国という国を一歩先に進ませることに成功した人物でもあったのでした。
今回はこのキング牧師について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
キング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)

キング牧師こと、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、かつてアメリカ合衆国でキリスト教プロテスタントバプテスト派の牧師を務めていた人物です。
アフリカ系アメリカ人として、当時アメリカ国内でねづよく続いていた人種差別に対する非暴力的抵抗を貫いた指導者でした。
『I have a dream.』の一節が有名な同氏ですが、1964年にはその功績が認められて、ノーベル平和賞を受賞するに至っています。
そんな輝かしい功績をもった同市ではありましたが、その後暗殺されてしまいその生涯を閉じます。
しかし、同氏の残した功績は歴史的に見ても偉大な物であり、多くの人々にその思いは受け継がれ、今日にに至っています。
そんなキング牧師が誕生したのは1929年のこと。
アメリカ合衆国のジョージア州アトランタに生まれました。
父親はバプテスト派の牧師でした。
名前と牧師という道を父親から受け継いだのですね。
その時代のアメリカというと白人至上主義であり、黒人に対する差別が横行していました。
そしてキング牧師自身も幼少期から青年期に差別体験を受け、アメリカ社会が持つ差別主義に対して憤りを感じていきます。
大学では聖職者としての道を選び、父親と同じくバプテスト派の牧師となります。
大学そして神学校で聖職者としての生き方を学びます。
そんなキング牧師に影響を与えた人物が、インド独立の父であるマハトマ・ガンディーであるのだそうです。
ガンディーが行った非暴力不服従の運動に感銘を受けたキング牧師は、非暴力で差別に対する抵抗運動を行っていきます。
そんなキング牧師が25歳の時、アラバマ州のモンゴメリーで発生した事件が、大きな抵抗運動へとつながります。
バス内で白人に席を譲らなかったことから黒人が逮捕されてしまうという事件が起こったのです。
キング牧師はこの事件に対して強く抗議し、1年以上にも及ぶモンゴメリーバスボイコット事件へつながります。
キング牧師自身も青年期に同様の体験をしていたことから、キング牧師は激しく抵抗を続けます。
国人たちに広く広がり、大きなうねりとなったこの事件の結果は、連邦最高裁判所から違憲判決を勝ち取る結果につながり、抗議運動は大成功を収めたので市tあ。
このバスボイコット事件をきっかけに一般の民衆が差別に対する抵抗運動に広く参加するようになります。
その動きはアメリカ全土に広がるようになり、その活動のリーダーとしてキング牧師は一目置かれるようになります。
これ以降数多くの抵抗運動が繰り広げていかれることとなるのですが、キング牧師が提唱した運動の基本は」、ガンディーに共感した非暴力主義です。
一切抵抗しない非暴力かつ、不服従へと発展させたことによって、アメリカ内で黒人たちがどのような扱いを受けてきているのかが内外に広く知れ渡るようになります。
そして、首都ワシントンでリンカーンの奴隷解放宣言100年を記念する大集会の際に、あの有名な演説をキング牧師は行い、人種差別の撤廃と、人種を越えた協和を訴え、広く共感を呼ぶことになります。
この演説は世界的に評価されることとなりました。
このような活動を地道に続けたキング牧師。
そしてアメリカ社会の世論も盛り上がりを見せてきます。
そしてとうとう1964年に公民権法が制定され、アメリカの人種差別が終わりを告げる歴史的な日を迎えることになります。
しかしその後の黒人解放運動は、穏健派と過激派などとに分裂を起こします。
また、いったん根付いてしまった差別意識を払しょくすることは容易ではなく、各地で白人と黒人との対立の時代へとなっていきます。
そして1968年のこと。
テネシー州のメンフィスにあるロレインモーテルのバルコニーにて白人大生から狙撃され、39年の生涯を閉じることになります。
キング牧師銃殺のニュースはアメリカ国内を駆け巡り、アフリカ系アメリカ人による暴動もぼっぱs津します。
しかし、キング牧師の葬儀は黒人だけではなく多くの白人も参列するなど、多くの人々がその早すぎる死を悼みいます。
アメリカ合衆国としてもキング牧師の栄誉を称え、1月の第3月曜日をキング牧師記念日として祝日となっています。

いかがだったでしょうか。
差別の根というものは、私たちが考えている以上に根深いもの。
そんな差別に真正面から正々堂々と立ち向かったキング牧師。
今も世界から差別がなくなったのか?と言われると、胸を張ってなくなったとは言えないのが現実です。
しかし、人類は一歩ずつ平等な世界に向かって歩みを進めています。
キング牧師の意志を次の世代に受け継いでいくことは、残された我々に託された使命なのかもしれませんね。