今回は、有名な映画『男はつらいよ』の世界を展示した、『葛飾柴又寅さん記念館』についてです。
『男はつらいよ』と言われても、見たことのない方も多いかと思いますが、東京の葛飾柴又を舞台にした、下町人情溢れる人々の物語であり、2019年までに全50作ものシリーズが作られた、日本を代表する映画の一つです。
主演の渥美清氏が亡くなって20年以上たちましたが、2019年に最新の第50作が上映されるなど、まだまだ根強い人気を誇る映画ですね。
そんな男はつらいよの舞台となった町、葛飾柴又。
こちらを訪れると、映画の世界そのものの世界を至る所に見ることができるのです。
というわけで、今回のわきみちは、
東京の歴史を感じるといえば、こちらも負けてはいません。




男はつらいよ
『男はつらいよ』とは、1969年から1995年にかけて上映された映画シリーズです。
故渥美清氏が主演、山田洋次監督による人情ドラマです。
映画の流れはパターン化しており、主人公のフーテンの寅こと車寅次郎(渥美清)が、旅先で出会う女性に惚れ込んでしまいます。
結果的には最後に失恋してしまうのですが、その様子と、故郷の葛飾柴又での騒動が人情豊かに描かれるドラマです。
1990年代に入ると、その内容の展開は少し後進を立てるような内容になっていますが、同じパターンの展開が安心してみていられる内容なのですね。
そして、この故郷である葛飾柴又に、今回紹介する『葛飾柴又寅さん記念館』があるのです。
柴又駅前から帝釈天参道

駅前には、寅さんの像が立っています。
現在では旅に出る寅さんを見送る、妹さくらの像もこの横に立てられています。

駅前から、帝釈天に向かって行きましょう。

帝釈天の参道になります。

寅さんの実家「団子屋とらや」(のちに舞台はくるまやになる)のモデルになったお店です。
書記の数回は、撮影に使われたこともあるそうな。

立ち並ぶお店を楽しんでいると、帝釈天の二天門が見えてきました。
柴又帝釈天
柴又帝釈天とは、『男はつらいよ』作中に登場する、主人公である寅さんゆかりの寺です。
『私生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天でうぶ湯を使い、姓は車、名は寅次郎。
人呼んでフーテンの寅と発します。』
有名な主題歌の冒頭のセリフ部分になります。
ここでも帝釈天と出てきますね。
そんな帝釈天ですが、江戸時代初期に開創された日蓮宗の寺院です。

『二天門』です。
ここから柴又帝釈天の境内に入っていきます。

『帝釈堂』です。
ここの見どころは、お堂の周りが大量の彫刻で囲われていることです。
法華経説話をテーマにした彫刻らしく、それだけでも見どころの多いお堂です。


『御神水』です。
この世を浄化し、人々の罪や穢れを洗い清めるといわれている、ご利益のある水です。
帝釈堂に向かって左手にあります。

帝釈堂の彫刻です。
このような彫刻でお堂が囲われています。
説話になっているらしく、彫刻の下にはその説明が書かれていました。

帝釈天が出現し、先ほどの御神水が湧き出ている様子とのことです。

こちらも帝釈天が表れた様子と書いている絵馬だということです。

帝釈堂に入っていきます。

『邃渓園』という庭が広がります。
昭和47年完成された庭だそうです。

和な内装に似合わない証明ですね。
何か特別の部屋なのかな?

こちらにも御神水がありました。
ではこちらからさらに足を延ばして、『葛飾柴又寅さん記念館』に向かいたいと思います。
葛飾柴又寅さん記念館

帝釈天からすぐ近くに、『葛飾柴又寅さん記念館』があります。
こちらの記念館は、男はつらいよ世界観と各種資料を展示した博物館です。
入館料は、
一般 500円 児童・生徒 300円 シルバー 400円です。

寅さんの像が出迎えてくれます。

男はつらいよを生み出してきたスタッフの紹介ですね。

では、撮影のセットに入っていきます。

出演者たちの写真が飾られていますね。

帝釈天です。
小さいですが。

実際に撮影に使われた、くるまやのセットです。
28年間使い続けてきた年季の入ったセットですね。


お店の中は細かなところまで作りこまれていますね。

男はつらいよ、のくるまやでのシーンが上映されていました。

くるまやの中をミニチュアで作ったものです。

町の様子も少し小さめのサイズで作られていました。

寅さんといえばこのテキ屋の衣装ですね。

過去の名台詞と共にポスターが掲示されていました。

最後は可愛らしい寅さんがお見送りです。
矢切の渡し

矢切の渡しは、江戸時代の初期に、江戸川往来したことから始まりました。
細川たかしの歌でも有名ですよね。
帝釈天から5分ほどいった江戸川にこちらは残されています。
寅さんの痕跡を巡った後に、こちらも訪れることができますよね。
いかがだったでしょうか。
東京と一言にいっても、このように情緒あふれる町はまだまだ残されているのですね。
2019年に第50作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が上映されるなど、再び盛り上がってきているのではないかと思われるこの映画。
たまには人情味あふれる映画と、その舞台を訪れてみるのはいかがでしょうか。