1105【京都紀行】京都ラーメンの一つ、濃厚色醤油ラーメンの元祖『新福菜館』

近畿地方(Kinki)
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京都の食文化といえば何を思いつくでしょうか。
出汁をベースにしたあっさりとしたお味の料理、というのが思い浮かぶかもしれません。
それ以外にも、豆腐やゆば料理。
漬物やそば。
それに抹茶や抹茶を使ったスイーツなどなど。
どれもどこかあっさりとしたイメージがあるのが京都の食文化ではないでしょうか。

しかし、京都には知る人ぞ知るもう一つの顔があるのです。
それは、これまでに挙げてきたようなあっさりとした食文化とはまるで対極にあるかのようなこってりとした食文化なのです。
その食とは、ラーメンなのです。

俗に京都ラーメンとして知られているこの京都を代表する食文化。
知らなかった人も多かったのではないかと思います。
そんな京都ラーメンというと、その分類は一つに集約されません。
大まかにいうと3つに分類されるのです。

一つが鶏白湯のこってりとしたラーメン
一見すると豚骨に似ていますが、鶏ガラなどを徹底的に煮出したラーメンは、京都の食文化に挑戦するかのようなこってりとした味わいです。

次に、鶏がらスープに背脂を浮かせた背脂系ラーメンです。
仕上げにチャッチャと背脂をラーメンに乗せるのが特徴のこのラーメンも、鶏白湯に負けず劣らずのこってり系ラーメンですね。
ここまでくると、京都の人たちが実はこってりに飢えていたのか!?とも思えてきますよね。

そして最後が、鶏がらや豚骨、豚肉ベースの出汁に濃厚色醤油を用いた醤油ラーメンなのです。
京都の醤油というと薄口なのでは??とも思うかもしれませんが、この京都醤油ラーメンのスープは濃いなあ、という色合い。
ここでも京都の文化への挑戦が見られるようですね。

このような京都ラーメンなのですが、今回紹介しているのはこの京都醤油ラーメンを提供するお店の最古参の一つ、新福菜館なのです。
戦後直後に始まったとされるこの新福菜館なのですが、その見た目はびっくりするほど真っ黒。
京都でこれほど真っ黒な食べ物に出会うとは・・・と思えるほどの色合いなのです。

では、そのお味はどのようなものなのでしょうか。
今回はこの京都ラーメンの老舗、新福菜館について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 京都といえば実はラーメン!?京都駅近くにも数多くのラーメン屋がひしめく京都ラーメン激戦区にある老舗ラーメン屋『新福菜館』へ行ってみよう。

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新福菜館

新福菜館は、京都市下京区にあるラーメン店です。
新福菜館のラーメンはジャンルとしては濃厚色の醤油を使った醤油ラーメンです。
おそらくは初めてそのラーメンを見たときにはびっくりするかもしれません。
真っ黒いスープのラーメン。
これは京都の食文化なのか!??
と驚きを隠せないことでしょう。
これが京都ラーメンの一ジャンルである醤油ラーメンなのです。

実は京都は知る人ぞ知るラーメンの激戦区。
その中でも戦後直後にできたこの新福菜館は、京都ラーメンの歴史そのものと言ってもいいのかもしれません。
この濃厚色醤油ラーメンなのですが、驚くほどの黒いスープであるにもかかわらず、実際に食べてみると非常にあっさりとしたラーメンなのです。
見た目と味とのギャップがとてつもなく大きなラーメンなのですね。
そして、ラーメンのベースなのですが、鶏ガラと豚骨から出た濃厚な出汁がベースとなっています。
その出汁に濃い色をした醤油でつくられたラーメンは、京都ラーメンの一大勢力となっているのです。

そして、この新福菜館なのですが、京都駅からは東に200mほどの場所にあります。
そしてこの新福菜館のすぐ隣には、本家第一旭という、もう一つの京都ラーメン老舗の店があります。
こちらは、豚骨をベースにタマネギとしょうゆで味をつけ、新福菜館ほどの黒さはありません。
しかし、どちらのラーメン店もいつも多くの人々で賑わっています。
この新福菜館と本家第一旭とが切磋琢磨しながら、京都ラーメンの歴史を作ってきたのでした。

新福菜館は本店がこの京都駅近くの店舗となります。
マップなどで新福菜館を調べてみると、近畿圏に十数軒の新福菜館がひっかかることでしょう。
新福菜館はチェーン展開は行っていないそうなのですが、これらはのれん分けした店舗なのだそうです。


アクセス

JR京都駅から東に200mほどで到着します。

いかがだったでしょうか。
京都の新たな一面を知ることができたのではないでしょうか。
実はラーメン激戦区の京都。
あの超こってりスープで有名な天下一品も発祥は京都なのです。
じつはこってり文化が根付いている土地柄でもあるのですね。
これでまた京都に行ってみたい理由が一つ増えたのではないでしょうか。
京都の落ち着いた土地で、ワイルドにラーメンを食べ歩いてみませんか。