1125【愛媛紀行】その品質は世界レベル。おそらく今治という名前=この生産品という認識かもしれないほどの『今治タオル』

四国地方(Shikoku)
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日本各地には様々な特産品があります。
その地域でしか製造できないようなものであれば、その地域の名前を冠した製品というものも数多く存在しているわけです。
そして、その品質が日本全国、さらには世界規模で認められるようになると、その地域の名将そのものがブランド価値をもつまでになってしまうこともあるのです。
今回紹介しているとある製品は、そんな地域の名称を冠したとある製品です。

人々の日常生活には欠かせないこの製品。
身の回りにありふれたものだからこそ、その品質を突き詰めていくと、多くの人々から求められる製品へとなっていくわけですね。
今回紹介しているとある製品とは”タオル“です。
タオル!!?
今であれば数百円もあればどこででも手に入れられるタオル。
そんなタオルを突き詰めていけるのか!?と思うかもしれません。
しかし、そんなタオルを突き詰めていったことによって、世界規模で認められるタオルが誕生したのです。
そのタオルの名を『今治タオル』といいます。

おそらくその名前は聞いたことがあるでしょう。
さらに、その名称から思い浮かぶイメージは、高級なタオルということではないでしょうか。
実際それほどまでのブランドイメージを作ってしまったのが今治タオルなのです。

さてその”今治”とは、御存じ愛媛県今治市のことです。
本州と四国とを結ぶしまなみ海道の四国側の玄関口でもある今治。
この瀬戸内海に面した小さな都市が、なぜこれほどまで世界規模の製品を生み出すまでに至ったのでしょうか。

今回はこの愛媛県今治市の特産品である『今治タオル』について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • その極上の品質は今治だからこそ。今治で作られる今治タオルを求めて、今治にまで行ってみよう。

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今治タオル

今治タオルとは、愛媛県今治市で生産されている世界的に有名なタオルブランドです。
今治タオル独自のロゴがつけられたこのタオルですが、これがついているだけで、ワンランクグレードの高いタオルだというのは周知の事実となっていますね。
今でこそ日本を代表するタオル、そしてタオル生産地となっている今治ですが、実際日本でも最大のタオル生産地となっています。
糸を撚るための工場から糸の染色工場。
そしてタオルを織り上げる工場など、現在でも200以上もの工場が集まるほどの場所となっています。

今治でタオル生産が盛んになった理由はその立地にあります。
今治の水ががタオル生産に向いていたということが大きな理由として挙げられるのだそうです。
タオル生産に向いている水というのは、軟水なのだそうです。
今治を流れる蒼社川の伏流水
この水が、今治タオルを構成する綿の本来持つ柔らかさを十二分に引き出すための要素なのだそうです。
今治で得られる良質な水が、タオルを構成している綿本来の柔らかさ持続させるのに適しているのだそうです。

今治でのタオル生産は100年以上の歴史をもつほどの伝統的な産業の一つとなっています。
実際永い歴史に裏付けられた高品質なタオルであることがウリな今治タオル。
今治に集まる数多くのタオル工場がこの品質を担保するために国の支援を基に地域の企業や国の組織が一丸となって今治タオルプロジェクトとして、海外から入ってくる安価なタオルに対抗するため活動が行われていました。
そのかいもあり、今治タオルは世界的に知られる日本発のブランドとなり、世界中で親しまれるようになりました。
実際、2000年代に入って海外製タオルにおされて、今治タオルの存続も危うい時期もあったそうなのです。
しかし、本物の品質をアピールして多くの日本人や海外の人々に受け入れられたことや、プロダクトデザイナーの佐藤可士和を中心にプロジェクトを進めたことによって、2023年現在では今治タオルは危機的な状況を脱しする結果になっています。

では、そんな今治タオルとは他のタオルとはどうちがうのでしょうか。
それは、タオルの持つやわらかさ・フワフワ感が抜群なことにあります。
使っても洗ってもそのフワフワ感持続し続け、心地よい使い心地が続くことにその特徴があるのだそうです。
そこにjapanブランドの安心・安全・高品質さが人気を呼び、海外にもその名声は広がり続けています。

そんな今治タオルの品質を担保するための独自基準として行われているのが5秒ルールと呼ばれる独自の基準です。
タオル片をあえて水の中に浮かべるのですが、そのときに5秒以内に水の中に沈み始めるかどうかを見ることで今治タオルの特徴である吸水性を保証しているのです。
さらには、タオルの良さを伝え広げていくためのタオルソムリエ制度なるものも導入されており、その品質はワールドワイドなものとなっているのです。

いかがだったでしょうか。
価格競争となると、何かと難しいものがある海外製品との戦い。
しかし、日本が培ってきた品質という面に目を向けると、まだまだ他者を寄せ付けないアドバンテージがあることも確かなのです。
日本がこれからも世界と戦っていくためには、やはりこの品質という面を前面に押し出した戦い方というものが重要だということが今治タオルの例からもわかりますね。
今治に行って、世界品質のタオルを味わいに行ってみませんか。