今回紹介するのは、鎌倉の若宮大路に立つ3つの大鳥居。
その中でも、最も南の由比ヶ浜寄りに建つ一の鳥居です。
鎌倉駅から500mほど南にあるこの鳥居ですが、現在は両サイドを車道に囲まれた中央にアイランド型で残っている鳥居です。
駅や観光の中心地から遠いことや、鳥居のある場所が人々の動線上にはないため、他の2つの鳥居に比べると訪れる人の数は多くはありません。
しかし、鶴岡八幡宮へと向かう若宮大路にあって、一番最初に現れる鳥居ということで、その存在感は抜群です。
日光東照宮、八坂神社、これらの場所にある石鳥居と合わせて、日本三大石鳥居にも数えられるほどの鳥居なのが、この一の鳥居なのです。
ところで、これら3つの鳥居ですが、元々は鎌倉幕府成立の頃に建てられたものではありましたが、現在の鳥居は江戸時代、四代将軍徳川家綱によって寄進されたものなのです。
しかし、その寄進された鳥居も、大正期に起こった関東大震災によって全て倒壊してしまいます。
しかし、3つの鳥居の中で、この一の鳥居だけが元通りに再建されているのです。
そう聞くと、この一の鳥居が中心地から離れていたとしても、足を運んでみたくなりませんか?
今回はこの、鎌倉の若宮大路にある一の鳥居について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
鎌倉に関する記事です。




















一の鳥居(浜の大鳥居)
一の鳥居は、鎌倉の若宮大路にある3つの大鳥居の一つであり、最も由比ヶ浜に近い南側にある鳥居です。
別名、浜の大鳥居とも呼ばれています。
御影石で作られた鳥居であり、その高さは8.5mもあります。
古くは1180年に鎌倉幕府初代将軍である源頼朝によって建立されたとされているこの鳥居。
その時代に鶴岡八幡宮を由比ヶ浜沿いから現在地に移された際に、新しい鶴岡八幡宮へと続く参道である若宮大路が整備されました。
その際に、海岸から順に一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居が配置されました。
頼朝の時代から約500年の後、江戸幕府4代将軍徳川家綱によって1668年に再建され、現在まで受け継がれている国の重要文化財でもあります。
なぜ徳川家綱がこの鳥居を再建したのかというと、江戸幕府2代将軍である徳川秀忠の正室であるお江が信仰していた八幡大神に関係しています。
お江の夢の中に八幡大神が現れm、現在の岡山県である備前の国の犬島にある石で一の鳥居を造りなさい、というお告げがあったのだそうです。
犬島といえば、大坂城築城時にもここの石材が用いられたことで有名な島ですね。
その後、家光が無事に誕生。
しかし、家光の時代にはこの夢のお告げを実現させることはできませんでした。
家光の子である家綱の時代になり、徳川家長年の礼を込めて、家綱が長い年月をかけて完成させたものだとされています。
備前の国からはるばる海路で鎌倉まで運ばれ、3つの鳥居が全て造られたとされています。
そんな一の鳥居は、石鳥居としても貴重な物であり、日本三大石鳥居にも数えられています。
ところが、江戸時代に建てられたこの鳥居なのですが、実は大正12年の関東大震災によって3つとも全て倒壊してしまっています。
その後、昭和12年に、全てではありませんが江戸時代に用いられた石材を使用して一の鳥居のみが復元・再建されました。
残念なことに、二の鳥居と三の鳥居は現在はコンクリート造なのだそうです。
しかし、かつての二の鳥居と三の鳥居に用いられていた部材は、鶴岡八幡宮境内の源実朝の歌碑などに転用されて残されています。
アクセス
JR鎌倉駅から若宮大路を南に500mほど行ったところにあります。
一の鳥居(浜の大鳥居)へ行ってみた
それでは、一の鳥居(浜の大鳥居)へ行ってみましょう。

由比ヶ浜方面から鶴岡八幡宮へ、若宮大路を北上していくと、車道に挟まれた道路の真ん中に。石造りの大きな鳥居が見えてきます。

こちらが若宮大路にある3つの鳥居の一つ、一の鳥居です。
道路の真ん中にありますが、実際に近くにまで行くことができます。
車道を通らなければいけないので、車に注意しながらわたりましょう。

一の鳥居建立の由来などが説明されています。
この一の鳥居ですが、現在の物は江戸時代に四代将軍徳川家綱によって寄進された鳥居です。
備前の国の犬嶋の石材が海路で鎌倉まで運ばれ、鶴岡八幡宮までの3つの鳥居が石造りで作られたとあります。
ただ、これらの鳥居は全て関東大震災で倒壊してしまっています。
この一の鳥居だけが修理再建されており、残りの2つの鳥居の部材は、鶴岡八幡宮境内の源実朝歌碑などに使用され、現在もまだ残されているのだそうです。

昭和時代に再建された際の記録が残されています。

さあ、ここから鎌倉散策が始まりますね。
いかがだったでしょうか。
若宮大路の3つの鳥居の中でも、唯一再建されている重要文化財 一の鳥居。
鎌倉を訪れても、観光の動線にはこの一の鳥居はなかなか入らないため、訪れたことがないということもあるかもしれません。
しかし、わずか数百メートル。
3つの鳥居の中でも、江戸時代の鳥居という歴史的な価値を残すこの鳥居をわざわざ観光ルートに入れるということは、価値あることなのではないかと思います。
鎌倉に訪れた際には、少し足を延ばして一の鳥居から鎌倉観光をスタートしてみませんか。