1196【奈良紀行】郡山城の広大さがこの外堀と、城の中心との位置関係からわかるかも『郡山城外堀緑地』

近畿地方(Kinki)
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日本に数多くある城。
かつて最も多い時代では3000を超える城の数々が日本には建っていたらしいのですが、そのほとんどはかつてのような城域を残しているところは少なくなっています。
残っているところであったとしても、天守を中心にしたエリアだけが残っているというような場合が非常に多いですね。

しかし、かつての城というのは、本丸を中心として何重にも曲輪が設けられ、そこには御殿や家臣の屋敷、中には町人の町なども含まれていた広大なものだったのですね。
しかし、現代では、そういった城域の大部分は開発され、普通の街並みになっているところが大半なのです。

ところが今回紹介している城は少し様相が違いました。
その城とは、奈良県にある郡山城なのですが、この郡山城も天守台周辺は整備されているのですが、そこから周りにある曲輪については開発されています。
しかし、ここには残されていたのです。
かつて郡山城の周囲をぐるっと取り囲んでいた、外堀の跡が残されているのです。
そこは郡山城外堀めぐりとして、要所要所に石碑が残され、散策ルートとなっているのです。
1時間弱歩くことで一周できるほどの広大な散策ルート。
かつての郡山城の大きさがよくわかるものになっています。
そして、その外堀だったところの一部分が緑地公園として整備されています。
それが郡山城外堀緑地といいます。
外堀の東側一部分だけなのですが、かつての外堀の雰囲気を残しつつ、市民の人たちの憩いの場として整備されているこの外堀緑地。
今回はこの、郡山城の外堀緑地について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • かつての郡山城の外濠だったところを市民公園として開放している郡山城外堀緑地へ行ってみよう。

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郡山城外堀緑地

郡山城外堀緑地は、奈良県にある郡山城の史跡です。
郡山城は1580年に築城が始まったとされ、豊臣秀吉の異父弟であった豊臣秀長の居城でもあった城です。
後に入城した五奉行の一人 増田長盛の時代に外堀の普請が開始されます。
武家屋敷が増えていったこの時代に、外堀の整備が始められます。
東を流れる佐保川と外堀とを直結させることによって、古い流路を堀に利用したものだったのだそうです。
その他の北側、南側、西側も自然の地形である断崖や溜池、谷地などを巧みに利用して5.5kmもの長さがある外堀は造られました。

郡山城の中心は内堀と中堀という2つの堀によって囲まれていました。
そして、数多くなってきた武家屋敷、町人の屋敷などの町割りを実施し、そういった建物の数々を外堀で囲むことで城下全体を囲んだ構造が出来上がりました。
また、外堀と主要な街道とが交わる点には4つの門が設けられ、出入りが厳密に監視されることによって、郡山城城下の維持と安定が図られました。

近代になり、こういった外堀の遺構を残して行こうとする一環から、この外堀全体のうち東側の一部分が外堀公園として整備され、市民の憩いの場として活用され続けています。

アクセス

JR桜井線(万葉まほろば線)奈良駅から2駅で到着します。

郡山城外堀緑地へ行ってみた

それでは、郡山城外堀緑地へ行ってみましょう。

JR郡山駅から近鉄郡山駅へと歩いていくと、途中に公園として整備されたエリアに到着します。
こちらが、かつての郡山城の外堀だった一部を緑地公園化した、外堀緑地です。

かつて堀だったところが遊歩道として整備されています。
遊歩道の横手には、小さいですが堀が整備されています。
この外堀緑地の区間は堀が残されていますが、かつて郡山城を取り囲んでいた全長約5kmほどの堀のほとんどは、現在では埋め立てられているようです。

こちらが外堀公園の全景です。
外堀のすべてが公園化されているわけではありません。

このエリアがかつて郡山城のどの部分にあたるのかがわかるように、古地図も併記されています。
相当大きな城域であったことがわかります。

外堀緑地の区間は、かつて北門があったところから南門までの区間となっています。

この地域はかつての郡山城の遺構がかなり残されています。
この外堀も現在は往年の姿がほとんど残っていませんが、要所要所に石碑が残されているようです。
この石碑をめぐる散策ルートも、郡山城の名物のようです。

いかがだったでしょうか。
日本百名城にも選ばれている郡山城。
城跡がきれいに整備されているので見どころたくさんなのですが、それに合わせて時間があればこの外堀めぐりもかなり惹きつけられますよね。
しかし、全長5km以上もあるこの散策ルート。
しっかりとウォーキングの準備万端にしてチャレンジしてみたいですね。