これまでに当ブログでも取り上げてきた、百人一首かるたの聖地である近江神宮。
百人一首の第一歌を詠んだ天智天皇を御祭神とする近江神宮は、そのつながりから百人一首の聖地とされ、日本全国の百人一首かるたの選手たちが目指す、いわば甲子園のような場所です。
その近江神宮なのですが、天智天皇を御祭神としていることからもう一つの顔をもっている場所でもあるのです。
それは、時計の聖地であるということ。
実はこの天智天皇という人物が、時計と非常にゆかりのある人物だったのです。
それはなんと今から1350年も前のこと。
そのような時代に時計が??
と思うかもしれませんが、漏刻という水時計を設置して時間を都に知らせ始めたのです。
そんな時計の聖地でもある近江神宮には、時計にまつわる施設が設けられています。
それが時計館・宝物館なのです。
その名のとおり時計にまつわる博物館となっている非常に珍しいこの施設。
近江神宮の境内にあり、その内部では、様々な時計にまつわる貴重な品々が展示されているわけなのです。
今回はこの、近江神宮内にある時計館・宝物館について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
滋賀県に関する記事です。














近江神宮 時計館・宝物館
近江神宮内にある時計館・宝物館は、滋賀県大津市にある時計にまつわる展示が行われている博物館です。
なぜこんなところに時計の博物館があるのかというと、近江神宮の主祭神である天智天皇が時の祖神として崇められているからなのです。
西暦671年。
天智天皇はかつてこの地にあった大津京に漏刻という水時計を作りました。
この漏刻を用いて人々に時刻を知らせたことが、日本での時計の始まりとされています。
そのため、近江神宮は時計の聖地でもあるわけなのですね。
天智天皇が作った漏刻というのは、古くは紀元前はるか昔にエジプトあたりで発明されたものです。
それが中国を経由して日本に伝わり、天智天皇の時代に実際に使われ始めたということなのですね。
原理としては簡単であり、4段になっている水槽の上から順々に水が流れ落ちていき、最も下にある水槽にあるメモリを読むことによって時刻を知ることができた最古の時計なのです。
そんな天智天皇を祀る近江神宮だからこその施設ですよね。
この時計館・宝物館は、元々は昭和38年にオープンした施設でしたが、平成22年からは時計館・放物館としてリニューアルオープンしました。
時計館というだけあり、日本最古ともいわれる懐中時計や和時計などの時計が展示されていたり、数々の重要文化財である絵画や陶芸なども展示されています。
また、この建物の前には、漏刻を複製したものがあります。
天智天皇が実際に作った漏刻は、資料が残されていないのだそうですが、この感慨にある漏刻を見ることで、日本最古の時計を具体的にイメージできるようになるのですね。
アクセス
京阪石山坂本の近江神宮前駅から、近江神宮の拝殿までは徒歩10分ほどで到着します。
近江神宮 時計館・宝物館へ行ってみた
それでは、近江神宮 時計館・宝物館へと行ってみましょう。

近江神宮にやってきました。
ここの御祭神である天智天皇についての紹介がありました。
まずは歌かるたの祖神。
百人一首の第1番歌である
『秋の田の かりほのいほの 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ』
をよんだことからそのように呼ばれています。
またもう一つの顔が、時の祖神であることです。
西暦671年6月10日に時報を創始したことからこのように呼ばれています。
6月10日といえば時の記念日として現在も受け継がれている碑ですね。
日本書記の中に、天智天皇がこの日に漏刻(水時計)を設置し、始めて候時を打った日とあることから日本ではこの日が時の記念日となっているのです。

赤い楼門をくぐると、目の前に現れるのは外拝殿です。
しかし、外拝殿には向かわず、左手を見てみましょう。

左手の方を見てみると、赤い柱が使われた建物が見えてきましたね。

こちらの建物が近江神宮の時計館・宝物館です。
内部は有料の博物館となっているわけなのですが、残念なことに、内部の写真撮影は禁止されています。
残念ですが、近江神宮に訪れた際には、入ってみて、日本の時計の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

なお、この時計館・宝物館の前には、天智天皇によって設けられたと考えられている漏刻(水時計)を再現したものがあります。
水の流れ落ちる速さが一定であることから、その特徴を用いて時刻を読んだとされている日本最古の時計です。
いかがだったでしょうか。
神社でありながら、様々な施設が境内にある近江神宮。
神社へのお参りだけにとどまらず、様々な見どころのある場所ですよね。
そして、それぞれが聖地として崇められるほどの場所でもある近江神宮。
これは、ここを目指して行ってみるしかないですよね。