141【マレーシア紀行】ひっそりとたたずむマレーシアの世界遺産『レンゴン渓谷の考古遺産』

世界の世界遺産(World Heritage)
この記事は約4分で読めます。

マレーシアには全部で五か所の世界遺産があります。
その中でも最も新しく登録された世界遺産が『レンゴン渓谷の考古遺産』です。

世界遺産都市のジョージタウンやマラッカに比べると、影の薄い世界遺産ですが、確かに、これらの中でも行きにくい場所にあることも確かです。

また、マレーシアの方々も意外とわかっていない人が多く、到着するまでに少し苦労するかもしれない世界遺産です。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 世界遺産に登録されたけど、イマイチ盛り上がりが…。それでもコレクターとして到達せねばという心意気で訪ねてみよう。

レンゴン渓谷の考古遺産は、いろいろな意味で過酷な世界遺産でした。

088【世界遺産】いろいろな意味で過酷だった世界遺産5選
世界には1000以上もの世界遺産が存在しています。それらを求めて旅をするというのもいいものですよね。多種多様な世界遺産が存在する中で今回は、いろいろな意味で過酷さのあった世界遺産を独自に5つピックアップしました。世界遺産に興味をもってもらえると幸いです。

ここにたどり着くまでに、いろいろと連れまわされました・・・。

238【マレーシア紀行】洞窟の中に巨大な大仏が!?マレーシア第三の都市イポーにある『ペラトン(霹靂洞)洞窟寺院』
今回紹介するペラトン(霹靂洞)洞窟寺院は、マレーシアのイポーという街にあります。イポーは、クアラルンプール・ジョホールバルに続くマレーシア第三の都市なのです。イポーには特徴的な数多くの寺院が残されており、近年徐々に訪れる人も増えてきているそうなのです。

レンゴン渓谷

レンゴン渓谷は、マレーシア、マレー半島の北部、ペナンの東に位置する町です。
このエリアで特筆すべきことは、先史時代の遺物が多数発掘調査で見つかっており、マレーシア半島の中でも最も古い時代から人間が活動していたことがわかる重要なエリアとして位置しています。

レンゴン渓谷の考古遺産

レンゴン渓谷の考古遺跡は、2012年に世界遺産に登録されました。

レンゴン渓谷では先史時代からの人類の生活の跡がたくさんみつかっています。
レンゴン渓谷の考古遺の年代は、183万年前~1700年前という途方もない期間の生活の様子を表す石器加工場と洞窟群があります。
2群4つの遺跡にわかれており、はいずれも良好な保存状態で残されており、この地域に初期人類が居住していたということがわかる遺跡として知られています。

これまでは、アフリカ大陸での初期人類遺跡がほとんどだった中で、アフリカ大陸以外で見つかった最古の初期人類跡として、良好な保存状態もあり、その時代の住居や使われていた道具などを調べるための重要な場所とされています。

レンゴン渓谷へ行ってみた

それでは、実際にレンゴン渓谷へ行った見ました。
クアラルンプールから4時間ほど、ペナンからは2時間ほどで行くことができるので、ペナンから行ったのですが、なかなか大変な旅でした。

ここの過酷さは、アクセスの悪さということもあるのですが、別の点があるのです。
それは、マレーシアの人が全然知らないのです。
そのため、ここに向かうときも、どう説明しても伝わらず、イポーにある他の遺跡をまわり、肝心のレンゴン渓谷になかなか到着できなかったのです。

そして到着した時には閉館時間・・・。
実は博物館には入ることができなかったのです。
そこで、受付の人にそこまでの経緯を話したり、日本からわざわざやってきたことを話したりして、敷地内にだけ辛うじて入らせてもらうことができたので、その時のことを今回は書いています。

自分たちの世界遺産に対する思いと、マレーシアの方々の思いには違いがあるのだなと感じさせられました。

当時は世界遺産登録直後だったということもあるのですが、現在は少しは状況が改善されているのでしょうか。

レンゴン考古学博物館

こちらがレンゴン考古学博物館です。
この中では、食べ物の化石、発掘した洞窟のレプリカ、実際に使われていた石器などの展示があります。
そして最も見どころなのが、この地で見つかった「ペラ」原人の骨格です。
レプリカではなく、本物を見ることができます。

レンゴン渓谷で見つかった10120年前のペラ人の骨格についての記事です。
東南アジアで見つかった完全な全身骨格として、貴重とされています。

博物館の周りはウォーキングで回ることができるようになっています。

実は、敷地内の高台を登ったところにも、屋外の展示が行われているのですね。

レンゴン考古学博物館の敷地内には、上のような物見台が建っています。
登ってみると、レンゴン渓谷の発掘現場が一望・・・といいたかったのですが、熱帯雨林のジャングルに囲まれたレンゴンの地。
木々が上から見れるだけでした。

敷地内には上の写真の発掘現場があります。
ここは、レンゴン渓谷遺跡群の最初の発掘現場なのだそうです。

残念ながらこの日は近くまで近づくことができませんでした。

博物館周りには、発掘で見つかったのでしょうか、岩の展示が環状に並んでいます。

博物館周りだけでもまあまあ見どころがあります。

博物館より高台の場所にあります。
ちなみに博物館は2018年にリニューアルされたそうです。

いかがだったでしょうか?
博物館の中まで入ることができていれば、もっと詳細に内容を書くことができたのですが・・・。
こちらの世界遺産『レンゴン渓谷の考古遺産』ですが、2020年現在でもやはり情報がまだまだ少ない状態です。
アクセスの悪さと、人気のなさ、それに伴ってバスなどの交通機関もしっかりと完備というわけではありません。
到着するのに相変わらず苦労することでしょう。

しかし、考古学的にアフリカ以外でこれだけの発見があったということは、かなりの大ごとであるそうなのですね。
次回は博物館に余裕をもって到着し(w)、しっかりと新しくなった博物館をリサーチしたいと思います。