インドネシアのジャワ島中部にある古都ジョグジャカルタからは、インドネシアの2大世界遺産を巡ることができます。
そのうちの一つが、世界最大の仏教寺院跡『ボロブドゥール遺跡』です。
そして、今回紹介するのはもう一つのヒンドゥー教と仏教が混在した『プランバナン寺院群』です。
このプランバナン寺院群は複数のヒンドゥー教寺院と仏教寺院とで構成されていますが、まだまだ発掘や修復が継続して続けられている遺跡であり、当時の姿が少しずつではありますが修復され続けている遺跡群なのです。
というわけで、今回のわきみちは、
インドネシアの世界遺産に関する記事です。


インドネシアの歴史を学ぼう、ジャカルタ歴史博物館の記事です。

ジョグジャカルタでできる様々な体験です。




世界遺産 プランバナン寺院群

プランバナン寺院群は、インドネシアのジャワ島中部の、世界最大級の仏教寺院であるボロブドゥール遺跡と並ぶ世界遺産です。
9世紀頃に創建されたとされるヒンドゥー教寺院であり、ロロ・ジョングラン寺院とも言われています。
世界遺産としては中心寺院のロロ・ジョングラン寺院と、約5km四方に点在している遺跡が、プランバナン遺跡群として登録されています。
プランバナン寺院群としては、プランバナン史跡公園内には
・ロロ・ジョングラン寺院
・ルンブン寺院
・ブブラ寺院
・セウ寺院
そして周辺のヒンドゥー教寺院・仏教寺院併せて18か所が寺院群としてはあるそうです。
プランバナン寺院は16世紀の大地震でそのほとんどが崩壊してしまい、その存在が忘れられていてしまったそうなのですが、18世紀に発見され、そこから20世紀に修復が本格的に行われるまでに、多くの石積みが盗まれたことにより、修復はかなり難航したとのことでした。
インドネシア政府によって、もとの75%の石積みが利用できる場合のみ遺跡を再構できるとされていることから、主なお堂については再構されていますが、周辺に広がっている小祠堂はほとんどがまだ修復に着手できていない状態のまま残されています。
アクセス
ジョグジャカルタ中心部から15kmほど北にあります。
ジョグジャカルタ空港からはバス・タクシーで約10分です。
近々、ジョグジャカルタに国際空港が開港され、海外からの直行便が入ってくる予定もあるそうです。
ただし、そこが開港すると、ジョグジャカルタに泊まる人が減る可能性が高いため、地元としては複雑なのだそうです。
プランバナン寺院群へ行ってみた
それではプランバナン寺院群へ行ってみましょう。

プランバナン史跡公園に入ると、まずは全域の模型が展示されています。

しばらく歩くと、プランバナン寺院が見えてきました。
ちなみに、上の写真の左側にはプランバナンの文字と共に撮影ができるスポットがあります。

2006年にこの地を襲った地震についての被害状況が書かれています。
後ほど、この際に落下したモニュメントの写真があります。

プランバナン寺院への入り口横にはこのような壁跡が見つかっています。
本来のプランバナン寺院の範囲は、今現在診使っているよりもさらに広範囲に広がっていることが予想されているそうです。

周辺の小祠堂はほぼこのような状態です。
基礎の場所はわかっているようなので、あとは積まれていた石がある程度見つかれば、再構に着手することができるそうです。
プランバナン寺院には、ヒンドゥー教のシヴァ、ブラフマー、ヴィシュヌの3神が祭られた神殿と、それぞれの乗り物であるナンディ、ハンサ、ガルーダを祀ったお堂が対峙して建てられています。
シヴァ堂

プランバナン寺院で一番大きなシヴァ堂に向かいましょう。

プランバナン寺院の中央に東向きに建っているのが47mの建物がシヴァ堂です。
シヴァ堂は東西南北に4つの部屋があり、東向きにシヴァ像があります。

こちらがシヴァ像です。

シヴァ堂の周りにはヒンドゥー教のお話であるラーマーヤナのレリーフが描かれています。

北向きの部屋には、シヴァの妻であるドゥルガー像があります。

さらに周囲をまわって移動していきます。

西向きの部屋には、シヴァの息子のガネーシャ像があります。

シヴァ堂を裏側から撮影してみました。

それぞれのお堂には、このような小塔部が多数乗せられていますが、

2006年のジャワ島中部地震の際に、アピト寺院から落下した祠堂の小塔部がそのままにされています。

シヴァ堂の正面にある堂には、ナンディ像があります。
ブラフマー堂

シヴァ堂の南にあるブラフマー堂には、4つの顔を持つブラフマー像があります。
ヴィシュヌ堂

シヴァ堂の北側にあるヴィシュヌ堂にはヴィシュヌ像があります。
プランバナン史跡公園内博物館

プランバナン遺跡公園内にはプランバナン寺院の発掘や構造に関した博物館があります。
園内にはカートが走っているのでこちらを使うと便利です。

博物館前にも遺構がのこっていました。
このあたりの地面の下にも多数の遺構が残っているのでしょう。

石積みの方法についての展示でした。
崩れないようにするためのいろいろな工夫がかかれています。
セウ寺院

セウ寺院は仏教寺院であり、プランバナン寺院の北すぐ近くにあります。
プランバナン遺跡公園内にありますが、1.5kmほどあるのでカートで向かいます。
8世紀末に創建されたといわれており、200以上の小祠堂に取り囲まれ他造りが特徴となっています。クペラと呼ばれる門を守る像も特徴的です。

プランバナン寺院群はまだまだ修復が続けられており、どこの部分かわからないような石材が集められている場所もありました。
2019年と2012年を比べてみた


最後に、2019年と2012年のプランバナン寺院を比較してみましたが、2019年の写真を見ると修復が進んでいる様子が分かります。
右前の小祠堂が修復されていますよね。
お堂の形状や、石材が揃ったところから徐々に修復を進めており、今後も少しずつこの光景が変わっていくのでしょう。
いかがだったでしょうか。
20世紀中盤に本格的に発掘が始まったプランバナン寺院ですが、往年の姿をしっかりと復元できるよう、少しずつ復元作業が進められています。
まだまだ長い時間がかかりそうではありますが、行くたびに少しずつ元の姿を取り戻していくであろうことを考えると、何回も訪問したくなってしまいませんか?
国際空港の開港でますます訪れやすくなるプランバナン寺院をぜひお楽しみください。