兵庫県の丹波篠山の地は、たくさんの名産で有名な地です。
たくさんの食材もそうなのですが、実はこの地は、日本酒の生産を支え続けてきた丹波杜氏で有名な地でもあるわけです。
現在の丹波篠山市では、その昔冬季の厳しい生活の中で、農閑期の出稼ぎが人々の生活のためにはかかせなかったのだそうです。
江戸時代には、灘や伊丹などに出稼ぎし、清酒造りに勤しみました。
この丹波杜氏があってこそ、現在の灘の銘酒が作り上げられ、日本各地の地方の酒の原形にもつながったのだそうです。
この酒造りの中心となる蔵元をはじめとした酒造りに携わった人々を「丹波杜氏」というのだそうです。
そんな丹波篠山の地には、今もなお昔ながらの酒造りを続けている製造元『鳳鳴酒造』があります。
そんな鳳鳴酒造は、昔ながらの清酒造りを気軽に見学できる施設『ほろ酔い城下蔵』を2001年から公開しています。
というわけで、今回のわきみちは、
丹波篠山にある、鳳鳴酒造の近くでもある大手食堂の記事です。

城下町の中心、篠山城の記事です。


鳳鳴酒造
兵庫県の丹波篠山には歴史を感じる観光スポットが多数あります。
日本百名城の篠山城をはじめ、多数残っている旧武家屋敷跡。
そして、丹波篠山の名産が多数あり、江戸時代から現代に残る古い街並みを散策するだけでも楽しみは尽きないですよね。
そんな篠山の地は、湧き水が豊富であり酒造りに適した土地でした。
しかし過去には多数あった酒蔵も、現在は2軒残すのみです。
そのうちの一つに、丹波篠山で有名な日本酒「鳳鳴」の製造元、鳳鳴酒造があります。
鳳鳴酒造 ほろ酔い城下蔵

鳳鳴酒造は現在はが、5kmほど西に言ったところにある味見蔵というところで、冬季のみでの11月~3月まで昔ながらの手法で酒を造り上げており、その作業の様子を見学することもできるそうです。
そして、篠山城の城下町、中央商店街に面しているところにあるのが、元々鳳鳴酒造の酒蔵であった築200年以上の西尾邸・本社蔵です。
ここが現在では鳳鳴酒造 ほろ酔い城下蔵となっており、江戸時代の建物の様子や丹波杜氏について、そして実際の酒造りに使っていた古い道具や、昔ながらの清酒の製造工程がパネルなどで展示されています。
鳳鳴酒造本社の主屋や仕込蔵などは、2003年に国の有形文化財に登録されています
見学後は直営店で試飲することができます。
アクセス
ほろ酔い城下蔵 酒蔵見学

ほろ酔い城下蔵の玄関口は江戸時代の建物がそのまま残る築200年以上の西尾邸で、中を通り抜けると本社蔵につながっています。
1975年に清酒製造場は5km西にある味間蔵に移されました。
それまでは実際にここで清酒製造がおこなわれていました。
洗米場

清酒と言えば米。
運び込まれた米は、洗米機を使用して洗っていきます。



釜場

釜場では、洗った米をここに入れ、下の釜から蒸気を通して米を蒸していきます。

放冷機


放冷機は、蒸した米を冷却する装置です。
ご飯を食べるわけではないので、清酒製造のために米の温度を下げます。
仕込みタンク

仕込タンクです。
この中で、米が発行してアルコールができ、酒が醸造されていきます。

貯蔵タンク(音楽振動醸造装置)

ここでは貯蔵タンクにクラシック音楽を流し、醸造する音楽振動醸造酒醸成があります。
この醸造方法を用いて、「夢の扉」という酒が造られているのだそうです。
音楽の振動がタンクに伝わることで酒の仕上がりがまろやかでキメの細かい口当たりになるのだそうです。





麹室

最深部には麹室という部屋があります。
上の写真の奥にある部屋です。

麹室とは酒造りにかかせない麹造り専用の部屋です。
温度が約30℃、湿度が約60%に保たれるため、ここに入ると独特の雰囲気があります。
ここで蒸米を広げて種麹をふりかけます。

高い天井の立派な梁。笹山藩城下町時代から続く歴史ある屋敷のつくりです。
いかがだったでしょうか。
現在はここでは清酒造りは行われていませんが、ここまで実際に使われていた場所を見学できるところも珍しいのではないかと思います。
日本酒好きの方は、清酒造りについて勉強もできて、お土産もゲットできるスポットですね。