今皆さんが食べている焼肉、ハンバーガー、ソーセージなどなど。
おいしいですよね。
みなさんが食べているお肉。
元は何だったのでしょうか?

そんなのわかってるよ。牛や豚でしょ。
ですよね。みなさんわかってますよね。
じゃあ、それら牛や豚はどうやって今食卓にやってきてるの?

そりゃあ、牛や豚を殺・・・
というところまではわかると思います。
しかし、その動物たちが肉になる過程、はっきりとイメージできますか?
現在この国では、その過程は徹底的に隠されています。
その結果、ほとんどの人が目にするのはスーパーマーケットでパックに入ったお肉ですよね。
そのお肉が元々は命あるものだったで、どこまで理解できますか?
「いただきます」が、形だけになってはいませんか。
今回紹介する『京都市中央食肉市場』は、食べ物を通して”命”を学ぶことができる施設なのです。
というわけで、今回のわきみちは、
※今回見学した施設『京都市中央食肉市場』は、原則館内での撮影は禁止となっています。そのため、今回の記事はほとんど写真の使用はありません。
京都で体験する豆腐作りに関する記事です。

京都市中央食肉市場

京都市中央食肉市場は、明治42年に開設された京都市立と畜場を前身として、昭和44年に開設されました。
長くの間、京都の豊かな食肉文化を支え、発展に寄与してきた施設です。
そして、2018年には現在の新しい施設に生まれ変わりました。
国際基準の衛生管理手法を導入した徹底した品質管理方式が導入されました。
・作業エリアの完全区分化
・最新の空調。・除湿設備による結露の発生防止
・コールドチェーンシステムによる各作業室の適正な温度管理
・国際的に認められた品質管理方式HACCPの導入
これらの導入により、より安心で安全、高品質な食肉を供給できる施設となりました。
この厳格な基準により、ここからはアメリカへの食肉輸出も認められているほどの国内でも有数の市場になっているのでそうです。
新施設では一日に牛を100頭、豚を150頭まで処理することが可能なのだそうです。
京都市中央食肉市場の施設では、京都や長野を中心に全国各地から送られてきた牛や、そのほとんどが京都や近畿地方から送られてくる豚を、牛肉・豚肉へと変えると畜作業が行われています。
そして、この施設では希望する方には予約制でその行程の見学を受け付けてもらうことができます。
内部には2階から見下ろす形の見学者通路が設置されており、ほぼすべての工程を見学することができます。
実際に、生きている牛や豚が目の前で肉へと姿を変えていく。
確かに恐ろしいシーンが目の前で繰り広げられます。
しかし、日常の生活に食肉があふれているということは、毎日どこかでこの工程が行われているわけです。
目をそらして、考えないようにして、避けようとしても、行われている現実なのです。
今の日本では、徹底的にこの工程が隠されますよね。
しかし、それでいいのでしょうか?
命をいただいている私たちが、命のことを考えられる機会を奪われているのではないのか。
そんなことを考えさせられる見学施設でもありました。
アクセス
近鉄上鳥羽口駅から西へ徒歩1.5km
JR桂川駅から東へ徒歩1.5km
どちらも駅からは遠いので、バスなどを利用したほうが良いかもしれません。
京都市中央食肉市場へ行ってきた
それでは京都市中央食肉市場へ行ってきました。
牛と畜作業工程

けい留
京都市中央食肉市場へは、日々、生産農家で約20か月育てられた牛や、約6か月育てられた豚が運ばれてきます。
その後、それぞれの生体が計量され、滅菌処理が行われます。
スタンニング
エアー銃を牛や豚の額にあて、強力な圧によって瞬間的に意識を失いさせます。
あの大きな牛の体が、一瞬で横たわります。
スタンニングの強さだけで、命を失ってしまう場合もあるそうです。
放血・食道結さつ
片足をクレーンに括りつけられ、持ち上げれらます。
その後、放血され、牛や豚は命を失います。
その際には、内容物が逆流しないように食道が結さつされます。
足・角等処理
吊り下げられた牛や豚の足や角が切り離されます。
皮はぎ
牛の皮は商品として利用されます。
そのために穴などが開かないように、機会を用いて巻き取りながら、牛の体から一気にはぎとられます。
その後、殺菌処理が行われます。
頭落とし・胸割
次に牛や豚の頭を切り落とします。
また、腹側から切り裂かれ胸を割ります。
その際に、内臓が出てくるので摘出され、洗浄やせき髄の吸引などが行われます。
背割
背側から切り裂かれ、一頭の体が二つの枝肉に分けられます。
もうこの状態まで来ると、肉としてしか見ることができなくなってきます。
検査など
最後は、検査や整形、洗浄が行われ、冷蔵されていきます。
枝肉となった肉は、その後、格付けや競りへと工程が移されていきます。

豚肉

同施設では、豚から豚肉への処理も行われています。
その工程は、牛の場合とほぼ同様の工程で行われます。
その後の枝肉は
京都市中央食肉市場で競り落とされた枝肉は、それぞれの小売店や量販店、外食店などに送られます。
また、一部は卸売業者に卸されたり、加工業者にもまわされます。
いかがだったでしょうか。
新しく造られた施設ということで、見学用の設備がきちんと整備され、開かれた施設として見学希望者を受け入れる同施設は、食文化の学びの場としても、市民やそれ以外の人々にも開かれた施設でした。
“知る”ということは、物事を深く追求するときにはとても大切なことです。
毎日の食がどのようにして私たちの目の前に現れているのか。
そいうったことを知ることも、現代の学びとして大切なことなのではないでしょうか。