181【大阪紀行】古くからの自治都市”堺”で受けつがれる伝統技術『堺刃物ミュージアム』

近畿地方(Kinki)
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大阪のは、その昔から多くの商人や職人たちによって高度な技術が受け継がれ、織田信長をはじめ、歴史に名を残すような人物からも重要視された自治都市でした。
そこには高度な鋳造技術が受け継がれており、打刃物をはじめ、戦国期には鉄砲の製造もおこなわれていたほどの地です。

そんな堺には、伝統的な堺打刃物の技術が受け継がれており、現代でも多くのプロの料理人から選ばれているような包丁類の製造が続けられています。
そして、このような伝統技術をより広く知ってもらうことができるように、堺には堺刃物ミュージアムと呼ばれる博物館があります。
ここでは、堺の伝統技術を見て、聞いて、体験して学ぶことができるのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 高度な技術が伝わる長い歴史のある都市”堺”。そして今も、人々はこの堺アイデンティティを大切に生きているのです。

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堺刃物ミュージアム

堺刃物ミュージアムは、堺の伝統産業である堺刃物・堺打刃物の博物館です。
正式名称は堺刃物伝統産業会館と呼ばれています。
6600年以上もの長い間受継がれている堺刃物は、全国の業務用包丁の約90パーセントのシェアを占めており、そんな匠たちの技を、展示や解説、体験などを通して理解を深めていくことができるミュージアムです。

展示内容には、鯨を捌く鯨切や、マグロを捌くためのマグロ切、ハモ切や中華包丁など用途に応じた包丁が展示されています。
中には、カステラ切や、菓子切、繊維のメリヤス裁など、その多種多様な用途に応じた珍しい包丁の種類には驚かされます。
また、大出刃包丁などその大きさに驚かされるような包丁もあったりします。
また、業務用から家庭用までの様々な刃物の販売コーナーもあります。

アクセス

阪堺線妙国寺前駅から徒歩3分です。

堺打刃物

堺打刃物とは、大阪府堺市を中心とした地域で発達し受けつがれてきた刃物製品です。
その鍛造技術及び研磨技術によって作られ包丁や鋏が代表的な製品として挙げられます。

現在でも多数の古墳が見られるこの地域には、同時期に鍛鉄技術が伝わり、刀製造として発展していきました。
またその高度な技術は、織田信長によって堺が重用された理由ともなっている、鉄砲製造にもつながっていきました。
江戸時代ごろから、堺で造られた刃物の良さは幕府からのお墨付きであり、現在に伝わる様々な用途ごとの包丁などは堺の職人によって開発されたのだそうです。
現在でも料理人が使う包丁のほとんどはこの堺で生産されたものなのだそうです。

刃物の製造工程

堺打刃物 和包丁ができるまでは大きく分けて、鍛冶と研ぎの工程に分けられます。

鍛冶の工程

①刃金つけ:地金と鋼とを接着する
②先付け:熱した材料を取り出し、打ちのばして包丁の先の形をつくる
③中子とり:柄の中に入る部分を鍛造
④裏すき:刃裏の平面に凹みをつくる
⑤断ち回し:包丁を形に合わせて余分な場所を切り取っていく
⑥刻印打ち
⑦焼き入れ:800度近熊で加熱した後に水につけて一気に冷ます
⑧焼きもどし:再び180度近くまでに熱する
⑨歪みなおし

その後、研ぎの工程へ移ります。

研ぎの工程

①荒研ぎ
②平研ぎ
③本研ぎ
④裏研ぎ
⑤木研あて
⑥ボカシ
⑦柄付け

そして、完成です!

堺刃物ミュージアムへ行ってみた

それでは、堺刃物ミュージアムに行ってみました。
今回紹介している内容は、現在地に移転する前の堺刃物ミュージアムの物です。

堺刃物ミュージアムは、堺が伝統的にの誇る堺打刃物・堺刃物を展示しているミュージアムです。
刃物作りの工程や、様々な刃物の展示や、また販売も行われています。

こちらは出刃包丁の製造工程ごとに並べれた展示です。
地鋼から最終的に製品である出刃包丁となるまでの工程が展示されています。

こちらは火縄銃の展示です。
堺というとこちらを先にイメージする方も多いかと思います。

用途ごとに造られた包丁類です。
鯨切や桑切などは、その大きさに驚かされます。

カステラ切や紙裁など切りにくいものに対する包丁というものも造られているのですね。

とにかく大出刃が大きいですね。

鮭やかつをなど、魚の種類ごとの包丁がありました。
ここまでの種類があるということが驚きです。

やはり鮪を捌くとなると、それなりのサイズや長さが必要になってくるのですね。

堺では刃物と合わせて、鋏もつくられており、堺で作られた大鋏が展示されています。

そして忘れてはならない刀ですね。

最後に刃物の原材料が展示されていました。

いかがだったでしょうか。
伝統ある技術が受け継がれている堺を深く知ることができる博物館ということで、なかなか興味深いところではないでしょうか。
近年、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録で注目を浴びている堺ですが、まだまだ秘められた見どころがたくさんある街なのです。