ミャンマー中部にある世界遺産の町バガンには、大小さまざまな寺院や仏塔(ストゥーパ)が立っています。
すでに何度か記事では取り上げたことがあるのですが、一つ一つ取り上げていっても、どれも魅力的な特徴があふれるものが多く、まだまだ紹介したりないところがたくさんあります。
前回は、暗い噂が付きまとう、バガンの中でも最も大きく特徴的なダマヤンジー寺院について紹介しました。

今回もなかなかに特徴的な寺院の一つを紹介したいと思います。
バガンにはたくさんの寺院や仏塔があるので、たくさん見て回るとどれも同じように見えてくるのですが、今回紹介するマヌーハ寺院は、後で思い返してみても印象に残る寺院の一つです。
なぜ印象に残るのかというと、巨大な仏座像や涅槃像があるのですが、それらが安置されている部屋の空間いっぱいに置かれているのです。
いったいなぜ仏像たちがそのような窮屈な空間に置かれているのか、そこには何か寺院を建立した人物の意図が表されているのか。
それらを読み解いていく楽しみもこの寺院にはあるのです。
というわけで、今回のわきみちは、
行ってみたら予想以上だった世界遺産についてのピックアップ記事です。

マヌーハ寺院
バガン
バガンはミャンマー中部にある町であり、あたり一面にストゥーパ(パゴダ/仏塔)や寺院が立ち並ぶ仏教遺跡です。
その数は大小合わせて3000を超えると言われ、アンコールワットやボロブドゥールとともに世界三大仏教遺跡の一つとされています。
そして、ようやく2019年に「バガンの考古地域と記念建造物群」として世界遺産登録されました。
バガンに関して詳しい内容はこちらをご参照ください。

マヌーハ寺院

当時、ミャンマー南部を支配していたのはモン族という一族でした。
しかし、バガンの王によって捕虜とされたモン族タトォン国の王でマヌーハ(元々はマクタであったそうです。)という人物がいました。
マヌーハ寺院の名前はこの人物の名前からきています。
このマヌーハ王が1509年に寺院の建立を許可されて財を投じて、マヌーハ寺院を建立しました。
バガンのエリアでも最も古い寺院とされているものの一つです。
このマヌーハ寺院は、マヌーハ王自身が窮屈な捕虜生活を強いられており、囚われの鬱屈した感情が随所に表現されている寺院です。
外観は、2層構造になっており、外壁面の大部分が剥がれ落ちれいるなど、美しい外観とは言い難い造りとなっています。
内部には3体の座像と1体の涅槃像があるのですが、どの像も建物の壁いっぱいになるくらいに造られており、マヌーハ王の感情がそこ表されていると言われています。
1975年にバガンに起きた大地震の時には寺院中央の屋根が崩落し、仏像も損傷したのだそうですが、現在は修復されています。
アクセス
マヌーハ寺院は、オールドバガンから道沿いにさらに700m南下したところにあります。
マヌーハ寺院へ行ってみた
それではマヌーハ寺院へ行ってみましょう。

マヌーハ寺院は、それほど大きな寺院ではありません。

外観は所々が剥がれ落ちているので、かなり地味な印象でした。

それでは内部に入ってみましょう。

中に入ると巨大な金色の瓶?壺?があるのですが、これは賽銭箱でした。
それでは奥に進んでいきます。
座像

さらにすすむと視線の先に巨大な仏座像が見えてきます。

17mもの大きさになる仏像だそうで、マヌーハ王自身の鬱屈した感情が表されている仏像なのだそうです。
下から見上げた座像は、少し怒っているように見えるのだそうだが、離れるていくとその表情が和らいでいくように見えるとのことなのだそうですが、なにぶん窮屈なので、離れたところの写真はおさめることができませんでした。

先ほどの座像の左右にも少し小さめですが2体の座像があります。
こちらは両側に窓もなく、さらに窮屈そうです。

とにかく狭いので部分部分しか撮影できませんでした。。。
涅槃像
さらに寺院の裏手にまわると、今度は涅槃像が安置されています。

全長30mもある涅槃像なのですが、こちらも窮屈な建屋の中におさめられているため、とりあえず顔を撮影してみました。
顔の部分だけは入り口の前にあるので、正面から撮影することができます。


顔から足の方向を撮影しています。

次は足の方向へ回ってきました。

次は足の部分から顔の方向を徐々に撮影していきます。

建屋自体も涅槃像の形に合わせて造られているようで、とにかく窮屈です。
涅槃像もさぞかし長年窮屈な思いをし続けているのでしょう。

人と比べると大きさがなんとなくわかるかなと思います。
巨大な鉢

寺院内には巨大な石をくりぬいて作られた大きな鉢があります。
現地の人にとっては賽銭箱のようです。
いかがだったでしょうか。
バガンにはこのような特徴的な寺院もたくさんあります。
まだまだ紹介したい場所がたくさんあるので、今後も特徴的なところを順次紹介していきたいと思います。