286【スリランカ紀行】紀元前を起源とする石窟寺院『ダンブッラの黄金寺院』

世界の世界遺産(World Heritage)
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スリランカは歴史ある敬虔な仏教国であり、その国の中にもさまざまな種類の世界遺産があります。
シーギリヤロックのような自然の巨石の上に築かれた王宮跡や、アヌラーダプラやポロンナルワのような古都。
キャンディにある仏歯寺など、見どころは多いです。
そしてこのダンブッラの黄金寺院もそんな魅力的な遺跡の一つです。

石窟寺院は世界のいろいろなところで見られますが、一つの巨石の上にある自然洞窟を利用した大規模な石窟寺院は迫力満点です。
また、今も昔も熱心な信者の方々によって大切にされている場所であるため、その保存状態も非常によく、多くの仏像や壁画などを見ることが出います。

スリランカ中央の文化三角地帯にある遺跡の一つとして絶対に外せないスポットですね。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 巨石の自然洞窟の中に広がる巨大な仏教寺院を見に行ってみよう。

ダンブッラから北東10kmにあるシーギリヤロックに関する記事です。

074【スリランカ紀行】地上200mの天空の王宮 シーギリヤロック
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ダンブッラから南に100kmのキャンディにある仏歯寺とペラヘラ祭りの記事です。

161【スリランカ紀行】仏歯を乗せた像が練り歩く聖地キャンディの『エサラ・ペラヘラ祭』
スリランカの伝統的な祭り『ペラヘラ祭り(エサラ・ペラヘラ祭り)』について紹介します。同国各地で行われるペラヘラ祭りですが、その中でも最大規模のパレードが行われるのが、世界遺産都市キャンディで行われるペラヘラ祭りなのです。

ダンブッラの黄金寺院

ダンブッラはスリランカ中央の文化三角地帯(※)にある小さな町です。
北のアヌラーダプラと南のキャンディとを結ぶ幹線通りと、クルネガラとトリンコマリーとを結んだ幹線通りとが交わるあたりに位置しています。
ダンブッラの町は、北に広がる都市間を結ぶバス停がある新市街と、ダンブッラの黄金石窟寺院がある南の旧市街とで構成されています。

このような小さな町ではありますが、ここにある2000年以上もの歴史がある世界文化遺産ダンブッラの黄金寺院で有名な町です。
ダンブッラの黄金寺院は1991年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

ダンブッラの黄金寺院の歴史は紀元前3世紀に僧院として使われていたことから始まります。
紀元前1世紀にはこの僧院を寺院へと発展を遂げます。
その後もダンブッラの寺院は、時代ごとに増築が施され、その順に5つの石窟が立ち並んでいます。

一つの巨大な岩山の頂上付近にあった洞窟の中に寺院が造られており、多数の壁画や仏像が祀られています。
石窟は全部で5つが並んで建てられており、それぞれの壁画や仏像は、それぞれが意味をもった造りとなっています。
仏教の説話についての壁画だけではなく、長くスリランカの地で争われてきたシンハラ人とタミル人の争いについて書かれたものもあり、スリランカの人種的な問題についても考えさせられます。

(※)文化三角地帯

文化三角地帯とは、ダンブッラを含めスリランカのほぼ中央エリアに多数の古代遺跡が集中することから、このように呼ばれています。

世界遺産がある古都で有名なアヌラーダプラ・ポロンナルワ・キャンディの3都市がちょうど三角形の頂点になっており、その中に同じく世界遺産であるシーギリヤ、ダンブッラといった遺跡があります。

アクセス

幹線通り沿いには巨大な黄金の仏像がありその脇にはダンブッラ黄金寺院へと続く小道があるのですが、こちらから入ることもできるのですが、チケットカウンターまでが遠くなってしまいます。
そのため、幹線通りから西に入る小道を500mほど進むと、チケットカウンターがあります
こちらからダンブッラの石窟寺院に登り、帰りは幹線通り沿いの黄金の仏像の脇の道に出てくると、効率よく全てのポイントを見て回ることができます。

ダンブッラの黄金寺院へ行ってみた

それでは、ダンブッラの黄金寺院へと行ってみましょう。

こちらがダンブッラの黄金寺院から西側にあるチケットカウンターのある入口です。
こちらから入ると効率よく遺跡を廻ることができます。

チケットカウンターからダンブッラの黄金寺院まではこのような道が続きます。
道沿いには土産物屋が立ち並んでいます。

巨石の上に立つ石窟寺院のため、登りが続きます。

石窟寺院付近まで到着しました。
標高約160mの高さがあり、周辺には高い建物などもないため、かなり遠くの様子まで見ることができました。

ここからは15km北東にある世界遺産シーギリヤロックも見えます
この日は、ダンブッラを見た後、シーギリヤまでスリーウィーラー(三輪タクシー)で移動しました。
もちろんバスでも行けますが、北の新市街のバス停まで移動したりと多少手間がかかるので、スリーウィーラーでそのまま向かったほうが便利ではあります。

ダンブッラの黄金寺院入り口

岩山の山頂、岩肌を横に壇ブランの黄金寺院入り口が建てられています。
寺院内は土足厳禁のため、ここで靴を預けてから入ります。


このように自然の岩でできた起伏や洞窟を利用した石窟寺院です。

全体は漆喰で塗られていましたが、一部岩肌が露出しているところもありました。

第一窟 デーワ・ラージャ・ヴィハーラ(Dava Raja Vihara)

神々の王の寺」という名の、ダンブッラの中でも最古の石窟です。
この石窟の目玉は、ダンブッラの寺院では最大の約14mもある黄金の涅槃像が祀られていることです。
涅槃像は足の裏だけが赤く染められています。
それ以外には5体の仏像と、壁一面の壁画を見ることができる。
こちらには、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神も祀られています。

第二窟 マハー・ラージャ・ヴィハーラ(Maha Raja Vihara)

ワッタガーミニ・アバヤ(ワガラムバー) 王を祀った「偉大な王の寺」という名の石窟です。
ダンブッラの5つの石窟の中でも最大のもので、その面積が約50m×25mもの広さがある見ごたえのある石窟です。
この石窟内の壁や天井には一面に壁画が広がり、56体の仏像が安置されています。
ここの壁画には、仏陀のことや、スリランカの歴史、シンハラ人とタミル人の戦いなどが描かれています。

こちらがワッタガーミニ・アバヤ(ワガラムバー) 王の像だそうです。

この壺は天井からしずくが落ちるところに置かれています。
この壺の中にある水は、常に絶えず雫が落ちているにもかかわらず、増減しないのだそうです。
また、どこから沸いている水なのかもわからないため、ダンブッラでは重宝され、重要な儀式のときにのみ僧がこの水を飲むのだそうです。

なおダンブッラとは「水の湧き出る岩」という意味であり、ダンブッラ寺院の名前の由来はここから来ています。

第三窟 マハー・アルト・ヴィハーラ(Maha Aluth Vihara)

偉大な新しい寺」という意味の石窟です。
18世紀後半に造られたもので9mの涅槃像をはじめ、57体の仏像があります。

第四窟 パッツィーマ・ヴィハーラ(Pachima Vihara)

西洋の寺」という意味の石窟です。
キャンディ王朝の末期に造られたものであり、これまでの石窟と比べると狭くなっています。
比較的新しい仏像が多いとされています。

この写真の中央にある黄色仏像は、観光客が仏像の手のひらに座って写真撮影をしたことから、塗り直されたものなのだそうです。

第五窟 デワナ・アルト・ヴィハーラ(Devana Aluth Vihara)

20世紀の1915年に造られた最も新しい石窟です。

ここまで見てきたように、入口から順番に第一窟~第五窟までが立ち並んでいます。
第五窟を出たところから入り口方面を撮影してみました。

下山路

ダンブッラの黄金寺院からは東の幹線道路の方向に向かって下山をしていきます。

道を進んでいくと、目の前に巨大な仏像の後ろ姿が見えてきました。

黄金大仏

麓まで降りてくると、このような黄金の大仏が現れます。
見ての通り新しいものであり、幹線道路沿いにあるため道からもよく見えます。
この近辺が駐車場エリアになっているため、スリーウィラーもこのあたりで待機しておいてもらうとよいでしょう。

黄金の仏像周辺には、岩を利用して、托鉢を行っている僧の像が列をなしています。

いかがだったでしょうか。
ダンブッラは見どころがこの黄金寺院のみですので3時間ぐらいあれば見どころは回ってしまうことができます。
そのため、特にここに宿泊をしたり丸一日を割り当てありはせずに、文化三角地帯の遺跡間を移動する途中にセットで観光を入れてもよいくらいの規模になっています。
ぜひこの岩山に広がる2000年の歴史を体験してもらいたいと思います。