今回はプノンペン市内を流れるトンレサップ川に架かる橋、日本カンボジア友好橋についての記事です。
日本カンボジア友好橋という名前からもわかるように、この橋の建造に当たっては、日本からの技術提案が行われています。
しかも今から60年ほど前に日本とカンボジアとが協力して建造されているのです。
ところが、その後に勃発したカンボジア国内の内戦。
現代文明を否定し、人々の自由な移動を制限したクメール・ルージュによる統治下では、この橋も無用な物でした。
そのため、建造から10年ほど経った時に、自爆テロによって橋は破壊されます。
内戦終了後、すぐには再建されなかったものの、やはり人々の生活の利便性を向上させるために橋は必要不可欠な物でした。
現在では再建され、近年は今後もさらに使い続けるために改修も行われており、まだまだその活躍は続いていきそうです。
というわけで、今回のわきみちは、
カンボジアのプノンペンに関する記事です。






日本カンボジア友好橋
日本カンボジア友好橋(チョロイチャンバー橋。現地ではスピアン・チュローイチョンワーとも呼ばれる)は、カンボジアの首都プノンペンの北側、トンレサップ川に架かり、対岸のチョロイチャンバーとを結ぶ全長約700mの橋です。
元々は、橋の架かっていなかったトンレサップ川。
個々を行き来するのは渡し船などの手段しかありませんでした。
そんな人々の不便を解消するために、新たな橋を建設する国債入札が行われ、最終的に日本の協力によって1963年に建造されたものでした。
橋が完成したことにより、人々の生活は格段に向上していきます。
ところが、カンボジア内戦時である1972年に、101人のベトコン自爆テロによって中央部が崩壊しました。
この橋の爆破に関わった自爆テロ犯たちの残りは、クメール共和国軍によって追跡され全て処刑されています。
カンボジア内戦も終わり10年以上放置されていましたが、人々の崔家への要望が強く、1994年に日本の援助で橋中央の崩壊した部分が修復され、再度開通することになりました。
プノンペンの交通量は劇的に増え、さらなるキャパシティが必要になってきたことから、2014年には日本カンボジア友好橋の真横に、中国との協力で建設された、中国カンボジア友好橋が造られています。
また、建造から50年を超え、老朽化も見えてきていた日本カンボジア友好橋もまた改修工事に入ります。
2017年から改修工事はスタートし、約1年半かけて2019年6月まで行われました。
今回の改修工事では、橋の両端部分の架け替えと、全面的な再塗装などが行われました。
今回写真で紹介しているのは、2016年時の日本カンボジア友好橋なので、改修前のものになります。
現在の日本カンボジア友好橋は、全ての塗装が塗りなおされ、新たに青色の端になっているのだそうです。
アクセス
当ブログで紹介したことのある、ワット・プノン寺院からは北に500m、プノンペンの王宮からは北に1kmのところにあります。
日本カンボジア友好橋へ行ってみた
それでは、日本カンボジア友好橋を渡ってみたいと思います。

プノンペン市内から日本カンボジア友好橋を渡るにはトゥクトゥクチャーターが便利です。
ドライバーたちの間では、この対岸のチョロイチャンバー巡りのセールスがとてもイチオシだそうで、色々とドライバーに話を聞いてみるとすぐに行ってもらえるトゥクトゥクを見つけることができると思います。

そして、ここが日本カンボジア友好橋上です。
橋の継ぎ目になっていますが、1963年に築かれた建設当時の橋部分と、1994年に再建された部分とになっています。
50年以上の歴史ある橋ですが、まだまだ現役です。
この日本カンボジア友好橋の特徴ですが、上の写真をよく見てみると、全部で三段構造になっているのが分かるでしょうか。
橋の欄干から、最も高い層が歩行者用。
一段下がって、バイク用。
そして最も低いのが自動車用と、橋の両サイドが同じ構造になっています。
歩行者用はまだまあわかるのですが、バイク用の層は実際にここをバイクで走ったりというのは、段に引っかかって危ない気もします。
しかし、橋脚が支えられる重量の関係でここを改修することはできず、現在も同じ構造のままなのだそうです。
対岸から眺めるプノンペン市内中心部

対岸に渡ってきました。
こちら側から眺めるプノンペン中心部もなかなか珍しい光景ではないかと思います。
中央部の高層ビルのすぐ右側に、丘の上に建つワット・プノン寺院が見えます。
しかし、プノンペンの近代化を象徴するように、高層建築もかなり増えてきていますね。


ここからは、王宮とシルバーパゴダが見えますね。
対岸から見てもその豪華さはよくわかります。


対岸には何があるのか?

対岸に渡るととにかく都会の喧騒が全くなくなります。
静かな田舎町そのもの。
橋を渡ってたかだか1kmほどでこのような風景が広がるのは不思議な雰囲気もしますね。
さて、では対岸には何があるのか?ですが、
・黄金の船がとにかく目立つ寺院『ワット・サンポー・トレイリーク』
・地元ではモンキーテンプルとして有名な『ワット・プラクム・サコール』
といった、どちらもガイドブックなどでは紹介されていない地元の寺院があります。
中国カンボジア友好橋ができたことで、今後さらに人の往来が増えそうではありますが、まだまだ手付かずな地元の人だけが知っているこのような穴場スポット探しも旅の醍醐味ですね。
いかがだったでしょうか。
今回はプノンペン市内中心部から対岸に渡ったところまででしたが、名前だけ紹介したローカルな2つの寺院については、今後当ブログにて紹介します。