306【鳥取紀行】元祖妖怪ウォッチができる『水木しげるロード』

中国地方(Chugoku)
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妖怪・・・その言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
おどろおどろしい妖怪でしょうか?
それとも愛くるしい妖怪でしょうか?

前者の場合は昭和~平成前半生まれかな。
後者だと平成後半から~令和生まれでしょうか。

近年であれば、ネコの妖怪をはじめ可愛らしい妖怪かもしれませんが、恐ろしい、怖い、不気味、気持ち悪い・・・といったイメージの妖怪もあることでしょう。
そんな不気味な存在としての妖怪、これを人々の脳裏に焼き付けたのは、かの有名な水木しげる氏でしょう。
氏の描く妖怪たちは、一見すると不気味で、怖い印象を持ちますが、よくよくお話を読み進めていくと、それぞれの妖怪にもいろいろな表情があることがわかってきます。
それが何年も愛され続ける理由なのでしょうね。

そんな水木しげる氏が描き続けてきた妖怪たちですが、それが実際に目の前に現れたら、あなたならどんな反応をしますか?
まあ実物ではないのですが、そんな妖怪たちが至る所に現れる人気のスポットが鳥取県の境港にある水木しげるロードなのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 水木しげるであふれかえる通り、水木しげるロード。さて、どれだけたくさんの妖怪に出会えるでしょうか。

鳥取県に関する記事です。

870【鳥取紀行】古き良き風情漂う、町歩きをするだけでも楽しい『若桜の町』
今回は古き良き町並みが残る鳥取県にある街を紹介していきたいと思います。その街の名前は若桜町の若桜地区です。国選定重要店頭的建造物群保存地区 若桜町若桜として、令和3年に選定された地区となっています。元々は、以前紹介した若桜鬼ヶ城の城下町として発展した地域であり、街道沿いにある宿場町としても発展した伝統的な地域です。
865【鳥取紀行】レトロな街並みにレトロな駅舎『若桜駅』
今回紹介しているのは、鳥取県で営業している若桜鉄道という路線です。この路線には現在は全部で9つの駅があるのですが、どの駅もそれぞれ味わい深い趣きを持っている駅舎なのです。その中でも終着駅にあるのが、レトロな街並みで有名な若桜(わかさ)の町にある若桜駅です。木造で平屋建てな若桜の駅は、訪れた瞬間に昭和の時代にタイムスリップしたかのような感覚に包まれます。
855【鳥取紀行】因幡三名城の一つ。街道の様子が手に取るようにわかる『若桜鬼ヶ城』
攻防に長けた山城をしっかりと見てみたいのであれば、鳥取にあるこんな城はいかがでしょうか。その城は若桜鬼ヶ城といいます。なんとも重々しい名前の城なのですが、かなりの歴史のある山城の一つなのです。そして、この城から見渡す光景を見ると、山城とはこういう理由がったのかと、納得させられる場所なのです。
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鳥取と聞いて思い浮かぶことは??ほとんどの人がこう答えるのではないでしょうか。『鳥取砂丘』と。日本にありながら日本ではないような、まるで砂漠かのごとくの砂だけの光景。え??ただの砂地でしょ??と、思うことなかれ。鳥取県は、この砂丘の魅力を生かして、対外に発信を行っているのです。
834【鳥取紀行】明治に建てられた洋風建築の建物。”あの”映画の撮影にも使われた『仁風閣』
今回紹介しているのは、明治洋風建築として、中国地方を代表するほどの場所である鳥取県にある仁風閣という建物です。国の重要文化財にも指定されているこの仁風閣ですが、その保存状態は非常によく、現在も博物館として内部は公開されています。
807【鳥取紀行】かつて、とんでもない状況だった城。調べてみるとその悲惨さが・・・『鳥取城』
今回紹介するのは山陰地方の名城である鳥取城です。広大な曲輪を組み合わせて造られている鳥取城跡は山麓にある城跡と、山上にある城跡とがあり、その他にも敷地内にある仁風閣や、独特の半円球状に作られた巻石垣のある天球丸、久松山山頂にある複合天守跡など、その広大な縄張りに驚かされることでしょう。
135【鳥取紀行】山陰の地で、いち早く造られた近世城郭『米子城』
鳥取県米子市、中海沿いにある米子城は、標高約90mの山頂から見られる眺望からも分かるように、このあたりの地を治めるにあたっては非常に地の利のあった場所なのです。大天守と小天守から成る壮麗な城跡をイメージしながら、「山陰随一の名城」を見に行ってみましょう。

水木しげるロード

水木しげるロードは、日本の鳥取県境港市にある全長800mもの商店街に付けられた名称です。
通り沿いには、数多くの妖怪の銅像などのオブジェや、水木しげるが描くゲゲゲの鬼太郎をはじめとした妖怪にちなんだ店や博物館などによって、町おこしを行っている地域です。

もともと境港市は、日本有数の漁業であり、そこに人が集まって商店街も発展していった地域でした。
しかし、1970年代からは大規模小売店の進出などによって衰退していき、シャッター通りになっていくなど、地域の経済の沈下が顕著になっていきました。

そこで、境港市民だけではなく他府県からも多くの人がやってきて親しまれる道路を作ろうということで、境港市出身の水木しげるが描いたゲゲゲの鬼太郎に登場する多くの妖怪たちを前面に押し出して、1993年にコミュニティ道路「水木しげるロード」が始められました。

JR境港駅前から直結の商店街であり、その通りには23体からスタートし、現在は177体にまでもの数に増えた妖怪のオブジェが立ち並んでいます。
妖怪にちなんだ観光スポットや店、博物館などが作られ、その奇抜な発想からも全国から人が集まる一大観光スポットとなり、多くのイベントも行われるまでになりました。
さらにはゲゲゲの鬼太郎のラッピング列車も走るまでになっています。

そういった地元の努力のかいもあり、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」や「がんばる商店街77選」、さらには「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にも選ばれ、さらに人々の訪問を後押ししています。

近年はリニューアル工事が行われ、2018年からは再オープンされています。
年間観光客数は2019年までに年間300万人前後の、鳥取有数の観光地にまで成長しています。

アクセス

JR境港駅から東に800mの区間が水木しげるロードとなっています。

水木しげるロードへ行ってみた

それでは水木しげるロードへ行ってみましょう。
写真は2018のリニューアル直後のものとなっています。

通りではスタンプラリーも行われており、大人も子どももおおはしゃぎで楽しんでいる様子が見られます。

水木マンガの世界

駅前に到着すると少しイメージしていたのとは異なる、いたって普通の光景が広がります。
このあたりは水木マンガの世界、と呼ばれているエリアです。

こちらは河童の泉と呼ばれる場所です。
中央の池に行ってみると、小さなオブジェが多数並べられています。

森にすむ妖怪たち

この30mくらいのエリアは、森にすむ妖怪たちというエリアです。

神仏・吉凶を司る妖怪たち

その次は神仏・吉凶を司る妖怪たちというエリアです。
さっそく通りの左手には妖怪神社がありました。

このあたりからは、妖怪を取り扱ったお店の数もかなり増えてきます。

妖怪神社は御身体の目玉石が置かれています。

身近なところにひそむ妖怪たち

ここの橋からは、身近なところにひそむ妖怪たちのエリアです。
橋の欄干で佇む目済み男が印象的ですね。

家に棲む妖怪たち

最後の区間は、家に棲む妖怪たち、のエリアです。
2003年の水木しげるの誕生日にオープンした、水木しげる記念館があります。
同記念館は2012年にリニューアルされており、水木しげると妖怪の世界観を展示している博物記念館です。
ここが水木しげるロードの終端地点です。

運よくゲゲゲの鬼太郎のラッピング列車も見ることができました。
この列車も境港人気を押し上げる要因になっているようです。

いかがだったでしょうか。
境港の水木しげるロードは、地方の商店街再活性化の大成功例として、いろいろなところから視察なども行われるほどの観光名所になっています。
子どもがワイワイ楽しめる所ですが、水木しげるのマンガの良さは大人もしっかりと楽しめること。
そういった意味で、この水木しげるロードも子どもも大人も楽しめるスポットとなっています。
ぜひ、177体全ての妖怪オブジェ見学をコンプリート目ざしてみてください。