321【カンボジア紀行】塔四面に彫られた四面像が有名な『アンコール・トムのバイヨン』

世界の世界遺産(World Heritage)
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岩で作られた寺院の壁面に浮かぶ観世音菩薩の顔
カンボジアのシェムリアップを調べていると、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
この顔の彫られた四面塔があるのが、今回紹介しているバイヨンです。

バイヨン、という名前だけを聞くと『?』となってしまうかもしれませんが、『アンコール・トム』という名前であれば聞いたことがあるのではないでしょうか。
アンコール・トムとは、アンコール・ワットの北に造られた、寺院と王宮を中心とした王都跡の遺跡です。
その広大な遺跡の中心にあるのがバイヨンであり、この王都を造った王が考える宗教観と、治政観を体現している遺跡なのです。
アンコール・ワットとは雰囲気が異なり、なぜか日本人にも近い仏教感覚を感じさせてくれるバイヨンを今回は紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • シェムリアップ観光ではここも外せない。まずは中心となるバイヨンを見て、そこからアンコール・トムの見どころを押さえていこう。

カンボジアの世界遺産に関する記事です。

440【カンボジア紀行】夕日鑑賞のベストスポット。アンコール遺跡群の中でも唯一の丘の上に建つ遺跡『プノン・バケン』
アンコール遺跡の中でも珍しく、丘陵の上に建てられた寺院を紹介したいと思います。今回紹介しているプノン・バケン寺院ですが、アンコール・トムのすぐ南にある小高い丘陵の上に設けられた寺院です。
430【カンボジア紀行】アンコールで唯一のギリシャ風2階建て建造物をもつ『 プリア・カン』
アンコール遺跡の中でももっとも大きな場所を占めるアンコール・トム。さらにその北には、規模はアンコール・ワットより少し小さくはなるのですが、アンコール遺跡群の中でも有名な遺跡の一つプリア・カンがあります。このプリア・カンですが、アンコールにある寺院の造りである、中央の祠堂を回廊で囲んだ形になっています。
420【カンボジア紀行】王の沐浴場スラ・スランと対になった寺院跡『 バンテアイ・クデイ』
元々は東バライの代替え施設として建造された貯水池スラ・スラン。そして、その対面には僧院があったのだそうです。しかし、その後その僧院はバンテアイ・クデイに。そしてスラ・スランは王のための沐浴場として整備されたのでした。今回はこのバンテアイ・クデイにフォーカスして紹介をしたいと思います。
410【カンボジア紀行】アンコール遺跡の中でも異色な遺跡。王の沐浴城跡である『スラ・スラン』
数多くの遺跡群がアンコールエリアにはありますが、今回紹介しているスラ・スランという場所は、他の遺跡群と比べると少し異なった遺跡です。アンコールエリアは古くからの農業を中心とした地域であり、いかにして水を確保するかが大切な場所でした。スラ・スランは、その池が貯水目的だけではなく、王のための沐浴地として整備されていたのでした。
368【カンボジア紀行】川に沿って作られたクメール遺跡。川底に遺跡が眠る異色の場所『クバール・スピアン』
今回紹介しているクバール・スピアンはそんな遺跡の一つであり、なんとこの遺跡、実は『川底にある』のです。数多くの遺跡を抱えるカンボジアですが、このように川底や川岸に沿って遺跡が連なる場所は、おそらくここだけではないでしょうか。
282【カンボジア紀行】どんどん観光客に優しい観光地に。10年の変化を見る『アンコール・ワット今昔物語』
世界遺産の中でもトップクラスに有名なアンコール・ワット。ここを10年を隔てて見比べると、この遺跡がどんどんフレンドリーな遺跡になり、観光のしやすいスポットになってきていることが分かったのでした。
194【カンボジア紀行】タイとカンボジアの断崖絶壁の国境にある天空の世界遺産『プレアヴィヒア寺院』
カンボジアの世界遺産といえばアンコールワットですよね。2007年にシェムリアップとプノンペンの中間地点ぐらいにあるサンボー・プレイ・クック遺跡群が登録され、現在カンボジアには3つの世界遺産が登録されています。その残りの一つが、2008年に世界遺産登録されたプレアヴィヒア寺院です。
037 【カンボジア紀行】世界遺産タ・プローム 今昔物語
カンボジアのシェムリアップ。素晴らしい遺跡群があるこの地を、今と昔を見比べながら、その変遷をたどっていきたいと思います。

アンコール・トムのバイヨン

アンコール・トム

アンコール・トムとは、アンコール・ワットのすぐ北にある古い都の跡です。
アンコール・ワットの造営から半世紀後にジャヤヴァルマン7世によって建造されました。
アンコール・ワットの面積の4倍以上もあるこの王都は、周囲を一辺約3km且つ高さが約8mもある城壁で囲まれた巨大な都でした。

アンコール・トムはその敷地内に様々な施設が整備されました。
今回紹介しているバイヨン寺院は、アンコール・トムの中心に建つ仏教寺院です。
バイヨン寺院を中心に、十字になるように主要な道路が配置されました。
その他にも、門、城壁が整備され、寺院や邸宅、宿駅などが造られ、現在もなお城壁内に大小様々な遺跡が残されています。

アンコール・トム内で、現在も見ることができる遺跡には、次のようなものがあります。
バイヨン
・パプーオン
・王宮
・ピミアナカス
・北クリアン・南クリアン
・プラサット・スゥル・プラット
・象のテラス
・ライ王のテラス
・テップ・プラナム
・プリア・ピトゥ
・プリア・パリライ

バイヨン

バイヨン(寺院)は、かつての王都だったアンコール・トムの中央にそびえ立つ仏教寺院です。
12世紀末頃に建設されたこの寺院は、四方を見つめる観世音菩薩の四面塔が有名ですね。
バイヨンはアンコール・トムの中央に配置されたことによって、古代インド仏教観では、神々の住む聖域であるメール山を象徴していると考えられています。
そして、このバイヨンを中心に東西南北へ十字の幹線道路が伸びることで、世界の中心にメール山があり、メール山から世界へとつながっていく様子を表しているのだそうです。

バイヨンとアンコール・ワットとは、建造に関わった王の宗教観の違いによって、その構造は大きく異なります。
また、当時のカンボジアでは、ヒンドゥー教の力が大きくなっていったころでもあり、こういった勢力に対して大乗仏教の仕組みを大いに取り入れ、それを具現化しているのもバイヨンの特徴でもあります。

アクセス

バイヨンは、アンコール・ワットから北に3km、アンコール・トム内の中心に位置しています。

バイヨンへ行ってみた

それでは、バイヨンに行ってみましょう。

今回、バイヨンに訪れた際には、まず最初にバイヨンの周囲を象にのってまわることにしました。

象乗り場です。
特に予約などなくでも、ここでしばらく待っていれば、象でのバイヨン周回サービスに参加できます。

それでは出発です。

バイヨン寺院には城壁のような物はないので、像に乗ると、四方からバイヨンの全景を見ることができます。

周囲には小さな寺院があったりします。
地元の方々が祈りをささげていました。

バイヨンの周囲は、アンコール・ワットのように大きく整備された堀は無いのですが、おそらく建造当時は堀だったのではないかと思われます。

北西角あたりには大仏も鎮座しています。
このあたりからもバイヨンが仏教寺院であることが分かりますね。

というわけで一周してきました。
途中で記念撮影などもしてくれる(写真購入はもちろん有料)ので、お勧めのサービスでした。
家族連れや子ども連れの場合、楽しんでもらえそうですね。

それではいよいよバイヨン内部に入っていきます。
バイヨンは2つの回廊によって周囲を囲われています。
まずは第一回廊が外側にあります。

こちらはバイヨン南側から見た第一回廊です。

内部にある第二回廊に入ると、比較的新しい仏像が置かれていました。

第二回廊を越え、バイヨンの中心部に入ると、観世音菩薩の四面塔が多数並んでいます。
塔門の四面塔含めて全部で54の四面塔があります。

こちらが中央祠堂です。

おそらくここにはレリーフが施される予定だったのでしょう。
下描きのようなものが石に残されていました。

至る所にこのようなレリーフもあったりします。
王宮内の様子が表されたレリーフなどが残されていました。

再び第一回廊部分に出てきました。
第一回廊はこのようにほとんどが屋根のない状態で、柱だけが残されていました。

いかがだったでしょうか。
アンコール・ワット観光に行くと、必ずといっていいほどこのアンコール・トム内にあるバイヨン寺院にも訪れることになると思います。
四面塔のバイヨンは非常に有名ではあるのですが、アンコール・トムはまだまだこれだけではありません。
まだまだ見どころがあるのですが、かなり広大な敷地となりますので隅から隅まで見て回るとかなりの労力がかかってしまいます。
次回は、バイヨン以外の見どころにもいろいろと触れていきたいと思います。