325【ペルー紀行】インカ時代の沐浴場。「聖なる泉」として知られる遺跡『タンボマチャイ』

ペルー(Peru)
この記事は約4分で読めます。

かつて南アメリカ大陸には強大な富と権力、そして技術力を持った帝国がありました。
その名をインカ帝国といい、ケチュア族という民族によって造られた国でした。
その力は強大であり、多数の黄金による富を持ち、多くの民族を統治していた巨大な帝国でした。

そんな巨大な帝国が約200年間続いた後、スペイン人の侵攻によってあっけなくインカ帝国は滅びてしまいます。
しかしインカ帝国の技術力の高さは素晴らしいものであり、特にインカ帝国独特の石組みの技術はスペインによっても破壊されるのではなく、新たな街づくりに活かされたほどでした。
そして、そんな堅牢なインカの技術で作られた建造物は、震災や風化などにも耐え、今もなお私たちの目の前のその姿を見せてくれています。

今回はそんなインカ帝国の建造物の中で、皇帝の沐浴場であったタンボマチャイを紹介していきます。
この遺跡の素晴らしいところは、インカ抵抗の技術力で作られた建造物だけではなく、今もなお絶えることなく水を流し続けていることからもうかがえます。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • まさか・・・まさかの方法でコーヒー豆を採取!?できれば知りたくなかった・・・という気もちも伴う伝説のコーヒー。

ペルーに関する記事です。

532【ペルー紀行】日本でもCMで一躍有名になったこともあるアルパカ。ペルーではそこらじゅうで見かけます
南米に行くと、日本では見慣れない動物がたくさんいます。今回は南米の国ペルーで家畜として長い間飼われ続けている動物アルパカについてです。日本でも一時期CMなどにでたことがあったため、知っている方も多いかとは思うのですが、あまり詳しくはその生態について知っている人も少ないことでしょう。
523【ペルー紀行】世界遺産人気でも第一位のマチュピチュ。そこまで行くためには鉄道での長ーい旅が必要なわけで
いよいよ世界遺産で最も大人気なペルーにあるマチュピチュを紹介する記事を書いていこうと思うのですが、なかなか、一回だけでは書ききれません。今回は、クスコからマチュピチュへ向かった鉄道について書いていきたいと思います。
364【ペルー紀行】これぞインカ帝国の技術力。その技術によって造られた建造物は今もなお健在『12角の石(Twelve Angled Stone)』
ペルーのクスコの町には、インカ帝国の技術力の高さをまざまざと見せつけてくる、12角の石(Twelve Angled Stone)があります。インカ帝国時代の石積みの基台の中にあるこの石は、角の数を数えると12角あり、そのすべての角と辺が隙間なく周辺の石と組み合わされているのです。
279【ペルー紀行】インカ文明の巨石建築の最高傑作ともいわれる『サクサイワマン遺跡』
インカ時代の建造物は、その堅牢さが際立っており、スペイン人の侵攻によって破壊されたもの以外では、自然災害などではびくともしないような堅牢さを誇ります。そんなクスコの北西にあるサクサイワマン遺跡は、現在もなおその素晴らしい姿を残し続けている遺跡なのです。
318【ペルー紀行】インカの建造物の強固さを際立たせる『アルマス広場とカテドラル』
インカ帝国の建物は非常に堅牢であり、何度も大きな地震に見舞われても、建物や基礎は大きな被害を被ることなく今日まで残り続けてきたのだそうです。そんなインカ帝国の名残があるアルマス広場、そしてスペインによって建造されたカテドラル(インカ大聖堂)を今回は見に行ってみたいと思います。

タンボマチャイ

タンボマチャイは、ペルー共和国の元はインカ帝国の首都であったクスコ市の近郊にあるインカ帝国時代の遺跡です。
以前紹介したサクサイワマン遺跡から、道沿いに北に5kmほど登った標高3800mの場所にあります。
タンボマチャイの意味はインカ族の公用語であるケチュア語から、沐浴場や休息場を意味しています。
水が少なく乾燥した高地であるインカ帝国では、水が聖なるものとしてあがめられていたため、タンボマチャイも「聖なる泉」とも呼ばれています。

タンボマチャイは15世紀後半ごろ、インカ帝国10代皇帝のトゥパック・インカ・ユパンキ皇帝の時代に整備されました。
谷の斜面に沿って多数の石組で建造されており、4段の階段上になっています。
この遺跡の下部二段はインカ帝国以前のプレ・インカ時代の物であり、上段二段はインカ帝国の時代になってから増築され、インカ独特の洗練された技法が用いられた入り組んだ石組みとなっています。
建造から500年以上経つにもかかわらず、タンボマチャイには湧き出す水が絶えることはありません。
周辺には川は無く、水源がどこにあるかは謎のままで明らかになっていないそうなのですが、サイフォンの原理を用いてこの高地まで水を汲み上げていると考えられています。

アクセス

クスコの中心アルマス広場から北に7km登ったところにあります。

タンボマチャイへ行ってみた

それでは、タンボマチャイへ行ってみましょう。

この時は、サクサイワマン遺跡から北上していきました。
インカの独特な民家を横目に、山道を車で登っていきます。

10分ほどでタンボマチャイまで到着しました。
上の写真が全景をよくとらえており、下段のプレインカ時代の建造と上段のインカ時代の建造との違いがわかるのではないでしょうか。

なお、この反対側の斜面には、見張り台が残っています。

正面からです。
三段目の右側にあるくぼみは、皇帝の脱衣場だったといわれています。

水は絶えることなく湧き出しています。
500年以上もの間、この高地且つ乾燥した場所に水を引き続ける技術力の高さは驚きのものがありますね。

タンボマチャイあたりからクスコ市街をながめたところです。
世界遺産としてクスコ市街が登録されたのがよくわかる光景ではないでしょうか。
上の写真御中央にあるのがアルマス広場です。

いかがだったでしょうか。
今回何気なく紹介はしていますが、クスコ市街をはじめ富士山よりも高地にあるタンボマチャイ。
この土地に慣れていないとやはり息苦しかったり無理はできなかったりする場所ではありますが、このような場所にこれだけ大きな市街地と遺跡が造られたことが驚きですね。
以前紹介した作品とせっとでまわることがおすすめの遺跡です。