328【スリランカ紀行】アヌラーダプラにある岩肌に沿って造られた元僧院である寺院『イスルムニヤ精舎』

世界の世界遺産(World Heritage)
この記事は約6分で読めます。

スリランカ中部にある文化三角地帯の一角であるアヌラーダプラ
1982年に早々に世界文化遺産にも登録されるた仏教遺跡がのこっている町です。
遺跡エリアに数多くの仏塔が残ることで有名なこのエリアですが、元々は1400年以上もスリランカの王都が置かれていた場所です。
そして、今もなお人々の祈りの場になっている寺院なども多く残っています。

そんなアヌラーダプラでまずはおさえておきたい場所が、今回紹介しているイスルムニヤ精舎なのです。
このイスルムニヤ精舎をまず真っ先に挙げる理由としては、アヌラーダプラにありながら、その中でも異彩を放っている、天然の岩肌を利用した寺院だということです。
そして、なかなか高所から眺める場所が見当たらないアヌラーダプラにありながら、唯一といってもよいほど、高台からアヌラーダプラを見下ろすことができる場所なのです。
そのため、まずはここからアヌラーダプラ観光を開始するとよいのではないでしょうか。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 岩肌に造られた小さな寺院。2000年を超える歴史を感じるとともに、まずはここからアヌラーダプラ観光をスタートしよう。

スリランカのアヌラーダプラに関する記事です。

438【スリランカ紀行】2000年以上もの歴史があるとされる、世界の三大煉瓦建築のひとつ『ルワンウェリ・サーヤ大塔』
アヌラーダプラのダーガバ(仏塔)は、その表面を白い漆喰で塗り固めた仕上げが一般的だったようです。そしてできあがったダーガバは、純白の外観が美しい壮大な建造物だったのです。そして、その時代の姿を今でも私たちにみせつづけてくれているのが、アヌラーダプラのシンボルでもあるルワンウェリ・サーヤ大塔なのです。
435【スリランカ紀行】道なき道を踏み込んでみると、あるわあるわガイドブックにない遺跡の数々『ラトゥナ・プラサーダはじめ、アヌラーダプラ北部遺跡群』
アヌラーダブラの紹介も数多くやってきましたが、まだまだあるんですよね。今回は、ラトゥナ・プラサーダという遺跡地区の北西端にあるガードストーンの美しさで有名な宮殿跡の遺跡です。また、その周辺にもあった多くの遺跡の様子も紹介しておきたいと思います。
422【スリランカ紀行】紀元前288年に植樹されとされる、インドの菩提樹から植樹された、人類最古の植樹された樹木『スリー・マハー菩提樹』
今回紹介しているアヌラーダプラにあるスリー・マハー菩提樹もそのような仏教の聖地となっている場所の一つです。菩提樹といえば、仏教の開祖である仏陀がその根元に座り悟りを得た樹木です。そして、実際にそこから分け木がスリランカのアヌラーダプラにまで運ばれ、この地に根付いているのです。
413【スリランカ紀行】最近はどこにでもあるんだなということがわかってきた沐浴城跡の遺跡『クッタム・ポクナ』
沐浴場というと、その地域を治めた王のためのものが多かったりするのですが、今回紹介しているアヌラーダプラにあるクッタム・ポクナは、仏教黒スリランカらしく、この地域で修行を行なっていた僧たちが使っていたとされる沐浴場跡です。
395【スリランカ紀行】悟りを開いた仏陀の穏やかな表情が特徴的な『サマーディ仏像』
スリランカのアヌラーダプラにあるサマーディ仏像は、木々に囲まれた中に、ぽつんと風化を防ぐ屋根とともに祀られています。今でこそ屋根とともにあるサマーディ仏像ですが、もともとは仏陀が悟りの境地を開いた場面を表していたとされ、その後長い間発見されずにいた仏像なのです。
380【スリランカ紀行】アヌラーダプラエリアだけではなく、世界一の高さを誇る仏塔『ジェータワナ・ラーマヤ』
2500年以上もの歴史があるスリランカ最古の都があったアヌラーダプラ。非常に高度な文明を持っていた王朝が栄えたこの地には、高度な建築技術がありました。そんなアヌラーダプラには巨大な世界的にみても大きな仏塔が多く残されています。
353【スリランカ紀行】アヌラーダプラに柱とムーンストーンとが残る王妃建物群跡『クイーンズ・パビリオン』
アヌラーダプラのクイーンズ・パビリオンは、王妃の建物があった跡であるのですが、別名ムーンストーン・サイトとも呼ばれています。ここには、今もなお素晴らしい姿を残す、名前の由来となったムーンストーンが残っているのです。
294【スリランカ紀行】かつてのシンハラ人の王都。巨大な半球状のストゥーパが珍しい世界遺産『アヌラーダプラ』
スリランカ中部にある文化三角地帯の一角であるアヌラーダプラ、世界文化遺産にも登録されるほどの多くの仏教遺跡がのこる町です。それもそのはず、紀元前から1400年以上もスリランカの王都が置かれていた場所なのです。
303【スリランカ紀行】アヌラーダプラ最大の仏塔。しかし過去はもっと高かったらしい『アバヤギリ大塔』
スリランカ中部にある文化三角地帯の一角であるアヌラーダブラ。その中でもアバヤギリ大塔は、紀元前1世紀に建てられたとされている元々は大乗仏教の総本山だったのですが、現在のスリランカの主流派である上座部仏教との争いに敗れ、現在に至っています。

イスルムニヤ精舎

ティッサ・ウェワ池の東のほとりに造られた岩肌に沿って作られた寺院がイスルムニヤ精舎であり、ロックテンプルといわれています。
天然の岩を利用してその岩肌を彫るよう造られた御堂と、岩の上にそびえ立つダーガバ(仏塔)が特徴です。
敷地内には、色鮮やかな仏像を安置する本堂や、発掘された品々を保管・展示している宝物館もあります。
アヌラーダプラの建造物といえば、おわん型の巨大なダーガバ(仏塔)がイメージされますが、そういった他の建造物とは異なった造りの寺院です。
しかし、現地のドライバーたちにアヌラーダプラの観光をお願いすると、まず真っ先にここに案内されるほどアヌラーダプラを代表する寺院でもあります。

イスルムニヤ精舎は、紀元前3世紀に建てられたと考えられている僧院を、修復後に寺院としたものだそうです。
岩肌には象や神々を表した数々の仏教彫刻が施されており、本堂内には色鮮やかな涅槃像が横たわっています。
また、本堂そばにある宝物殿では、寺院北側の庭園で発見されたと王族家族の像と、恋人の像が展示されています。

イスルムニヤ精舎の寺院裏側からは、巨大な岩の上に登ることができるようになっています。
自然の岩を巧みに生かした岩の上に登ると、東をティッサ・ウェワ池が、西には森が広がるアヌラーダプラの様子が非常によく見渡せます。

アクセス

アヌラーダプラ南部のティッサ・ウェワ池東側にあります。

イスルムニヤ精舎へ行ってみた

それでは、イスルムニヤ精舎に行ってみましょう。

イスルムニヤ精舎に到着しました。
内部の敷地は土足厳禁になるため、ここで下足を預けます。

入り口のゲートからイスルムニヤ精舎に入りました。
右にあるのが本堂であり、左がに建てられているのが宝物殿です。
そしてその後ろには岩山とダーガバ(仏塔)が見えます。

本堂

まずは本堂から見ていきます。
ここが元々は2000年以上前の僧院が回収されたものだそうです。
内部には色鮮やかな涅槃像が横たわっていました。

本堂脇の岩肌には彫刻が施されているのが分かるでしょうか。

本堂背後には巨大な岩があるのですが、岩戸岩の隙間のような場所がありました。

内部をよく見てみると、びっしりと何かいるのが分かりますか?
大量のコウモリが天井からぶら下がっています。
コウモリが糞をしているため、異様なにおいがこのあたりは漂っています。

宝物庫

本堂のすぐそばには宝物庫があります。

この王族の像は、5~8世紀の作品と考えられており、紀元前2世紀にこの地を統治していたドウッタガーマニー王とその妻を中心に、サーリヤ王子との妻マーラが彫られています。

この恋人の像は5世紀の作品と考えられており、らドゥッタガーマニー王の息子であるサーリヤ王子と、その妻のマーラといわれています。
カーストが低く周辺からなかなか認められなかったマーラだけに、この二人を巡った物語は、日本でいう心中物のように人々の興味を惹きつけたのではないでしょうか。
この彫刻作品からも、王子が身分を捨ててでもマーラとの結婚を望んだといわれている物語を伝え続けているのでしょう。

本堂背後の岩山

本堂背後にある裏の岩山に上っていきましょう。
階段が造られているため、比較的簡単に上っていくことができます。

岩肌に合わせて整備されたり、ところどころ廃止を積み上げて石垣のようにして整備されていました。

岩上を登っていきます。
現在は柵が設置されていますので、危なくはないようになっています。

岩戸岩の隙間にこのような門も造られています。

ここで中間地点ほどです。
上の写真で見えている岩の上にまで登っていくことができます。

途中には小さくはありますが、色鮮やかな涅槃像も置かれています。

もうすぐで岩上に到着します。

最後の岩の上まであと少しです。
最後の階段は人一人が通るのが精一の階段であり、すれ違うこともできません。

岩上に到着しました。
まずは西側にあるティッサ・ウェワ池方面を眺めました。

先ほどの途中にあった涅槃像です。
頂上付近はこのような感じになっています。

イスルムニヤ精舎敷地内の池です。

そこからさらにもう一段、隣にある岩を登ると、イスルムニヤ精舎の最も高い地点に到着です。

宝物庫と入り口を眺めます。

その奥の東の方向には、広大な森が広がります。

この場所には真っ白な小さな仏塔が建てられています。

頂上部分には、仏足があります。
ここは立ち入ることができないようにされていました。

頂上付近はこのようになっています。

遠くには、新たに建造中(再建中?)の巨大なダーガバ(仏塔)がありました。

なお、頂上から白い仏塔のそばまでは移動することもできます。

下山してきました。
全て裸足での移動となるため、結構足が痛くなりました。
大小さまざまな岩が露出しています。
元々岩がたくさんあった場所なのです。

途中には小さな祠も設けられていました。

敷地の北側に降りてきます。

いかがだったでしょうか。
寺院ではありますが、なかなかに冒険心をくすぐる場所ではなかったでしょうか。
いつも石窟の遺跡に行く炉感じるのですが、当時の人々がこのような巨大な遺跡を造っていく時間と労力を想像すると、人々の力の大きさを感じさせられます。
アヌラーダブラはここ以外には上り下りのある遺跡はありませんので、まずは体力のある最初のうちにここを訪れることをお勧めします。