353【スリランカ紀行】アヌラーダプラに柱とムーンストーンとが残る王妃建物群跡『クイーンズ・パビリオン』

世界の世界遺産(World Heritage)
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今回はスリランカの文化三角地帯にある世界遺産都市アヌラーダプラにある、とある遺跡についてです。
スリランカの遺跡では、出入り口のところに設けられた半円型の彫刻された石をよく見かけます。
これは、ムーンストーンと呼ばれており、人の一生と転生、そして天国へとつながっていく様子など、仏教の輪廻思想を表した彫刻であり、アヌラーダプラのみならず、同じく世界遺産を有するポロンナルワでも多くみられています。
先日紹介した、コロンボの近代寺院であるシーマ・マラカヤ寺院にもみられます。

そんな数あるムーンストーンなのですが、その名を冠した遺跡がアヌラーダプラにはあるのです。
そこは、クイーンズ・パビリオンと呼ばれるもともとは王妃の建物があった跡であり、別名ムーンストーン・サイトとも呼ばれています。
そこには、ここにどのような建物があったか、今となっては想像するのが難しいほど荒廃してしまった遺跡跡共に、今もなお素晴らしい姿を残す、名前の由来となったムーンストーンが残っているのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • まさか・・・まさかの方法でコーヒー豆を採取!?できれば知りたくなかった・・・という気もちも伴う伝説のコーヒー。

スリランカのアヌラーダプラに関する記事です。

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クイーンズ・パビリオン

アヌラーダプラの遺跡地区の北端にあるクイーンズ・パビリオンは、その名の通り王妃の建物跡です。
王妃の建物というには寂しい外観であり、現在は建物跡に柱だけがポツンと立ち並んでいます。

この遺跡は、ムーンストーン・サイトとも呼ばれており、建物跡にある石門の階段入り口下部に、ムーンストーンという仏教の輪廻思想を表した半円形の彫刻された石が埋め込まれています。

外側の輪に描かれているのは炎を表しており、人間とその欲望を表しています。
一つ内側には動物たちが連なっています。
象→馬→ライオン→牛の4種類の動物で命の誕生から死までを表しており、輪廻思想を表しています。
その内側は、花・鳥と続き、命を持つことの意味が表されており、中心には天国を表す蓮の花が描かれています。
輪廻転生を繰り返し、いずれ人は中心にある天国にたどり着くということを表しているのだそうです。

アクセス

アヌラーダプラの市街地から遺跡地区に入り、4kmほど北に行った、遺跡地区の北端にあります。

クイーンズ・パビリオンへ行ってみた

それでは、クイーンズ・パビリオンへ行ってみましょう。

クイーンズ・パビリオンにやってきました。
宮殿に向かう長い入り口があります。

クイーンズ・パビリオンの全域は上の写真のようになっています。
中央の王妃の建物跡の周りに4つの建物が立ち並ぶ造りとなっています。


しかし、現在の姿は、中央の建物の周りの4つの建物については、前半分の2つは見えていますが、後ろ半分の2つの建物は森の中になってしまい、どこにあるのかはよく確認できませんでした。

それでは中央の王妃の建物向かいます。

王妃の建物跡には、ここの名前の由来になっているムーンストーンが保護されています。
それが次の写真です。

建物の荒廃具合とは反して、見事な保存状況ではないでしょうか。

次は、中央の建物を取り囲む4つの建物です。
こちらは中央の物より柱が多く残っています。
見ての通り全ての建物入り口にムーンストーンがあるのがわかるでしょうか。
しかし、中央のそれのように、保存状態は良いわけではなく、彫刻はほとんど残っていない状態です。

クイーンズ・パビリオンは、周囲を外壁で囲まれていたようです。
外壁の東西南北にはエントランスが設けられており、その跡も残されています。

いかがだったでしょうか。
このクイーンズ・パビリオン周辺は、森の中に同様の遺跡が数多く残されています。
そのどほとんどがガイドブックにも乗っていないようなものなのですが、そこまで立ち入る人も多くはないため、自分の足でゆっくりと見て回ってみても、アヌラーダプラ遺跡の大きさをより感じ取れるのではないでしょうか。