390【ミャンマー紀行】オールドバガンから遠く南へ。ニューバガンエリアの民家に埋もれた『ペッレイ・パヤー』

世界の世界遺産(World Heritage)
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ミャンマーのバガンエリアには数多くの寺院や仏塔があります。
ガイドブックなどを見ると有名な場所が数多くありますが、それだけでは紹介しきれないくらいの寺院や仏塔がバガンにはあります。

バガンにこれだけの寺院や仏塔が建ち並ぶのは、この地域の古い風習が影響しています。
バガンの人々はある程度のまとまった資金が集まると、自分に家の近くに仏塔を建てたりするのだそうです。
そのため、バガンの地には大小さまざまな寺院や仏塔が見渡す限り数多く点在しています。
個々の家庭が管理しているところも多いため、勝手には言ったりすることは難しいかもしれませんが、そういった名もなき場所を開拓してみると、意外な発見があったりします。
ただし、2016年の大地震、そして2019年の世界遺産登録以降はそういった寺院や仏塔への立ち入りがかなりの規模で制限されているそうです。

今回紹介しているペッレイ・パヤーは、バガンの主要な建造物が集まっているオールドバガンエリアからはかなり南に行ったところにある遺跡です。
離れていることと、あまり開かれた遺跡ではないので、なかなかここまで行く観光者も少ないかもしれません。
地元のガイドなどに頼んでもなかなかここまでは行かないと思われるので、自転車やe-bikeをチャーターして、体一つで向かうことになるでしょう。
そこまでしてこのペッレイ・パヤーにやってくると、元々は地中に埋もれた状態で発見され、その後発掘されたバガンでも最古といわれている古い仏塔と回廊が目の前に現れるのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • バガンのエリアでもかなりの外れにあるバガン最古の遺跡。集落の中にあり、人々の生活に溶け込んだ古い遺跡を見に行ってみよう。

ミャンマーのバガンに関する記事です。

365【ミャンマー紀行】オールドバガンエリアへはここから。数多くへの遺跡エリアへの入り口『タラバー門』
タラバー門は、バガン一帯の中でもその創建が最も古い遺跡であり、ただの門と侮ることなかれ、長い歴史の雰囲気を存分に醸し出しています。この門を通り抜けることで、『バガンにやってきた!』という気分が盛り上がること間違いなしです。
323【ミャンマー紀行】ここはインドか?バガンの中で異彩を放つ『マハーボディー・パヤー』
バガンではミャンマーらしい黄金の仏塔が立ち並ぶ中で、どこか別の国で見たことがあるスタイルの仏塔が目に入ってきます。それが、オールドバガンの城壁内に存在する仏塔マハーボディー・パヤーです。ここの仏塔の形は、何か他の物とは異なる印象を強烈に与えてきます。
274【ミャンマー紀行】バガンで最も美しいとされる4体の釈迦仏が納められた仏教寺院『アーナンダ寺院』
これまでもいくつかバガンにある寺院やストゥーパを紹介してきましたが、今回紹介するアーナンダ寺院は、バガンの数多くある建造物の中でも真っ先に名前があがるような寺院の一つです。その外観はとても均整の取れた寺院であり、バガンの中でも最も美しいとさえ言われている建造物です。
268【ミャンマー紀行】バガンを代表する黄金に輝く巨大なパゴダ『シュエズィーゴン・パゴダ』
シュエズィーゴン・パゴダ(仏塔)は寺院のようにその内部を自由に見ることはできないのですが、中心にある仏塔を含めた境内がかなり広く、バガンに向かう人々の目には、まず最初にこのシュエズィーゴン・パゴダの黄金に輝く仏塔がうつるのです。
208【ミャンマー紀行】バガンでは珍しい涅槃像だが、その安置場所は世界一珍しい『マヌーハ寺院』
バガンにはたくさんの寺院や仏塔があるので、たくさん見て回るとどれも同じように見えてくるのですが、今回紹介するマヌーハ寺院は、後で思い返してみても印象に残る寺院の一つです。ここには巨大な仏座像や涅槃像が部屋の空間いっぱいに置かれているのです。
139【ミャンマー紀行】バガンにある不気味な言い伝えの残る寺院『ダマヤンジー寺院』
バガンといえば無数のストゥーパ(パゴダ)と寺院が有名ですが、有名どころだけでもかなりたくさんあるので、見ごたえのある場所がたくさんです。そんなバガンの中で、その雰囲気で有名な『ダマヤンジー寺院』について書きたいと思います。

ペッレイ・パヤー

ペッレイ・パヤーは、オールドバガンから南に5kmほど行ったところにあるニューバガンエリアにあります。
このニューバガンは、もともとオールドバガンに建っていた集落が、遺跡保護の名目で移動させられたときに大半の人々が移動してきた集落なのです。
その集落には家々が建ち並んでいますが、その集落の中にひときわ古い遺跡があります。
これがペッレイ・パヤーと呼ばれる遺跡であり、バガン朝でも最も古い建築ではないかといわれています。

このペッレイ・パヤーは、11世紀中ごろのバガン朝アノーヤター王の時代に建てられた仏塔と考えられています。
東西二つの仏塔があり、通りから入って最初に見えてくるのが東側にあるアシャペッレイ・パヤーであり、もう一方の西側にある仏塔はアナーペッレイ・パアーと呼ばれています。
どちらも一段の回廊の上に仏塔が載った形状をしています。
現在は、回廊も仏塔も地上に現れた形になっていますが、1905年までは、回廊は地中に埋もれており、仏塔のみの遺跡だと考えられていました。
回廊は地中にあったために保存状態はかなり良い状態だったのだそうですが、発掘されてからの保存状態は必ずしも良いものとは言えないような様子です。

遺跡として多くの人々に開かれた場所という雰囲気ではないペッレイ・パヤーですが、そのためか、その管理やセキュリティーは十分ではありません。
遺跡内部の回廊は常に閉鎖されていますが、以前は管理人(どこにいるのかはわかりませんでしたが)に頼むことで鍵を開けてもらい、内部に入ることもできたのだそうですが、2016年の大地震後は、尖塔部が崩落したりれんが部分が崩れたりするなどしてセキュリティが十分ではないため、入ることができなくなっている可能性が高いです。

アクセス

ペッレイ・パヤーは、オールドバガンエリアから南北に走るバガンチャック通りを南に5kmほど行き、そこから西のエーヤワディー川に向けて少しは行ったところにあります。

ペッレイ・パヤーへ行ってみた

それでは、ペッレイ・パヤーへ行ってみましょう。

バガンチャック通りから、集落に向けて入っていくと、集落に紛れてペッレイ・パヤーが見えてきます。

まず最初に見えてくるのが、アシャペッレイ・パヤーです。
見事な回廊の上に建つ仏塔が見えてきます。

仏塔と回廊部分の保存状態が異なることが分かるでしょうが、仏塔部分は創建からずっと地表から出ていた状態になっており、回廊部分は今から100年ほど前までは地中に埋もれていたため、仏塔に比べると回廊部分は保存状態が良好なのだそうです。

さらにそこから西隣にはアナーペッレイ・パアーがあります。
こちらもアシャペッレイ・パヤーと同様の形状をしていますが、少しアシャペッレイ・パヤーよりは小さいようです。
また、仏塔の保存状態はアナーペッレイ・パアーの方が良好でした。

回廊への進入はこのように閉鎖されているため自由に入ることはできませんでした。
話によるとここの管理人にお願いすると開けてもらえるのだそうですが、近隣にそれらしき小屋や人はいなかったので、このときに内部には入れませんでした。

いかがだったでしょうか。
集落の中の人々の生活に密接した遺跡ということで今回はペッレイ・パヤーを紹介しました。
オールドバガンエリアは世界遺産登録されたこともあり、かなり観光地として整備されているのですが、バガン全域を見てみると、まだまだこういった、これまで長い年月をこの地で経てきた素の状態の遺跡がゴロゴロしています。
そういった中から、お気に入りのポイントを探してみるのもバガン観光の醍醐味でしょう。