395【スリランカ紀行】悟りを開いた仏陀の穏やかな表情が特徴的な『サマーディ仏像』

世界の世界遺産(World Heritage)
この記事は約4分で読めます。

巨大なダーガバ(仏塔)で有名なスリランカを代表する世界遺産都市アヌラーダプラ
大乗仏教の総本山であったこの都市には、世界的に見ても一二を争うような建造物が多数残されています。

そんな貴重な建物が多数残されているアヌラーダプラですが、今回紹介しているところは少しそれらとは異なる場所になります。
しかし、この場所は、多くの著名人が一目その姿を見にやってくるなど、アヌラーダプラの中でも強い存在感を放っているのです。

その名前は、サマーディ仏像といい、木々に囲まれた中に、ぽつんと風化を防ぐ屋根とともに祀られています。
今でこそ屋根とともにあるサマーディ仏像ですが、もともとは仏陀が悟りの境地を開いた場面を表していたとされ、その後長い間発見されずにいた仏像なのです。
そのためか、19世紀後半に発見された際も大きな損壊などはなく、非常に保存状態の良いまま見つかっており、現在もまだその姿を人々に見せてくれています。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • スリランカを代表する、1500年近い歴史を持つ、悟りに達した仏陀を表した座仏像を見に行ってみよう。

スリランカのアヌラーダプラに関する記事です。

380【スリランカ紀行】アヌラーダプラエリアだけではなく、世界一の高さを誇る仏塔『ジェータワナ・ラーマヤ』
2500年以上もの歴史があるスリランカ最古の都があったアヌラーダプラ。非常に高度な文明を持っていた王朝が栄えたこの地には、高度な建築技術がありました。そんなアヌラーダプラには巨大な世界的にみても大きな仏塔が多く残されています。
353【スリランカ紀行】アヌラーダプラに柱とムーンストーンとが残る王妃建物群跡『クイーンズ・パビリオン』
アヌラーダプラのクイーンズ・パビリオンは、王妃の建物があった跡であるのですが、別名ムーンストーン・サイトとも呼ばれています。ここには、今もなお素晴らしい姿を残す、名前の由来となったムーンストーンが残っているのです。
328【スリランカ紀行】アヌラーダプラにある岩肌に沿って造られた元僧院である寺院『イスルムニヤ精舎』
アヌラーダプラでまずはおさえておきたい場所が、今回紹介しているイスルムニヤ精舎なのです。このイスルムニヤ精舎をまず真っ先に挙げる理由としては、アヌラーダプラにありながら、その中でも異彩を放っている、天然の岩肌を利用した寺院だということです。
303【スリランカ紀行】アヌラーダプラ最大の仏塔。しかし過去はもっと高かったらしい『アバヤギリ大塔』
スリランカ中部にある文化三角地帯の一角であるアヌラーダブラ。その中でもアバヤギリ大塔は、紀元前1世紀に建てられたとされている元々は大乗仏教の総本山だったのですが、現在のスリランカの主流派である上座部仏教との争いに敗れ、現在に至っています。
294【スリランカ紀行】かつてのシンハラ人の王都。巨大な半球状のストゥーパが珍しい世界遺産『アヌラーダプラ』
スリランカ中部にある文化三角地帯の一角であるアヌラーダプラ、世界文化遺産にも登録されるほどの多くの仏教遺跡がのこる町です。それもそのはず、紀元前から1400年以上もスリランカの王都が置かれていた場所なのです。

サマーディ仏像

アパヤギリ大塔から東に200mほど行ったところに、瞑想する仏陀の座像があります。
この像はサマーディ仏像と言われており、木々に囲まれた中でこの仏像がぽつんと置かれています。
風化を防ぐために屋根に覆われた場所に座するこの仏像は、4~6世紀頃に作られたものだとされています。
作られた当時は、菩提樹の立つその前に位置していたのだそうです。
その姿はまさしく、サマーディという言葉が悟りの境地を表しているかのごとく、仏陀が悟りを開いたその場面をここで表していたのだそうです。
そして、スリランカでも最も素晴らしい仏像の一つとしてみなされています。

サマーディ仏像は、高さが約2.5mほどであり、ドロマイト質大理石を彫って造られています。
作られてからかなりの年月が過ぎた仏像ですが、1886年に発見されています。
4~6世紀の作られた当時は、同様の仏像が4つあった可能性があり、そのうちの一つがこのサマーディ仏像であり、唯一状態良く残っているものとなります。

アクセス

旧市街の中心であるアヌラーダプラ駅から北西に4kmほどのところにある有名なアパヤギリ大塔から東に200mの位置にあります。

サマーディ仏像へ行ってみた

それではサマーディ仏像へ行ってみましょう。

サマーディ仏像は、アパヤギリ大塔から東に200mほどのところにあります。
周囲は上の写真のように整備された場所にあります。

こちらがサマーディ仏像です。
雨風から仏像を保護するための屋根と、観光者が近づけないようにするための柵が周囲に施されています。

非常に状態の良い仏像が目の前に現れました。
これが4~6世紀のものだとは信じられません。

仏像の後ろには、崩壊した台座があります。

こちらも座仏像だったようですが、完全にくずれ落ちています。
どうやら、同様の仏像が全部で4体あったらしく、現在見ることができるサマーディ仏像はそのうちの一つです。
そして、この仏像の背後には、もともとは菩提樹が立っていたのだそうです。

仏像は非常に穏やかな表情をしており、参拝に来た人々を優しく迎えてくれます。
アヌラーダプラでも北端のはずれにあるこの場所ですが、訪れる地元の人々や観光者などは後を絶ちませんでした。

いいかがだったでしょうか。
アヌラーダプラに数多く残されている遺跡の中でも、ここはかなり異色な場所なのではないでしょうか。
少しアクセスのしにくい場所ではありますが、アパヤギリ大塔と合わせて訪れることができる場所なので、ぜひ一緒に実際のサマーディ仏像も見ていただきたいと思います。