インドネシアに旅行に行くにあたってどこにいこうか?
と考えると、インドネシアの玄関口である首都ジャカルタ、世界的なリゾートアイランドであるバリ島、そしてもうひとつ、世界遺産を見るのであればジョグジャカルタ、といった3つのスポットが選択肢に上がってくるのではないでしょうか。
今回はそんな中で、世界遺産そして歴史と伝統の街であるジョグジャカルタを紹介していきたいと思います。
ジョグジャカルタはジャワ島の中部にある州であり、その州都にジョグジャカルタ市があります。
愛称ジョグジャと呼ばれるこの街は、世界遺産や古い王宮といった歴史的な建造物。
伝統的なジャワ美術や、バティックや人形の影絵芝居であるワヤン・クリッといった分赤的な面。
そして、いくつかの有名大学があるため、他の都市から多くの若者が集まる教育都市としての側面といった、インドネシアの中でも文化的な位置づけにある都市です。
そのため、地元の人だけではなく、多くの海外からの観光客が訪れる観光としてもあるのです。
今回はそんなジョグジャカルタの見どころを簡単に紹介していきたいと思います。
ジョグジャカルタの個々の内容についてはこれまでにも多く取り上げてきているため、詳しく知りたい方はリンクから過去記事を参照いただくことをお勧めします。
というわけで、今回のわきみちは、
ジョグジャカルタ
ジョグジャカルタは、ジャカルタ中部にある古い都です。
ジョグジャカルタは、中心部にある王宮(クラトン)を中心に発展しました。
インドネシア独立戦争時には一時期首都にもなっていたこともあります。
そして、ここジョグジャカルタには、世界的にも有名な世界遺産が2つもあるのです。
一つは、仏教寺院であるボロブドゥール寺院、もう一方はヒンドゥー教寺院であるプランバナン寺院です。
現在ではイスラム教徒が国民の90%以上を占めるインドネシアですが、なぜこの場所には仏教寺院やヒンドゥー教寺院があるのかというと、インドネシアがこれまで経てきた複雑な歴史があるのです。
ジャワ島には仏教そしてヒンドゥー教が渡来してきました。
そのためインドネシアの仏教やヒンドゥー教文化のルーツはここにあります。
その後16世紀になるとイスラム教が台頭してきます。
そのため、ヒンドゥー教勢力は追いやられていき、現在ではバリ島に移り住んでしまいました。
そして、オランダが台頭してきて植民地支配され、日本統治時代となります。
現在ではインドネシアを代表する観光地になっています。
ジョグジャカルタには世界遺産だけではなく、これまでの時代の名残である王宮や古い町並みを生かした新たな取り組みも多くみられるようになってきています。
2019年にはジョグジャカルタ国際空港が誕生し、ジョグジャカルタへのアクセスが非常に簡単になりました。
その立地も、市街地まで1時間半ほどとなり、2大世界遺産観光が日帰りで行くことができるほどになったのだそうです。
ジョグジャカルタ市内から二大遺跡を中心としたツアーも充実していたため、ジャワ島中部の観光拠点としては最適な場所であり、これまでは、ジョグジャカルタに宿泊して、ボロブドゥール寺院・プランバナン寺院を観光するというのが王道でした。
空港の開港によって、これまでは世界遺産観光の宿泊地として潤っていたジョグジャカルタ市街は、観光客減を非常に危惧しているのだそうです。
アクセス
ジャカルタからは、飛行機、鉄道、バスなどアクセス手段は豊富です。
最も手軽なのが飛行機であり、1時間弱で到着します。
鉄道派10時間ほど必要なのですが、意外と長距離鉄道の車両は快適なので使い勝手は良いかもしれません。
バスの場合は15時間ほどかかりますが、夜行をうまく使うなどすれば、宿泊も兼ねることができて一石二鳥で現地に到着することもできます。
ジョグジャカルタに行ってみた
それでは、ジョグジャカルタに行ってみましょう。


自分は鉄道でジョグジャカルタまで訪れました。
こちらはジョグジャカルタ駅です。
ここから歩いてすぐにマリオボロ通りなどには到着します。
それでは、ジョグジャカルタの見どころを簡単に紹介していきたいと思います。
プランバナン寺院

プランバナン寺院群は、インドネシアのジャワ島中部の、世界最大級の仏教寺院であるボロブドゥール遺跡と並ぶ世界遺産です。
9世紀頃に創建されたとされるヒンドゥー教寺院であり、ロロ・ジョングラン寺院とも言われています。
世界遺産としては中心寺院のロロ・ジョングラン寺院と、約5km四方に点在している遺跡が、プランバナン遺跡群として登録されています。
プランバナン寺院は16世紀の大地震でそのほとんどが崩壊してしまい、その存在が忘れられていてしまったそうなのですが、18世紀に発見され、そこから20世紀に修復が本格的に行われるまでに、多くの石積みが盗まれたことにより、修復はかなり難航したとのことでした。
インドネシア政府によって、もとの75%の石積みが利用できる場合のみ遺跡を再構できるとされていることから、主なお堂については再構されていますが、周辺に広がっている小祠堂はほとんどがまだ修復に着手できていない状態のまま残されています。

ボロブドゥール寺院

ボロブドゥール寺院は、かつてこの地に伝わった大乗仏教の石造りの寺院です。
1991年には世界文化遺産にも登録されている、世界最大の仏教遺跡です。
ボロブドゥール寺院は、高さ約35m、基壇部分は約120m四方にもなります。
遺跡自体は、もともと自然の丘だったところに盛り土をして、その上に高さ23cmのブロックを200万個積み重ねられた空積み(接着剤などを使っていない)構造になっています。
下部の方形部分は6層となっており、上部円形のは3層からなり、内部は丘のために空間はありません。
最下層の基壇から頂上部へ上ることで、悟りへの道を表しているとされています。
ジョグジャカルタから北西に約40km、ヤシの樹海が広がるケドゥ盆地にボロブドゥール遺跡はそびえています。
8~9世紀前後に50年の歳月をかけて建造されたこの遺跡は、建造直後に仏教を信仰するシャイレンドラ王朝は崩壊してしまいます。
代わりに、新たに伝来してきたヒンドゥー教によって仏教が主流派ではなくなったこと、ムラピ山の噴火によってこの地域が人の住めない場所になったことなどの不運が重なります。
そのため、ボロブドゥール人は、建造後も火山灰に覆われ、密林の中でひっそりと1000年以上も隠れていた、今だ多くの謎に包まれている遺跡です。
そんな1000年にも及ぶ眠りを目覚めさせたのが、当時ジャワを占領していたイギリスから知事として赴任していたトーマス・ラッフルズ氏なのです。
ボロブドゥール寺院は長く人々の眼前から消え去っていたものの、巨大な仏教遺跡の伝説は人々に言い伝えられていました。
そんな伝承を信じ続けていたラッフルズは、言い伝えのあった小高い丘の中からこの伝説の寺院を発見したのでした。
その後は、オランダ統治時代にはオランダ当局主導で、20世紀後半からはユネスコ主導で大規模な保存・修復作業が行われた結果、1991年に世界文化遺産に登録されました。


インドネシアのろうけつ染め『バティック』

インドネシアの伝統工芸品『バティック』は、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されてからずいぶん有名になってきたのではないでしょうか。
ろうけつ染めされた布地のことをバティック(Batik)と言います。
インドネシアでは、フォーマルな場ではこのバティック生地を使ったバティックシャツを着ることがほとんどです。
ジョグジャカルタでは、このバティックを作る体験ができるお店が多くあります。
インドネシアでのバティック産業の歴史ですが、18世紀頃から盛んになってきたということで、それほど古いものではありません。
当初は、王族の人たちだけが着る服などにこのバティックが用いられていたようです。
しかし、オランダ統治時代に、インドネシアの産業として育てられ、現代に至ります。
そんなバティックですが、バティック・トゥリス体験ができるのです。
しかし、このバティック・トゥリス、かなり難しいのです。
単に文房具で絵を描くのではなく、蝋をつかって絵を描くため、かなり熟練の技術が必要な作業です。


充実のレストラン

ジョグジャカルタではレストランがかなり充実しています。
さすが観光都市。
もちろんインドネシア料理もたっぷりと堪能することができます。
そんなな中で、サテはインドネシアで有名な食べ物の一つで、東南アジア諸国(インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイなど)で広く食べられている、日本でいうと『焼き鳥』です。
しかし、焼き”鳥”だけでないのがこのサテの奥深いところです。
鶏肉が使用されるいわゆる焼き鳥はサテ・アヤム。
牛肉を使われた焼き牛?がサテ・サピ。
ムスリム圏ではなかなか見かけない豚肉を使ったサテ・バビ。
山羊肉を使ったサテ・カンビンなどがあります。
サテ・カンビンは、上の写真のお店で美味しくいただくことができます。


MONGGO Chocolate

インドネシアですが、緯度的に見るとカカオの栽培が可能な地域に入ります。
このカカオのできるエリアですが、大体赤道の付近ですね。
コーヒーベルトのようなエリアです。
そんなインドネシア、世界第三位のカカオの産出量を誇ります。
しかし、日本にいてるとインドネシア産のカカオ、ほとんど聞きませんよね。
それには原因があって、カカオの扱い方や収穫した後の加工の仕方など、現地の方々がよくわかっていなかった部分が多いらしく、カカオの実としては良いものの、カカオとしては高品質なものを海外に流通させることができていなかったことが原因だそうです。
後述するダリKやMONGGO Chocolateのように、このような状況だったインドネシアのカカオに目を付け、高品質なカカオを作り流通させる販路を作って、インドネシア内外に広めていく動きが出てきています。


マリオボロ通り

ジョグジャカルタの中心は何といってもこのマリオボロ通りです。
通り沿いに彫れる屋レストランが集まっており、観光客がいつも集まっています。
そのような場所のため、そういった観光客向けの観光案内所も充実しており、ここにくればジョグジャカルタでの観光は全てできてしまうことでしょう。
そして夜になれば、観光客だけではなく地元民向けの屋台もたくさん建ち、一大食堂外にもなってしまいます。
王宮(クラトン)

ジョグジャカルタ違い地内にある、この地を長年統治してきた王宮(クラトン)です。
現在残っている王宮は1756年に建築されたものであり、伝統音楽や舞踊などを見ることができたり、歴代スルタン(王)の展示があったりもします。
タマン・サリ

王宮のそばにある離宮であるタマン・サリは、1758年に造られました。
こちらは離宮であるため、スルタンが生活する場となっています。
豪華なプールの後や、スルタンが毎よの美女を選んでいた部屋など、王の生活が垣間見える場所となっています。
ワヤン・クリッ

ワヤン・クリッとは影絵を使った芝居です。
ジョグジャカルタではこのワヤン・クリッを見ることができる芝居小屋があります。
可動部の多い影絵人形なので、どれだけ動くのだろうと思っていたのですが、ほとんど動作せず、語り手の語りが延々と続く、といった内容だったため、少し退屈だったような。
現在では古典の芝居だけではなく、現代的な話も入った演出なども施されているようです。
ジョグジャ・ベイ

最後はウォーターパークであるジョグジャ・ベイです。
このウォーターパーク、かなりお勧めです。
人が少ないこともあるのですが、いろいろなタイプのウォータースライダーが盛りだくさん。
もちろん入場さえしてしまえば乗り放題。
かなり時間を忘れて楽しんでしまえるテーマパークなのでした。

いかがだったでしょうか。
今回はかなりダイジェストでジョグジャカルタの見どころを紹介してきました。
ほとんどの場所が個別記事で紹介しているのでぜひそちらも参照し、インドネシアを代表する観光都市を楽しむきっかけにしていただければと思います。