436【インドネシア紀行】インドネシア東ジャワ地方の名物スープ。黒い色とその味には秘密があった『ラウォン』

食巡り(Food/Makanan)
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インドネシアの食べ物というと何が思い浮かびますか?
インドネシアの焼き飯、ナシ・ゴレン?
インドネシアのやきそば、ミー・ゴレン?
インドネシアの焼き鳥、サテ・アヤム?
インドネシアのフライドチキン、アヤム・ゴレン?

などなどが思い浮かぶのではないでしょうか。
確かにインドネシアのどこに行ってもこれらはありますし、食べることができます。
しかし、東西にとてつもなく広いインドネシア。
それぞれの地域には、それぞれ有名な食がまだまだあるのです。

今回紹介しているのは、インドネシアの中でも東ジャワの大都市スラバヤが発祥といわれている黒いスープ“ラウォン(RAWON)”です。
このスープ、黒いスープといいましたが、実際見てみるとびっくりするほど真っ黒。
いったい何の黒なんだ??
肉?骨?香辛料??
食べてみてもその答えはわからないと思います。
なぜなら、日本では味わったことがない味なんです。

しかし、一口このスープを味わってみると・・・!!?

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • まだまだわたしたちが味わったことがない味は世界中に隠されています。魅惑の黒井スープを味わいに行ってみよう。

インドネシアの食に関する記事です。

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ラウォン

ラウォン(RAWON)というのは、インドネシアはジャワ島、東ジャワにあるインドネシア第二の都市スラバヤが発祥といわれている黒い牛肉スープです。
そのスープですが、見た目にはかなりインパクトのある真っ黒いスープなのです。
日本でそれに近いものが何かというと、蕎麦ツユ?ぐらいの色です。

蕎麦ツユ、そのままスープ的に飲みますか?
考えただけでのどが渇きそうです。

しかし、ラウォンに出会った時はそんな先入観は抜きにして、思い切って飲み干してみてください。
まず、イメージとその味の違いにびっくりすると思います。

ラウォンの味ですが、しっかりと牛肉のダシがでて、様々な材料の味が複雑に絡み合う極上のスープです。
なお、辛くはありませんので、日本人にもピッタリな味ですし、実際日本人のファンも非常に多いスープです。
日本の食べ物で味が近いものとなると、こういった味わいのラーメンスープがありそうというイメージです。
若干味は濃いめですが、スープですのでしっかりと飲むことができます。

ラウォンの中身

ラウォンの中身ですが様々な材料や香辛料が複雑に絡み合い、うまさを引き立て合っています。

・牛肉
・にんにく
・エシャロット
・ショウガ
・ターメリック
・赤唐辛子
・ククイ
・レモングラス
・月桂樹の葉
などなど

これだけでも多数の材料と香辛料が使われていることが分かりますよね。

その中でも、この黒い色のスープが一体何なのかが分からないのです。
最初は牛肉をとにかく煮込んだことによってこの色になったのかとおもったのですが、そうではないのです。
この黒い色はケルアック(パンギノキ)という木の実なのです。
これをいれることによって、あの特徴的な黒いスープの色が生まれるのです。

ラウォンはどこで食べられる?

ラウォンですが、東ジャワの名物であるため、ここ以外の地域で食べられるかどうかはわかりません。
東ジャワに訪れたときは間違いなく食べられると思います。

そして、日本に帰ってもこのスープが作れないか?
日本にある材料で何とか再現できないか?
とも考えたのですが、もっともこの料理のハードルの高い点がケルアックの入手だと思います。
これが手に入らなければ、結局のところラウォンを作ることはできません。

なんとか、日本でもできないか・・・

ありました!

インスタント!!
東ジャワ地域ではおそらくどこのスーパーでも手に入れることができると思います。
ラウォンの素。
その中でも特に美味だと思ったのは、味の素が出しているラウォンのもとSajikuです。
やはり味の素だからなのか、他のどのメーカーのラウォンと比べても、一番旨味を感じた味だったように思います。

日本円だと、数十円位のこのラウォンの素。
日本へのお土産にもピッタリだと思いますよ。

いかがだったでしょうか。
世界にはまだまだいろいろな食があります。
日本人の口に合うものが多くはないかもしれませんが、今回のラウォンのように、ピッタリというものもまだまだあったりするのです。
食を巡る旅もまだまだ続きそうです。