438【スリランカ紀行】2000年以上もの歴史があるとされる、世界の三大煉瓦建築のひとつ『ルワンウェリ・サーヤ大塔』

世界の世界遺産(World Heritage)
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アヌラーダプラに残る巨大なダーガバ(仏塔)
赤茶けたレンガがむき出しの造りが印象的でもあるのですが、往時の姿は決してこのような姿ではなかったのです。

レンガを積み重ねて造られた建造物の周囲を、白い漆喰で塗り固めた仕上げが一般的だったようです。
そしてできあがったダーガバは、純白の外観が美しい壮大な建造物だったのです。
そして、その時代の姿を今でも私たちにみせつづけてくれているのが、アヌラーダプラの中心にあるシンボルでもあるルワンウェリ・サーヤ大塔なのです。
このルワンウェリ・サーヤ大塔ですが、建造当時からその姿が残り続けているわけではなく、今もなお定期的な修繕が繰り返されていることで、このような純白の姿を維持することができ続けており、スリランカの人々が熱心に祈る姿もたくさん見ることができる場所であるのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 仏教の聖地であるインドから実際に運ばれた菩提樹。人類最古の植樹された樹木であるスリー・マハー菩提樹まで足を運んでみよう。

スリランカのアヌラーダプラに関する記事です。

448【スリランカ紀行】仏陀の右鎖骨が祀られているアヌラーダプラの数あるダーガバの中でも最古のもの『トゥーパーラーマ・ダーガバ』
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422【スリランカ紀行】紀元前288年に植樹されとされる、インドの菩提樹から植樹された、人類最古の植樹された樹木『スリー・マハー菩提樹』
今回紹介しているアヌラーダプラにあるスリー・マハー菩提樹もそのような仏教の聖地となっている場所の一つです。菩提樹といえば、仏教の開祖である仏陀がその根元に座り悟りを得た樹木です。そして、実際にそこから分け木がスリランカのアヌラーダプラにまで運ばれ、この地に根付いているのです。
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ルワンウェリ・サーヤ大塔

ルワンウェリ・サーヤ大塔アヌラーダプラ遺跡地区の中心部にあり、このエリアのシンボルともなっている55mもの高さのある純白のダーガバ(仏塔)です。
このルワンウェリ・サーヤ大塔からスリー・マハー菩提樹までは一本の参拝路として整備されており、石畳と街灯のある美しい歩道として整備されています。

だんだんと近づいていくと、純白の巨大な建造物が近づいてきます。
そのまわりには、リアルなたくさんのゾウの彫刻が現れます。
ダーガバ自体は現在は70mほどの高さですが、完成当初は信じられないことに倍ぐらいの高さがあったのだそうです。

ルワンウェリ・サーヤ大塔は紀元前2世紀に造られたとされており、ドゥッタガーマニー王とその息子サッダーティッサ王子の時代に造られました。
ドゥッタガーマニー王の生存中はこのダーガバは完成間近だったのだそうですが、息を引き取りそうになった父を見たサッダーティッサ王子が、竹と布で一夜でダーガバを完成させたように見せ、死の直前の父にその姿を見せ安心させたという話が残っていたりします。

ルワンウェリ・サーヤ大塔の前の道をさらに南下すると、ローハ・プラサーダという、石柱が数多く並ぶ宮殿跡や、スリー・マハー菩提樹まで続いています。

アクセス

旧市街から北西に1.5kmほど。
アヌラーダプラ遺跡地区の中心部にあります。

ルワンウェリ・サーヤ大塔へ行ってみた

それではルワンウェリ・サーヤ大塔へ行ってみましょう。

ルワンウェリ・サーヤ大塔周辺は、どこからでも目的地に入ることができるのではなく、ルワンウェリ・サーヤ大塔の少し北のから、南にあるスリー・マハー菩提樹までの通りから入ることになります。
自分が訪れたときは、この道に北側から入り、先に南にあるスリー・マハー菩提樹を訪れてから、再び北上し、このルワンウェリ・サーヤ大塔に入りました。

この写真は、ルワンウェリ・サーヤ大塔のそばの道を、北側から入ったときの様子です。
石畳の道がきれいに整備されており、街灯も完備されています。
まだ靴を履いたまま移動できましたが、すでに裸足の人もいるため、その人たちのために人工芝も敷かれています。

右上に少しルワンウェリ・サーヤ大塔の尖塔が見えますね。

ルワンウェリ・サーヤ大塔が見えてきました。
ここからは、脇道にそれて、ルワンウェリ・サーヤ大塔へ向かいます。

通りから少し西に入ったところに向かって、ルワンウェリ・サーヤ大塔へ行くための道が続いています。
上の写真の通りに入るところで土足を預けるところがあります。
そのため、ルワンウェリ・サーヤ大塔へ向かう道は裸足で行くことになりますため、歩いていくことができるように人工芝が設けられています。

近年塗り替えられたばかりということで、その純白の外観はかなり美しいです。
他のダーガバが、赤茶けたレンガがむき出しであることを考えると、ここはかなりよい保存状況です。

ダーガバのそばまで行ってみましょう。
とにかくここは参拝者が多い場所でした。

土台の保存状況もかなり良く、彫刻の様子もしっかりと確認できます。

こちらは周囲に置かれていた仏像です。
個々に囲いが設けられ、きちんと保管されていました。

こちらは裏側です。

どのダーガバにもあるのですが、尖塔に上るための足場があります。
しかし見た感じ以上に実際は大きなダーガバ。本当にここをつたって上る勇気は・・・自分にはありません。

この日はイベントがあるらしく、その準備が行われていました。

周囲にhあこのようなリアルなゾウの壁もあったりします。
左下には、スリランカではおなじみのガードストーンもありますね。

そうこうしているうちに、とてつもなく長ーい、オレンジ色の布が運ばれてきました。

この後、ルワンウェリ・サーヤ大塔の頂点にある先頭からこの布をしたに足らすのだそうです。
しかし、まだ時間がかかりそうだったので、ここでルワンウェリ・サーヤ大塔をあとにしました。

いかがだったでしょうか。
非常に美しい外観のダーガバでびっくりしたのではないでしょうか。
スリランカの遺跡全てに言えることですが、靴を脱いだり、帽子をとったり、参拝順路があったりと、いろいろとルールがあったりします。
しっかりと観光者としてそういったルールやマナーを守りながら、人々が熱心に祈る遺跡の数々を見ていきたいですね。