アンコール遺跡の中でも珍しく、丘陵の上に建てられた寺院を紹介したいと思います。
今回紹介しているプノン・バケン寺院ですが、アンコール・トムのすぐ南にある小高い丘陵の上に設けられた寺院です。
麓からはその様子を見ることができず、登山道を登っていって初めて目の前に現れる寺院であり、他のアンコールの遺跡とは少し趣の異なった寺院です。
そして、なによりもここをおすすめする理由としては、アンコールの地域を上から見下ろすことができる唯一といってもいいほどの場所なのです。
アンコール・ワットはもちろん、遠くにある遺跡までアンコール遺跡がどのようになっているかを見渡すことができるのです。
また、高台にあることから、周囲の何にも邪魔されず、サンライズやサンセットのために多くの人々が訪れる場所でもあるのです。
というわけで、今回のわきみちは、
カンボジアの世界遺産に関する記事です。













プノン・バケン寺院
プノン・バケン寺院はプノン・バケン山と呼ばれる高さ60mの丘陵の上にある丘状ピラミッド式の寺院です。
アンコール・トムの南大門のすぐ南にあるこの場所は、地上からその姿を見ることはできないほどの場所にあり、急勾配の参道を登りきると目の前に突然ピラミッド式の寺院が現れます。
ここからは樹海の中にあるアンコール・ワットを見下ろすことができたり、アンコール・トムの西側に広がる貯水池である西バライといった、アンコール遺跡を見渡すことができる、アンコールの絶景を楽しむことができる遺跡です。
そのため、サンライズやサンセットの時間になると多くの人が集まってきます。
プノン・バケンは9世紀末にヤショーヴァルマン一世によって造られたヒンドゥー教寺院です。
アンコールの他の遺跡と異なり、自然の丘陵を活かし、その上に六層の基壇が積み重ねられ、各所に祠堂が配置された造りとなっています。
プノン・バケンの参拝は、プノン・バケン山をぐるっと反時計回りに上っていく参道を上がっていきます。
今回紹介している写真では、以前利用されていた東の急こう配の参道が使えた当時の写真です。
現在この東参道は使用することはできなくなっています。
また、300人までと入場制限があるため、サンセットなどを見たい場合は、かなり早めに訪れておく必要があります。
アクセス
アンコール・トムの南大門からを南に300m。
そこからさらに西に300mほどいったところから登山道となります。
プノン・バケン寺院へ行ってみた
それでは、プノン・バケン寺院へ行ってみましょう。

こちらは、以前利用することができた東参道の写真です。
見ての通りかなりの急勾配であり、大きな岩がごろごろしている道を登山していました。
現在は、ここから右に回って、プノン・バケン山を反時計回りに緩やかな斜面を登っていく登山道を歩いていきます。
また、ゾウに乗って頂上へ向かうサービスもあるため、興味のある方はそちらを利用してみてください。

これは東参道です。
以前はここを通っていました。
現在は閉鎖されているため、この写真と同じ写真とは思えないほど緑が生い茂はじめています。
あと数年もすれば熱帯の森林に埋もれてしまうかもしれません。

山頂に登ると東門の前には仏陀の足跡が祀られていました。
プノン・バケン寺院はヒンドゥー教寺院ですが、元々はアンコール・ワットと同様に仏教寺院だったのでしょうか。
なお現在は、参道を登っていくと、プノン・バケン寺院の南側に到着するようになっているようです。

こちらが東門から見たプノン・バケン寺院です。

さらに寺院の階段を上っていくと、5つの祠堂のある場所に到着します。
上の写真は中央にある主祠堂です。
まわりには、サンセット目的の観光客がちらほらと集まってきていました。

まわりにはも小さな祠堂が点在しています。

さて、ここからが名物のプノン・バケン寺院から眺める絶景です。

だんだんとサンセットの時間が近づいてきました。

遠く向こうに巨大な貯水池である西バライ、そして中央に浮かぶ西メボンが見えます。

こちらの方角には、遠く向こうにシェムリアップ国際空港があります。

いよいよ西の空に陽が沈み始めました。





沈んだ後の暗闇にうっすらと映るアンコール・ワットです。
いかがだったでしょうか。
アンコール観光でなかなかメジャースポットではないかもしれないのですが、いつもとは異なるアンコールの姿が見られるスポットとして、時間があればぜひ訪れてもらいたい場所なのです。