444【スリランカ紀行】レンガ造りの寺院の中に残る、首のない巨大な仏像『ランカティラカ』

世界の世界遺産(World Heritage)
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今回はスリランカの世界遺産都市ポロンナルワの遺跡の紹介です。
同じく世界遺産都市であるアヌラーダブラの後の時代に都となったポロンナルワ。
アヌラーダブラに比べると、仏像が数多く残されています。
その仏像も様々であり、座像もあれば立像もあり、涅槃像もあります。
そして、そんな数ある仏像の中で立像としては最も大きいものが今回紹介している仏殿遺跡のランカティラカに残されています。

ランカティラカは赤茶色のレンガを組み合わせて造られているのは他の遺跡と見比べてみても同じようにはなっています。
しかし、元々は仏殿であったため、ポロンナルワの寺院や仏塔、宮殿跡などとは構造が異なっています。

そそり立つような巨大な仏殿の壁に囲まれた建造物の中に、見上げるような巨大な仏の立像が残されているのです。
その立像は頭の部分は破損して無くなってしまって入るものの、800年以上も前の物であるにもかかわらず、その美しさを誇る仏像が辛うじて残されている奇跡を目の当たりにできる遺跡なのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • ポロンナルワ建築の美しさと、巨大な仏像の圧倒的な存在感に感動。ポロンナルワの仏殿跡を見に行ってみよう。

スリランカのポロンナルワの世界遺産に関する記事です。

702【スリランカ紀行】かつての図書館だったと考えられているポロンナルワの遺跡『ポトグル・ヴィハーラ』
前回はポロンナルワにある、パラークラマ・バーフ1世ではないかと思われる石立像を紹介しました。その近くにあるこの遺跡に何からの関係があるのではないかとも考えられています。その遺跡の名を、ポトグル・ヴィハーラといいます。
685【スリランカ紀行】パラークラマ・バーフ1世ではないかと考えられている状態の良い『石立像』
発掘の進むポロンナルワですが、まだまだ解明されていないことも多いのです。今回紹介しているのはそんな一つなのですが、ポロンナルワ遺跡地区の南部に1体でたたずむ岩に彫り込まれた石立像です。この像はいったい誰なのか?それはまだまだ解析されていないことなのです。
426【スリランカ紀行】古都ポロンナルワ、シンハラ王朝時代の城壁に囲まれた遺跡群『クワドラングル(Quadrangle)』
ポロンナルワの遺跡地区のほぼ中心部にあたるところに、大小様々な遺跡が集まった広い場所があります。正確に四辺形になっているこの場所はクワドラングルと呼ばれています。ここは元々は、寺院があったところと言われており、仏教を古くから信仰しているスリランカでは特別な場所であったようです。
394【スリランカ紀行】ポロンナルワの北端、崩壊が進む寺院の遺構の中には、辛うじて見える壁画が『ティワンカ・ピリマゲ寺院(Thivanka Image House)』
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382【スリランカ紀行】見事な石像の残る世界遺産ポロンナルワを代表する『ガル・ヴィハーラ』
今回はポロンナルワについて初めて取り上げてみたいと思います。ポロンナルワは、11世紀にアヌラーダプラから遷都された都市であり、250年近くシンハラ王朝の首都として存在し続けました。今回紹介しているガル・ヴィハーラは、ポロンナルワを代表する一枚岩に彫られた4体の仏像が有名な場所なのです。

ランカティラカ

ランカティラカとはスリランカは世界遺産都市ポロンナルワにある仏殿跡遺跡です。
現在はポロンナルワの他では見られないような高さのある壁と、巨大ではあるが頭の部分が欠けている仏像が残されています。

ランカティラカは13世紀にパラークラマ・バーフ3世によって建てられた仏殿です。
ランカティラカ全体の大きさは、高さは17.5m、奥行きは52m、幅は18mあり、建設当時は屋根があったであろうと考えられていますが、現在は残っていません。
中央には頭は取れているものの13mの高さのある仏像が残されています。
仏殿の壁面には、ゲティゲというポロンナルワ建築の特徴である浮き彫りがあります。

また、この仏像の裏には瞑想の道があり、僧たちが瞑想しながらこの道を通っていたと伝えられています。

アクセス

ポロンナルワ遺跡地区に入って2kmほど北上した場所にあります。
純白の仏塔であるキリ・ヴィハーラのすぐそばにあります。

ランカティラカへ行ってみた

それではランカティラカへ行ってみましょう。

こちらがランカティラカになります。
いっしょに移っている人間と比べてみるとその大きさがよくわかるのではないでしょうか。
入り口にはガードストーン、奥には少し見えにくいですが仏像が立っています。
現在は屋根は無くなってしまっています。

仏殿の風化は激しいのですが、辛うじて壁面の浮き彫りが残っているのがわかるでしょうが。

内部に入ってみました。
細い通路の先に13mもの高さがある巨大な仏像があります。
腕や顔は残念ながら欠けてしまっています。

更に近づいてみました。
仏像があるエリアは少し広くなっていて、まわりには石柱が並んでいました。

いかがだったでしょうか。
まだまだ日本ではマイナーなポロンナルワの遺跡ですが、探せば探すほどびっくりするような面白く興味深い遺跡が数多く残されています。
まだまだ今後も紹介を続けていきたいと思います。