今回は、以前紹介したブハラにあるカラーン・ミナレットの紹介記事の続きになります。
ブハラでも最古と言ってもいいほどの約900年ほどもの歴史を持つカラーン・ミナレットでしたが、このミナレットは、ブハラでも重要な金曜モスクであるカラーン・モスクのための施設として造られた建物でした。

実際はカラーン・モスクが先に建造されていたのでした。
この2つの建造物と、カラーン・モスクの正面にあるミル・アラブ・メドレセを合わせて、ブハラでは重要な建造物群なのでした。
カラーン・モスクはイスラム勢力がブハラを開拓するにあたって、全住民が礼拝するモスクとして造られた重要な施設でした。
そんなカラーン・モスクが造られたのは794年。
カラーン・ミナレットよりもはるか前に造られていたのでした。
ところが、現在残っている建物は1514年に再建されたものであるため、カラーン・ミナレットに建て物の歴史は負けてしまうのです。
そんなカラーン・モスクですが、イスラム教徒にとって大切な建物なのですが、そのために不運な運命もたどってきた建物でもあるのです。
というわけで、今回のわきみちは、
ウズベキスタンに関する記事です。









カラーン・モスク
カラーン・モスクは、カラーン・ミナレットとつながっている巨大なモスクです。
イスラム勢力が新たにブハラを開拓するにあたって、8世紀に現在の場所に、全住民が礼拝する金曜モスクが建てられます。
この場所は、イスラム勢力がブハラにやってくる前は、炎信仰をする人たちのための中央大聖堂があった場所でした。
そんな、ブハラにとって重要なモスクがカラーン・モスクであり、最初は794年に建造されました。
その後は、カラ・ハン朝1121年に建て直されたり、1127年にモスクの前に橋で結ばれたカラーン・ミナレットが建てられたりしました。
ところが、13世紀に入るとブハラにモンゴル軍が来襲します。
チンギス・ハンは。このモスクがあまりにも素晴らしいものであったことに驚いたため、ここをハンの宮殿であると勘違いしてしまいました。
そして、1220年にこのカラーン・モスクは破壊されてしまいます。
(カラーン・ミナレットだけはこのときに、幸運にも破壊を免れました。)
現在の建物は、ウバイドゥラ・ハンとその父マフムトによって、1514年のシャイバニ朝時代に建てられたものです。
ウズベキスタンでもトップクラスに巨大なモスクであり、以前紹介サマルカンドにあるビビハニム・モスクにも匹敵するほどの大きさがあり、1haもの大きさがある礼拝堂では、同時に1万人もの信者が礼拝できるほどなのです。

ところが、19世紀に入り、ソ連の一部となったブハラは、宗教が重要視されない社会主義国家下にあったため、カラーン・モスクも不遇な運命をたどります。
ブハラの多くの信者たちが同時に祈りをささげるために造られた広大な施設は、ソ連時代にはただお倉庫として利用されてしまいました。
ソ連からの独立後は、再びイスラム教徒たちの礼拝場として再開され、多くの信者たちに利用されています。
そんなカラーン・モスクですが、現在の建物は全部で7か所の入り口があります。
カラーン・ミナレットの建つ東側が正面入り口となっており、内部に入ると正面に美しい青いドームが見える、広い中庭があります。
その中庭を回廊が囲む形になっており、その回廊を208本の柱が天井を支えるレイアウトになっています
。
そして、今回の写真では分かりませんが(地図で上空から見てみてください。)屋根の上には288もの丸屋根で覆われた造りになっています。
モスクの外観は数種類のデザインとなっており、いろいろな種類の装飾用タイルやレンガが用いられています。
アクセス
ブハラの中心にある池、ラビハウズから北西に600mほどの場所にあります。
カラーン・モスクへ行ってみた
それでは、カラーン・モスクへ行ってみましょう。

こちらがカラーン・モスクの正面玄関になります。

カラーン・ミナレットとは、上の写真のようにつながっています。

正面玄関の前には、ミル・アラブ・メドレセも建っています。

カラーン・モスクへ入りました。
この広い場所が中庭であり、周囲を回廊が囲っています。



こちらは、正面玄関方面です。

回廊に行ってみました。
208本もある多柱式の構造になっています。
真っ白な柱で支えられた回廊が神秘的な雰囲気を醸し出します。
おそらくソ連時代にはこのあたりも倉庫として使われていたのでしょう。


中央の礼拝堂です。


中に入ってみました。
お祈りの時間以外はがらーんとした感じです。

少しモスク裏側も散策。


再び戻ってきました。
ここの柱はレンガ造が見える形になっていますね。
いかがだったでしょうか。
ブハラの中で、今もなお人々にとって重要な施設であるカラーン・モスク。
一歩中に入ると、神聖な空気が流れる場所です。
不遇な歴史を乗り越え、今もなお人々によって大切に受け継がれる神聖な場所をぜひ訪れてみてください。