522【映画あれこれ】今の時代ではありえないかもしれないが、人が自分の力で生きるためにはありだったのか『フリークス』

映画あれこれ(Movie)
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旅に関する情報を収集する場合、いろいろなものを参考にします。
そんな中の一つの情報源であるのが映画
どんな活用方法があるのかというと、その映画の撮影で使われた場所をめぐる聖地巡礼。
その映画で得られて情報に基づいた旅。
その映画で知ることができた歴史的な事実を基に巡る旅。
もちろんこれ以外のきっかけになることもあるでしょう。
映画も旅につながる自貴重な情報源の一つであるため、時間があれば気になった作品を見るようにしています。

今回はそんな映画検索をしているときに見つけたとある白黒映画。
その映画なのですが、邦題では『怪物園』、原題では『フリークス』といい、サムネイル画像には下半身がなく、手だけで体を支える人物の画像が。
あまりにも強烈なその画像が気になり、この映画を閲覧してみましたが・・・
現代ではこれは撮影することはできないだろうなというほどのショッキングな内容。
しかし、考え方を変えてみれば、ここに出ている人たちは、このような生き方をすることで自立できた時代。
この映画からは、歴史的な事象だけではなく、当時の世相、そして今もなお一人一人の人の尊厳とはどうあるべきなのか、ということを考えさせられる作品なのでした。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 非常に考えさせられる作品。この作品から何をどのように受け取るか、それはそれぞれかもしれませんが、今を生きる私たちに大きな課題を投げかけています。

映画に関する記事です。

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フリークス

映画『フリークス』は、1932年に制作・公開されたアメリカ映画です。
日本でも同年昭和7年(1932)に邦題『怪物園』として公開されました。
この映画の特徴なのですが、実際の奇形者や障がい者が登場していることであり、当時ですら世間に大きなショックを与えた作品でした。
イギリスなどでは、30年間もの間公開禁止になっていたほどの作品です。

そういった多くの反響を巻き起こした作品であったため、日本でも公開された後はなかなか大衆の目に触れないように扱われてきた作品でしたが、2005年にデジタルリマスター版が上映、後にAmazonプライムなどのオンデマンドサービスでも取り扱われ始めたことで再び注目を浴び始めました。

作品の舞台は、各地を転々と移動しながら興行を行っていた見世物小屋です。
この見世物小屋には、多くの奇形者や障がい者が所属していました。実際に当時としては、日本も含め、奇形をもっていたり、障がいをもってうまれた人々が見世物小屋に所属し、そうやって生計を立てていたことも多かったそうです。
この映画が世間にショッキングに受け取られた原因の一つが、この映画の出演者に実際の奇形者や障がい者を起用したことでした。

実際に登場するのは、
小人症、小頭症、結像双生児、四肢欠損、半陰陽者、下半身欠損等々。
しかし、スクリーンの中の登場人物たちは誰もが生き生きと演じているのがとても印象的な映画です。

物語の主人公となるのは、小人症の男性が中心となります。
主人公が団員随一の美貌を持った女性団員に魅せられます。
しかしこの女性団員の目的は主人公が相続する予定の莫大な資産だけでした。

主人公と女性団員は結婚をすることになり、結婚式の祝宴を開くこととなります。
しかし、女性団員は主人公を毒殺する計画を徐々に進めていました。
また、祝宴の会場で、他の団員たちを侮辱してしまいます。
女性団員の真意を知った主人公は、見世物小屋の仲間たちと壮絶な復讐を行うという内容です。
復讐がなされた女性団員は、見るも無残な姿になって・・・、そして場面は現代へと戻ります。
現代にはその復習された女性団員が今度は見世物になっているのです。

フリークスは64分の映画なのですが、本来は90分の作品だったのだそうです。
映画の最後には、壮絶な復習のシーンがあったのだそうですが、試写会の時にそのあまりに凄惨な内容であったため、公開時にはそれらの部分がカットされてしまいました。
カットされた26分間は現存していないため、どのような内容だったのかは現在では確認の術はないそうです。

いかがだったでしょうか。
この映画に登場している俳優の方々は、全て本当に各々障がいをもっている人々です。
現代であれば、『障がい者を見世物にするなんて!!』といった反応が来ることは想像に難くないでしょう。
自分も実際にそう思います。
しかし、人類の長い歴史の中で不遇な扱いを受けてきた人々でもあるというのは事実。
そういったまだまだ人権というものへの理解が乏しかった社会の中で、必死に自立して自分の力で生きていこうとしていた人々であったことも事実です。
この映画を見終わった後、様々な考えが脳裏をよぎります。
まるでわたしたちが考えるべき課題を投げかけてくれたような映画でした。