三重県の伊勢市には、古くから言い伝えられる日本神話にまつわる場所が数多く残されています。
今回紹介している天岩戸(あまのいわと/あめのいわと)もそんな日本神話の一つである、天照大御神の岩戸隠れの伝説の舞台です。
太陽神であった天照大御神がこの岩戸に隠れたことで、世界は暗闇に包まれます。
隠れてしまった天照大御神をなんとかして岩戸の外に出そうと試行錯誤するというお話ですね。
そんな神話に登場する場所なのですが、実は西日本の数多くのところで、ここが天岩戸であるという場所や、関連する場所が何か所かあったりします。
今回はそんな中の一つであり、伊勢神宮から南に10kmと近く、恵利原の水穴とも呼ばれている名水百選の一つの場所を紹介したいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
三重県に関する記事です。







天岩戸(あまのいわと/あめのいわと)
天岩戸(あまのいわと/あめのいわと)は、古事記に書かれた日本神話の中で天照大御神が隠れたといわれている洞窟です。
まわりは神秘的な樹木に囲まれ、パワースポットとしても有名です。
周辺の広範囲が石灰岩で形成された地質であり、石灰岩が露出している鍾乳洞からは、岩清水が湧き出ており、恵利原の水穴と呼ばれている名水百選の一つです。
この水穴から湧き出た清水は高さ3mほどの禊の滝と呼ばれる滝となり、神路川を通って南にある神路ダムに流れ込みます。
ここの湧き水は日本名水百選に選ばれている一つであり、水が流れ込む神路川はかつて裏の五十鈴川と呼ばれていたこともあるそうです。
同じく恵利原の地区には、ここ以外に全部で5つの石灰洞穴が確認されているのだそうです。
では、この場所に残る天岩戸の伝説とはどのようなものだったのでしょうか。
天岩戸の伝説
空の上には、神々が住むといわれていた高天原(たかまがはら)という場所がありました。
ここで登場するのが太陽の神『天照大御神(あまてらすおおみかみ)』、そしてその弟である須佐之男命(スサノオノミコト)です。
須佐之男命は誰も手が付けられないほどの暴れん坊でした。
そのあまりにひどいふるまいに対して怒った天照大御神は、その行いを諫めるために自らが天岩戸という洞窟に身を隠し、太陽神が隠れてしまったことで世界を暗闇が覆います。
太陽がなくなったことで、人々は食べ物を失い、ひどい病気などにかかったりしました。
高天原の八百万の神々はたいそう困り、どうしたら天照大御神が出てくるか試行錯誤することになります。
いろいろな手を考えるのですが、天岩戸の扉は開かず、神々は悩みに悩みます。
ところが、天鈿女命(あめのうずめのみこと)という女神が、天岩戸の前で舞を踊り天照大御神を誘い出そうとします。
さぞかし暗闇に包まれた外の世界で、人々は困っていただろうと思っていた天照大御神。
しかし、外からは楽しそうな声が聞こえてきます。
不思議に思った天照大御神は天岩戸の扉を少し開けて外の様子を見てみます。
更によく見てみようと体を乗り出したところ、天照大御神を天岩戸から出ていただくことに成功します。
そして、世界は再び太陽が照らす世界になったのでした。
アクセス
近鉄志摩磯部駅から車で15分で到着します。
天岩戸(あまのいわと/あめのいわと)へ行ってみた
それでは天岩戸(あまのいわと/あめのいわと)へ行ってみましょう。

天岩戸に向かう森です。
神秘的な雰囲気が漂います。

樹齢何年でしょうか。
天岩戸付近は、このように杉の木立がうっそうとしており、ひんやりとした空気から霊気を感じられるかのようです。
伊勢では、神宮をはじめ、あらゆるところに神秘的な雰囲気を感じます。

ひんやりとした空気を感じながら天岩戸の向かって歩いていきます。



二之鳥居を抜け更に奥深くに進んでいきます。



三之鳥居に到着しました。
天岩戸までもうすぐです。


到着しました。
こちらが天岩戸、恵利原の水穴です。


天岩戸からは竹筒を通って岩清水が湧きだしており、それを汲みに来る人も絶えず訪れています。



こちらが禊(みそぎ)の滝です。

天岩戸からさらに500mほど行くと大沢の風穴があります。
その名の通り、この洞窟からは絶えずひんやりとした風が吹き出しています。

いかがだったでしょうか。
日本神話にも登場するような神秘的な場所。
ここで感じられる霊気は、実際に行ってみなければ伝えきれません。
日本が誇るパワースポットにぜひ訪れてみてください。