541【カンボジア紀行】カンボジア に古くから伝わる宮廷舞踊の一つであり、神話や宗教的な物語を物語る『アプサラダンス』

カンボジア(Cambodia)
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どこの国にも、伝統きに伝わってきている踊りがあります。

日本であれば、伝統的に伝えられ続けている能や狂言のような舞から始まり、日本舞踊のようにお稽古事としても現在も行われ続けているもの。
一般の人々にも気軽に踊ることができるような盆踊りや阿波踊りなどなど。
現代に至っては、ストリートのダンスや社交ダンスなど、一言に踊りといっても多岐にわたるわけです。

そして、どの国においても踊りというものを通じて人々がコミュニケーションを図り、社会的集団を作り上げていることには共通性がありますね。

今回紹介しているのは、そのような様々な国に残るダンスの中でも、カンボジアに古くから伝わるダンスについて紹介したいと思います。
その名は”アプサラダンス“といい、ヒンドゥー教の神話に登場する精霊アプサラの舞の様子を表すダンスとして古くから受け継がれ、現代にいたるのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • アンコール遺跡のレリーフにも残るほどの歴史と伝統を持つアプサラダンス。その優美な舞は、今も私たちを虜にするのです。

アプサラダンス

アプサラダンスとは、ヒンドゥー教の神話に出てくる精霊アプサラを表現した伝統的なダンスです。
元々は宮廷舞踊として限られた人々しか見ることができなかったこのダンス。
現代ではカンボジアにて大衆にも開かれたダンスとなっており、アプサラダンスディナーショーとして、多くの観光客に親しまれるものとなっています。

その歴史は非常に古く、アンコール時代であると考えられています。
当時のアプサラダンスは、宮廷の大事な行事や儀式などで踊られていた宮廷舞踊でした。
政治にも祭祀が重要だった時代、われわれ人間が神々と交信する一つの手段として、このアプサラダンスは非常に格式高く重要な物なのでした。
そのため、現代に残る8世紀から~13世紀ごろのアンコール時代の遺跡の数々には、このアプサラダンスのレリーフも数多く残されているのです。

ところがどんなに栄えた王朝でも衰退を迎えます。
アンコール朝が衰退すると、アプサラダンスもそのまま人々の記憶から忘れさられていきます。
そのまま伝統も廃れていくのかと思いきや、カンボジアがフランスによる統治が行われるようになると、再びフランスによってこのアプサラダンスの文化の良さが見いだされ、再び日の目を見ることにないります。
そして、宮廷舞踊としてはもちろん一般の人々にも開かれた舞踊として大切なカンボジアの文化の一つとして認識されるようになり舞いした。

そんなアプサラダンスでしたが、ポル・ポト政権時代に不遇の目にあいます。
アプサラダンスを伝承していた
先生や踊り子のうちの90%以上もの人々が処刑されてしまったのです。
このときに伝承してきた人々だけでなく、振り付けなどが書かれた書物なども焼失してしまいました。
今度こそ完全に終わったかに思われたアプサラダンスでしたが、残された数名の伝承者によってその伝統は息を吹き返し、伝統舞踊が再びこの世によみがえったのでした。

アプサラダンスの特徴としては、やはりしなやかな手の動きではないでしょうか。
手首のそりを使って、ゆっくりと優美であるその動きからは、天女や精霊のイメージが浮かんできます。
実際、アプサラダンスは非常に踊りの型が多い踊りであり、基本をマスターするだけでも何年もの練習が必要であり、一人前になるまでには多大な努力が必要なのです。
また、その衣装も非常にきらびやかであり、頭には3つの先端がある華やかな装飾が施されています。

現在では宮廷行事だけではなく、ディナーショーなどでも披露されるため、ダンサーたちの活躍の場は非常に多くなっています。

アプサラダンスを見に行ってみた

それでは、アプサラダンスを見に行ってみましょう。

アプサラダンスは、色々な場所でディナーショーと共に見ることができます。
カンボジアに行った時には、是非とも一日はこういったレストランの予約を取ってみてもいいかもしれませんね。

アプサラダンスとはいいますが、数ある演目の一つであり、ディナーショーなどでは、大体は最後の大トリに上演されることが多いようです。

まずは、メカラ・ダンスという、水の神メカラが悪魔を退治しようとするストーリーです。

女性と不思議な面を被った登場人物の演目です。

これは農耕の様子を表している踊りのようです。
ココナッツ・ダンスというようで、もともとは結婚式などで踊られていたそうです。

同じ衣装を着た女性たちが現れました。
次もまた人々の生活の様子を表している踊りです。
フィッシャーマンズ・ダンスといい、竹でできたかごを持った登場人物たち男女が、恋愛の駆け引きを行うストーリーです。

これは漁師たちの様子を表しているというダンスのようでした。

そして締めにはアプサラダンスです。

中央にいる白い装束に身を包んだのが最も格式高いを表しています。
そして周りに踊る者たちは姫の侍女を表しています。

美しい天女たちの舞を堪能してください。
演技の最後には7人のアプサラが舞台上に勢ぞろいします。

いかがだったでしょうか。
今回紹介したアプサラダンスでは、伝統ある非常に高貴なダンスです。
一昔前であれば、一般の我々ではお目にかかることなどできなかったような宮廷の踊りを、ディナーと共に一般の人々が楽しめるというのは、いい世の中になったものです。
一時期はその存在が消えかかってしまった伝説のアプサラダンス。
カンボジアに伝わる神話を、おいしいカンボジア料理を楽しみながら楽しんでください。