548【城ノウハウ】天守・御殿ときて、お城の中で大切な建物といえば?これもあります『櫓』

百名城/続・百名城(Castle)
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日本の城には様々な施設が設けられています。
最もその中で目立つのは天守であり、誰もが真っ先にイメージすることでしょう。
しかし、以前に天主たちが生活をする場として御殿というものもありますよということも書きました。
今回はそれ以外にもまだまだあるのですよというお話です。

城で目立つのは天守だという話をしましたが、目立つということはそれだけ大事な施設であるのですが、なんでもそうであるように、バックアッププランを考えておくことは大事なことです。
天守が攻撃を受け、崩壊させられると物理的なダメージ以上に、そこにいる人々の精神的支柱に対してもダメージを受けることになってしまいます。
では、万が一の時に対応できるように天守に代わる城の要は必要となってくるでしょう。
そのような際に天守の代用にも使われるような施設に櫓(やぐら)があります。
天守の代用用途としてだけの存在ではなく、もともとはとある用途からスタートした櫓。
実は天守以上に重要な場所であったり、今もなお現存している櫓も多くあったりするのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 櫓を知れば城を見に行った時にさらに見どころが増える。櫓にもたされた様々な用途を見に行ってみよう。

櫓とは

とは城の中に設けられた施設です。
城域内の外周に設けられることによって、見張り台の用途として使われたこともありますし、城に攻め込んでくる敵を防ぐための防御拠点、攻撃拠点としても使われました。
また、天守の無かったり、落とされたりした城では、天守の代用として櫓が用いられることもありました。
特に、江戸時代になると、城の増改築がその都度申請や許可が必要となったため、なかなか新たな天守を設けることが難しい時代になります。
そういった際には、あらかじめ天守に匹敵するほどの櫓を新築する申請をして、それを天守として代用することも多々あったのだそうです。
その中でも三重櫓と呼ばれる櫓は、天守と同じような構造で作られており、天守の代わりに造られたことをが多かったそうです。

では、櫓にはどのようなものがあるのでしょうか。

櫓の種類

それぞれの城には、複数の櫓が設けられることが一般的でした。
そして、それらを区別するために名称がつけられたのですが、櫓のある場所や当時の十二支を用いた方位で表すことが一般的でした。
例えば”方位+隅櫓“という名称の櫓は、城域内の隅に設けられた櫓でした。
また、その方位に応じた”十二支+櫓“という名称も多く使われました。

他の設備の機能と併せ持った櫓には、それにちなんだ名称がつけられています。
例えば、門と一体になった櫓門や、天守に付随する形で設けられた付櫓、城壁の上に設けられた長い形の櫓である多聞櫓などです。

櫓そのものの構造が名前になっているものもあります。
何層構造になっているかによって名称ががついている〇重櫓や、欄干のもうけられた高欄櫓などです。

最後に、櫓の用途に応じた名称の物もあります。
よくあるのが、時間を知らせる太鼓を備えた太鼓櫓、兵糧備蓄のための干飯櫓といったものがあります。

それぞれの城によって名称もさまざまであるため、どこの城にはどの名称の櫓があるのか、調べてみても面白いですね。

代表的な櫓

赤穂城の櫓門です。
初めから天守の無かった赤穂城。
各箇所にあった櫓や御殿が非常に重要な建造物でした。

彦根城の多聞櫓です。
現存天守である彦根城天守を取り囲むかのように造られた多聞櫓は、守りの面からも重要な櫓であったことでしょう。

福山城の鐘櫓です。
これは、太鼓櫓と同様に、近隣に時の鐘と告げた鐘や太鼓が備えられていた櫓です。

津山城の備中櫓です。
備中櫓は、本丸にあった御殿の南西端位置していた櫓であり、御殿から廊下で繋がっていたとも言われていたそうであり、御殿の一部として認識されていたようです。

明石城も天守が造られなかった城です。
その代わりに、立派な三重櫓が四隅に造られました。
北東の艮櫓及び、北西の乾櫓は明治期に解体されましたが、南西にある城内最大の櫓である坤櫓、南東にある巽櫓は現在も残されています。

こちらは現存天守松江城です。
松江城の前に見える小さな突き出た部分が付櫓になります。

いかがだったでしょうか。
ここで書いた以外にも、様々な用途で使われた櫓がたくさんありました。
今回紹介した以上にも、名前だけを見て用途が分かるものもあれば、どういった由来でそのような名前になったのかぱっとわからないものまでたくさんあります。
このように名前もそれぞれに特徴的なものが多いので、城巡りの際には櫓そしてその名前にも注目しながらめぐってみてはいかがでしょうか。
また新たな発見があるかもしれませんよ。