日本ならではの旅のスタイルの一つが、日本全国あらゆる地域にまでくまなく配された鉄道網ですよね。
移動手段としての鉄道はもちろん、近年では鉄道そのものに魅力を持たせて、それを目的にした旅というのもあったりします。
そして、都市間などを移動するときにはほとんどがJRでの移動になると思いますが、個々の地域内には地元の鉄道路線があったりします。
今回紹介しているのは、そんな地元の鉄道会社の一つである“ことでん”こと、高松琴平電気鉄道です。
高松琴平という名前からわかるように、四国の香川県に3路線で営業をしている鉄道会社であることでんですが、その歴史は非常に古く、ルーツは明治期の鉄道会社までさかのぼります。
そんな地元に根差した鉄道会社ですが、どのような魅力のある鉄道なのでしょうか。
というわけで、今回のわきみちは、
香川県の記事です。




ことでん(高松琴平電気鉄道)
高松琴平電気鉄道、通称ことでんは香川県を走るローカル鉄道です。
もともとは、明治期に始まった東讃電気軌道・高松電気軌道・琴平電鉄の3社から始まっています。
東讃電気軌道はのちの讃岐電鉄となりますが、現在の志度線区間と市内線を営業していました。
高松電気軌道は現在の長尾線区間を、琴平電鉄は琴平線区間を営業していました。
琴平電鉄はかつて塩江線というものも持っていたそうですが、現在は廃止となっています。
この東讃電気軌道・高松電気軌道・琴平電鉄の3社が合併し、1943年に新たにスタートを切ったのが高松琴平電気鉄道です。
戦前にできたこの新会社ですが、戦災の影響で営業ができなくなってしまいます。
しかし、戦後になって徐々に営業を再開していきます。
ことでんを走る車両ですが、昭和を感じるレトロなものが多いことでも有名です。
その理由としては、ことでんのほとんどの車両が他の鉄道会社から譲渡された車両が使われているためなのです。
その昔日本全国て使われていた国鉄車両。
関東を走る、東武・京急、京王の車両。
関西を走る。近鉄・阪神の車両。
名古屋を走っていた、名鉄、名古屋市営地下鉄の車両。
それ以外にも、いろいろなところから譲渡された車両田使われていることから、かつて日本を走っていた車両が一堂に会する鉄道ファンが集まる鉄道なのです。
地域に根差して多角的に営業を進めてきた高松琴平電気鉄道でしたが、2001年には民事再生法適用を申請します。
その後は5年間をかけて再生計画を遂行し、民事再生法に基づく再生計画は終わりを迎えます。
経営が再建された後は、ことでんならではの施策も取り組まれるようになってきました。
ことでんという愛称を前面に出し、従業員によるサービス向上を図りました。
また、自転車を持ち込めるサイクルトレインの導入や、全国相互利用可能なICカードを導入するなどが行われ、乗客の利便性の向上に取り組んでいます。
アクセス
高松城へは、JR高松駅から徒歩5分、琴電高松築港駅からは下車後目の前で高松城西門に到着します。
ことでん(高松琴平電気鉄道)に行ってみた
それではことでん(高松琴平電気鉄道)を見に行ってみましょう。

今回、ことでんを見るために、こんぴらさん参拝のための駅である琴電琴平駅まで行くことにしました。
琴電琴平駅へ行くためにで琴平駅まで向かいます。

こちらがJR琴平駅です。
ここからことでん琴電琴平駅までは、西に向かって徒歩で200m歩きます。

琴電琴平駅が近くなってきました。

というわけで琴電琴平駅へ到着。
JR琴平駅と比べると非常に小さな駅舎です。

ことでんの営業路線は、香川県内のこの3路線(琴平線・長尾線・志度線)です。

さあ、ホームの方にことでんが見えてきましたよ。

レトロな感じの車両ですね。
琴平線を走る車両は、元名古屋市営地下鉄や京急線で使われていた車両なのだそうです。
この1080番台の車両は、元京急線の車両です。
そして、琴平線の車両はすべて2両編成です。

こちらの1100番台の車両は、元は京王線の車両だそうです。
大都市圏で活躍した車両がこうやって再び活躍できる場を与えられるのは鉄道好きにもたまらないのでしょうね。
いかがだったでしょうか。
今回見に行ったことでん琴平線は、こんぴらさん参拝のために造られた路線であり、レトロな雰囲気を味わうことができる鉄道路線として、香川県観光でも人気のある鉄道です。
この鉄道に乗ることを目的にやってくる人もいるほどの鉄道であり、駅舎も歴史を感じさせる見どころがたくさんあったりします。
興味のある方は、一日パスを購入して、ことでん巡りの旅もよいかもしれませんね。