日本のアニメ技術は非常に高く、何年かに一度は日本の映画興行収入を塗り替えるような作品が出てきますよね。
このように高い日本のアニメ技術ですが、近年では世界のアニメも高いレベルを保持するようになってきています。
今回紹介している『バトル・オブ・スラバヤ~スラバヤの戦い~』は、インドネシアによって製作された、インドネシアでは初の本格的長編アニメです。
インドネシア独立戦争の始まりとなった1945年11月のスラバヤの戦いを描いたものなのですが、実際の戦争を取り扱った時代の中に、魅力的な登場人物が必死に生き抜こうとする戦争アニメです。
しかしそこには、祖国を愛する心と、平和をテーマがテーマとなっており、インドネシアがこれまで経てきた歴史について、映画を見ることでその一端を知ることができる貴重な映画です。
内容については、多少誇張したようなところがあったり、突っ込みを入れたくなるようなところもあったりするのですが、映画としての完成度は非常に高く、世界各国から数々の賞を受賞したアニメ映画となっています。
日本ではなかなか見る機会のない映画なのですが、いずれどこかで配信などもあるのではないかとも思われるこの映画『バトル・オブ・スラバヤ』について今回は紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
スラバヤの記事です。














Battle of Surabaya~スラバヤの戦い~
バトル・オブ・スラバヤは、インドネシア独立戦争の発端となった、東ジャワの都市スラバヤで起こったスラバヤの戦いを舞台にして展開されるアニメ映画です。
スラバヤの戦い

スラバヤの戦いとは、1945年8月、太平洋戦争で日本の敗北が決まったのちに起こりました。
日本がインドネシアから撤退したのち、連合国を代表してイギリス軍がインドネシア国内に残された日本軍の武器弾薬を引き渡し、再度植民地化をもくろむオランダに対する抵抗をやめるように通告したことから始まります。
しかし、同じ有色人種である日本人がオランダを撃退し、その日本の影響もあってか独立の機運が高まっていたインドネシア国内では、再びオランダによる植民地となることをよしとしない人々がだいたすうでした。
そんな中で、まだ一つの国として十分に政府が機能していない中で、イスラム教の指導者による呼びかけなどがあって、民兵を中心とした対イギリス軍との戦いがスラバヤの地で繰り広げられることになるのです。
この戦いはおよそ3週間続いたとされています、1万人以上のインドネシア人が犠牲になったといわれています。
インドネシア独立の礎となった彼らをたたえ、11月10日は英雄の日、スラバヤは英雄の町といわれ続けているのです。
アニメ映画『バトル・オブ・スラバヤ~スラバヤの戦い~』
アニメ映画『バトル・オブ・スラバヤ』は、2015年に公開されたインドネシアの戦争ドラマ映画です。
インドネシア初の長編アニメ映画ということで3年という機関と、日本円で約1億2000万円ほどの製作費をかけて完成させました。
声優には、インドネシアの人気男優や女優を起用し、日本人役で日本人声優も起用されています。
舞台は1945年、日本が広島と長崎に原爆が投下され、連合国に無条件降伏をするところから始まります。
日本軍が敗戦し、インドネシアから撤退した乗り、インドネシア初代大統領スカルノはインドネシアの独立を宣言します。
ここにインドネシアの新たな時代が幕を開けたかのように思いました。
しかし、それは新たな闘いの日々の始まりだったのです。
しかし、その後、一度はインドネシアから撤退していたオランダは、再びインドネシアを植民地化しようと目論見ます。
しかし、オランダは人員が不足しており、イギリス軍とインド軍の力を借りて再度インドネシアにやってきます。
この物語の主人公はムーサという13歳の少年です。
ムーサは、病気の母親と一緒に暮らしており、靴磨きをしながら日々の生活をやりくりしていました。
そんなムーサは、ある日、インドネシアのスパイとして国軍とインドネシア民兵との間で機密文書伝達する役割を担って働いていました。
ムーサは民兵グループの元メンバーであるユムナという中華系の女の子と出会ったり、ダヌという青年、ドレフディンというインドネシア兵士たちとも出会っていきます。
インドネシアの独立を勝ち取るため、ムーサとユムナはそれぞれ働いていました。
ところが、ムーサの自宅が火災にあい、母親も失ってしまいます。
虎児になってしまったムーサは、母親からもらった最期の言葉『戦争に栄光はない』この言葉を受け、戦争に対して憎しみを高めていくことになります。
しかし、機密文書伝達を行っていたムーサはあるとき、イギリス軍にとらえられ投獄されてしまいます。
ムーサはその後どうなってしまうのか。
そして、インドネシアの独立は・・・!?
結末は歴史が証明してくれていますが、そこに至るまでインドネシアではどのようなことがあったのか、知るきっかけになるのではないでしょうか。
ところで登場している影の軍団が・・・忍者??
ここだけはなんとかならなかったのでしょうか。
いかがだったでしょうか。
それぞれの国には、その国の歴史をつたえるような映画がよくあります。
しかし、アニメでそれを表現したという国は、日本を除いてはあまり見られません。
それだけにインドネシアにとっては、なかなかチャレンジングなことであったことは確かでしょう。
アニメ映画ということもあるので、フィクション的要素もあるこの映画なのですが、
「日本のアニメじゃないから・・・」
と侮らず、一度お試ししてみることをお勧めします。