590【城ノウハウ】時代時代にあった城を造るために。城の全体像の設計図である『縄張り』

百名城/続・百名城(Castle)
この記事は約4分で読めます。

「ここはワシらの縄張りじゃーい!」
というように、ミ○ミの○王あたりでは普段の会話でも時折出てくるのではないでしょうか、この『縄張り』という言葉。
もちろんこの言葉も語源があるわけなのですが、お城造りからきている言葉なのです。

ではお城における縄張りとは何なのか。
それは、お城をどのようにレイアウトするのかの設計のことをいいます。
どのように目的にあった城の内部をレイアウトしていくのか。
それは築城主や、設計者の腕の見せ所です。
現代と違って、その失敗が命に直結することもあるのですから・・・。
この縄張りを意識してお城巡りをしていくと、また一味違うお城の景色が見えてくるのです。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • お城にどのようなものを造るのかも大事ですが、それらをどのように配置するかはもっと重要な要素なのです。

石垣とは

お城を造るぞ!!
と、なったときに何から考えますか?
どういった目的の城を造るのか、まずは築城の目的を考えなければなりませんね。
そこから、城を立てるための土地はどのような形状にするのか。
城の中にはどのような建物を造るのか。
建物をどのように配置するのか。
といったような、詳細の部分を設計していく必要があります。
夢のマイホームを建てる時にも、間取りには頭を悩ませますよね。
それと同じことが築城でもあったのです。
このようなお城の設計のことを縄張り(縄張)といいます。

その名の通り、この言葉は、これから築城する土地に縄を張って、建築予定の範囲やこれから建てる建物の位置をしたことからきています。

どのように設計すれば敵から攻められにくくなるのか、どのように設計すれば守りが堅牢になるのか、どのように設計すれば民に威厳を示すことができるのか。
築城の目的にあった縄張りを考え、それができたらいざ築城!という流れになるのです。

築城のための縄張りで最も大切になってくるのは、城の敷地の中で石垣や土塁、堀などで区画された一つの区画である曲輪(郭)をどのように配置するかです。
後に建造する上物も大切ですが、曲輪をいかに配置して、どこから人が出入りすることができるかを決め、土塁や堀、はたまた自然の川や崖などの地形を利用して、縄張りを決めていくのです。
城の中心部且つ、決して落とされてはならない場所が城の中枢部にある曲輪の本丸です。
ここを落とされないように、いかなる設計にするか、それは築城者の腕の見せ所なのです。

そして、この縄張りをわかりやすく示した図面が縄張図であり、これを見ることで城の構や位置関係、その規模などを確認することができるので、この縄張図を見ることができるようになると、その城がなんとなくどのような目的で造られたのかが見えてくるようになります。
特に山城の場合、そのほとんどが山林によっておおわれてしまっている場合もありますが、この縄張図が分かっていることによってどこにどのようなものがあったのか、図を片手に想像を膨らめせることができるのです。

ではそんな城の構造である縄張りですが、どのような種類があるのでしょうか。

縄張りの種類

縄張りの種類はいくつかあります。

輪郭式

1つめが輪郭式であり、中央にある本丸を二の丸が囲み、さらには三の丸がそれを囲み、というように中心から外へ外へと曲輪が設計される縄張りです。
西日本を代表する大阪城などはこのつくりの城です。

梯郭(ていかく)式

2つめが定格式であり、これは自然の要害などを利用する場合に多い縄張りです。
本丸の背後を自然の川や崖などに任せ、前面に二の丸、そのまた前面に三の丸、というように造っていく縄張になるため、本丸が中央にはなく偏った位置にあるようになります。
姫路城や岡山城などはこの縄張りの城です。

連郭式

3つめが連郭式であり、本丸と他の曲輪を一直線上に並べた形式の縄張です。
これは山の尾根を利用した山城などでは比較的よく見られる縄張りです。
彦根城等はこの縄張りの城です。

稜堡式

稜堡式は西洋の城でよく見られる縄張りであり、城の周囲に突出部である稜堡を配した縄張りであり、日本では五稜郭が有名な縄張りです。

いかがだったでしょうか。
今回はお城の中でも、城全体の構造である縄張りについて書いてきました。
建物を見るだけではなく、その土台である縄張りがどのように設計されているか、その見方がわかることでその城が必要とされた時代や地域状況、またそこにいたひとびとの考え方など、数多くのことを現代に伝えてくれているのではないかと思います。
縄張りを見てみて、どうやって本丸に侵入してみようか。
イメージトレーニングをしてみてから、実際に訪れてみると、面白さが倍増するのではないでしょうか。