世界遺産都市であるマレーシアのマラッカ。
歴史あるこの街の中心部には、数多くの歴史を感じる建物が残っています。
もともとはマラッカ王国と呼ばれる国であったこの地域は1400年頃にスマトラ島出身のパラメスワラが建国して始まったとされている国であり、海上交易の拠点として大いににぎわった場所です。
しかし、その後はポルトガルやオランダ、イギリスによって制圧された経緯からも、様々な顔を見せる街となっています。
そんなマラッカの街には、同じく数多くの博物館もあり、これらを見て回ることでマラッカの歴史がよくわかるわけです。
そんなマラッカを代表する2つの博物館がスタダイスとマラッカスルタンパレスです。
このうち、今回はマラッカスルタンパレスを紹介していきたいと思います。
木造の巨大な王宮を模したこの博物館は、その建物自体がマラッカの歴史を現代の世に伝える役割を担ったものなのでした。
というわけで、今回のわきみちは、
マラッカについての記事です。









マラッカスルタンパレス
マレーシアのマラッカにあるマラッカスルタンパレスは、マラッカ王国の王宮文化を今に伝えるマラッカを代表する博物館です。
巨大な木造建築の建物は、設計図すら残されていなかった建物だったのですが、マレー王統記やスジャラ・ムラユというマラヤ年代史などに記述されていた文書から設計図面を作成し、1984年に復元されたマラッカ王宮を模した建物であり、内部はマラッカ文化博物館として一般公開されています。
そんなマラッカ王国は1400年に現在のインドネシアのスマトラ島パレンバン出身だった、シュリーヴィジャヤ王国最後の王子パラメスワラが漂流してこの地に到達し、1400年頃に建国された王国でした。
早い段階からイスラム教を取り入れたことによってムスリムの貿易商が東アジア・東南アジア進出するタイの拠点として、多くの人々が行きかう拠点として繁栄した王国でした。
しかし、その後は大航海時代を迎え、香辛料などを安定的に得ることを目的とした欧州の列強が東南アジアに次々と進出してきます。
1511年には最初に進出してきたポルトガルが、その武力によってマラッカ王国を征服し、マラッカ王国の王をマレー半島の先端であるジョホールへと追い出します。
その後1642年にやってきたのはオランダであり、ポルトガルを追い出します。
さらには、1824年にはイギリスの植民地となり、太平洋戦争中には日本の統治下にもなります。
戦後にはマレー半島全体の独立運動の中で独立を獲得し、1957年にはマレー連邦として独立し、現在のマレーシアへとつながっていきます。
このような様々な勢力によって翻弄されてきたマラッカであったため、王国時代の歴史はなかなか日の目を見ることがありませんでしたが、そういった過去の歴史を現代に受け継いでいくためにもこのマラッカスルタンパレスは復元されたのでした。
現在はサンチャゴ砦のすぐそばに建てられている子のマラッカスルタンパレスですが、本来は現在のスタダイスがある場所にあったものと考えられています。
建物自体がマラッカ王国の歴史を現代に受け継ぐ様式の物であり、高床式マレー建築であり、鉄製のくぎを用いないで木材を組み合わせた貴重な建物として認識されています。
アクセス
サンチャゴ砦からすぐ北に行ったところにあります。
マラッカスルタンパレスに行ってみた
それではマラッカスルタンパレスに行ってみましょう。

サンチャゴ砦に行くとすぐそばに大きな木造建築が見えてきます。
オランダ広場からは徒歩で8分ほどで到着します。
こちらがマラッカスルタンパレスです。

敷地内に入ってきました。
マレー建築の特徴である高床式の建築様式を持った巨大な木造建築です。


こちらが正面玄関です。
内部は文化博物館として営業されています。

内部に入りました。
早速このマラッカスルタンパレスの模型があります。
大きな建物であるため、全景がよくわかります。

内部はマラッカ王国の文化に関する展示がされています。
これは王族の儀式の様子です。

どの人形がどの立花の人物なのかが説明されていました。

こちらは寝室でしょうか。

多くの王族の衣装類が展示されています。

当時の様子替えであらわされています。
像の背に乗って行脚する王でしょうか。

処刑や、拷問の様子などを表している絵もあります。


何らかの物語を表している絵です。






マラッカにやってきた人々の様子を表している展示です。

中国からやってきた人々でしょうか。

中東からやってきたことがわかる人々ですね。
マラッカが海上交易の拠点としていかに栄えていたかがよくわかる展示です。



マレー建築様式の建物の模型です。



ここでは武器の展示が行われていました。

非常に長い廊下には、陶磁器などの展示があります。

再び衣装関連の展示が並んでいます。


王宮の楽団でしょうか。

いかがだったでしょうか。
様々な人々や国がこの地にやってきては統治してきた歴史を持つマラッカにあって、王国時代の貴重な文化を現代に伝える貴重な博物館でした。
建物自体がその歴史を現代に伝える貴重な建造物であるこの博物館に訪れた際には、建物そのものをしっかりと見てみることもおすすめの場所でした。