618【沖縄紀行】ザ・沖縄スタイルの銭湯を楽しめる最後の場所『中乃湯』

九州・沖縄地方(Kyusyu/Okinawa)
この記事は約5分で読めます。

沖縄本島を旅していると、ふと気づくことがあります。
「銭湯ってなくない??」

沖縄にはかつては300以上もの銭湯が存在し、独特な銭湯文化『ユーフルヤー(湯風呂屋)』がありました。
ところが、時代の移り変わりとともに次から次へと廃業していったユーフルヤーは、現在では実は1軒しか残っていないので、見つけられなくて当然なのです。
その最後の1軒の銭湯が今回紹介している中乃湯なのです。

沖縄県沖縄市、かつてコザと呼ばれていたこの地域にある中乃湯は、1960年に開業した沖縄式銭湯です。
銭湯とはいいますがその湯は天然の温泉をひいているのです。
それ以上にこの中乃湯の特徴なのですが、おそらく皆さんが見たことがある銭湯とは何から何まで中の造りが違うのです。
今回はそんな沖縄に残る最後の1軒のユーフルヤーを紹介したいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 沖縄最後の銭湯 中乃湯。その独特の銭湯文化と、すばらしい人々との触れ合いを楽しみに行ってみよう。

沖縄のコザに関する記事です。

681【沖縄紀行】沖縄メニューを腹いっぱい!地元の人たちから愛される食堂『大衆食堂ミッキー』
沖縄市にある中央パークアベニューの中に、50年を超えた老舗食堂が存在します。それが大衆食堂ミッキーです。地元民のに愛され、DA PUMPのISSAも愛してやまないこの食堂では、ボリューム満天の沖縄の大衆メニューのほとんどが、財布に優しい値段で提供されているのです。
152【沖縄紀行】沖縄の古民家ゲストハウス 自分の家以上にくつろげる『ごーやー荘』
沖縄のコザにあるごーやー荘は、沖縄の伝統的な築50年になる沖縄独特の瓦屋根の古民家をリノベーションした古民家ゲストハウスです。何度泊っても、田舎の祖父母の家に泊まってゴロゴロしているような感覚を味わうことができる素敵なゲストハウスですよ。
012 【沖縄紀行】基地と音楽の街コザを散策する
沖縄といえばビーチ?いやいやそれだけじゃないのが沖縄の深さ。沖縄の辿ってきた歴史と共に、新たな楽しみ方を紹介します。

中乃湯

銭湯『中乃湯』は、沖縄市のかつてはコザと呼ばれていた地域にある、沖縄最後の銭湯です。
沖縄にはかつて、300軒を超す銭湯が存在し、独自の銭湯文化である『ユーフルヤー(湯風呂屋)』文化がありました。
しかし、燃料費が高騰していったり、各家庭に風呂が普及したことによって1つ、また1つと銭湯は閉館していき、現在ではこの中乃湯を残すのみとなりました。
以前紹介したゲストハウス『ごーやー荘』からもアクセスのしやすいこの中乃湯は、沖縄最後の銭湯であり、かつての沖縄の銭湯文化を今もなお体験することができる貴重な場所なのです。

中乃湯は1960年ごろに開館した沖縄式の伝統をもった銭湯です。
銭湯ではありますが、その泉質は地下300mからくみ上げた天然温泉なのです。
銭湯つまり公衆浴場であるため料金は非常にお手ごろであり、大人は370円で入湯することができます。
町中で天然温泉が、しかも手ごろな価格で入ることができるとなると、これは一度行ってみるしかないですよね。
オープン時間は昼の14時くらいから20時くらいまで。
くらい“というのは、いち早く風呂に入りたい人がやってきたり、ゆったりと閉店間際にやってきたりしたりするので、その時々に応じて、なんとなくこの時間内で営業しているのだそうです。

しかし、それ以上にびっくりするのは、みなさんが想像している銭湯と全く異なる光景が目の前に広がるのです。
のれんをくぐって左が男湯、右が女湯。
そして、やたらと細いドア(通常の半分くらい?)を開け、やたらと細い通路(通常の半分くらい?太っている人は通れないのでは・・・??)を抜けると、その先には沖縄式銭湯が広がります。
(※残念ながら訪問時に他の入湯客がいたため、内部の写真は撮影できていません。)

沖縄式銭湯

沖縄の銭湯は、他府県とは大きく異なる特徴が多数あります。
では、どのような特徴があるのでしょうか。

脱衣所と浴槽が同じ空間

これだけ読むと、??だと思いますが、普通の銭湯では存在する脱衣所と浴槽空間の仕切りがないのです。
脱衣所から一段下がると、そこはタイル敷きの浴槽空間になっています。
そのため、というか沖縄の人々の気質かもしれませんが、ロッカーには鍵がついていません。
なにせ、浴槽からロッカーが丸見えなので、盗難にあう可能性もないのです。

浴槽がど真ん中に

普通銭湯に行くと、浴槽は一番奥の壁に沿って造られた長方形型が思い浮かびますよね。
しかし、沖縄式は違います。
小判型の浴槽が、ど真ん中にどーんと鎮座しているのです。
カッコよく言うと、アイランド型。
そして、真ん中にあることもあって、大きさは小さめです。
おそらく定員は4~5名ほどかと思います。
湯の色は薄い緑色をしていますが、これは源泉の色ではなく、入浴剤で色がついているのだそうです。

蛇口についているホースがY字型

蛇口とそれにつながっているY字の形状をしたホースが独特です。
ホースの先は、”水”の蛇口と、”湯”の蛇口とにつながっており、それらが先端で一本のホースを通って出てきます。
つまり、蛇口の加減で湯音を自分で調整するのです。
ホースなので向きも自由自在。
シャワー的な使い方もできちゃったりします。

中乃湯の愛される店主 シゲさん

中乃湯には銭湯の番台はあるのですが、店主が見当たりません。
店舗前のベンチか、銭湯裏など、どこかにシゲさんはおられます。
御年90歳近く、この中乃湯を切り盛りしてきたシゲさん。
このシゲさんとのゆんたく(おしゃべり)を楽しみにして訪れる人もたくさんいます。
1960年にご夫婦で創業した中乃湯。
ご主人さんは1980年代に亡くなってしまいますが、それから40年近く、シゲさん一人でこの中乃湯を切り盛りしています。
番台に飾ってあるお孫さんの写真がアットホームな感じです。

アクセス

国道330号線沿いの安慶田バス停を下車します。

中乃湯へ行ってみた

それでは、中乃湯に行ってみましょう。
このときはごーやー荘に宿泊していました。
ごーやー荘にはシャワーしかないので、お湯につかりたい場合は中乃湯がベストです。

10分ほど歩いて中乃湯に到着しました。
車も2~3台停めることができます。
(※写真の中乃湯右側のスペースは、中乃湯駐車場ではありません。左側の自販機前あたりの小さなスペースが中乃湯駐車場です。)

築60年ほどのコンクリート造の中乃湯。
外観からはそこまでのレトロさは感じませんが!??

中乃湯のシゲさんです。
いろいろなお話をしていただけます。
銭湯経営女手一つで銭湯を切り盛りしてきたこと、一生懸命働いて息子さんを有名大学まで入れた話など、女手一つでここまでがんばってきたパワフルさを非常に感じました。

この奥が沖縄式の銭湯になりますが、内部についてはぜひ実際に訪れてみてみてください。

いかがだったでしょうか。
内部の写真が今回は全くないので何とも言えないかもしれませんが、せっかく沖縄に来たのだからここだけでしか体験できないことをしたいのであれば、この中乃湯はそんな貴重な体験をさせてくれることでしょう。
60年もの間頑張り続けてきたシゲさんと中乃湯。
いつまでも元気にこの沖縄の銭湯文化を受け継いでいってもらいたいものです。