620【雑記】英語なんだけど、なんか独自の進化を遂げたシンガポールの英語『シングリッシュ』

雑記
この記事は約4分で読めます。

東南アジアの小国シンガポールでは、国民は何の言葉を話しているか知っていますか?
シンガポールだから、シンガポール語??
残念。そんな言葉はありません。

マレー半島がマレー語?  正解!
華僑の多い国だから中国語?  正解!
インド系の人が使うタミル語?  正解!

これら全て正解です。
シンガポールでは様々な民族がいることもあって、これらすべてが公用語とされています。
そして、もう一つ忘れてはいけない言語があります。
上記の3つの公用語は、それぞれの民族内でしか通じないことが多いため、国民がすべてが意思疎通を図るために英語が広く使われています。
そして、英語も公用語の一つとして使われているのです。

ところがこのシンガポールで話されている英語なのですが、非常にクセがあるのです。
前述のように4つの公用語を持つ国だけあって、それらの言語の癖が英語に入ってしまっているのです。
英語というのは比較的ルールが多い言語です。
単語それぞれに現在形や過去形があったり、数によって語の使い方が変わったりと、何かと覚えるのがめんどくさかったりします。
そういっためんどくささを解消し、シンガポール独自の英語として発展したのがシンガポールイングリッシュ『シングリッシュ』なのです。
では、この独自の進化を遂げたシングリッシュとはどのような言語なのでしょうか?調べてみました。

(※シングリッシュ学習の内容ではありませんので、シングリッシュについて勉強を始めるきっかけ程度の意識で読んでいただければと思います。)

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • シンガポール内でも推奨はされていないが、独自進化を遂げた英語 シングリッシュについて見てみよう。

シングリッシュ

シンガポールで話されている英語をシングリッシュということがあります。
これはシンガポールイングリッシュからきている言葉なのですが、インリッシュと区別する理由は何なのでしょうか。
それは、非常に訛りや使い方に特徴がある英語が使われているため、シングリッシュと呼ばれるようになったのです。

シンガポールは、公用語を4つもっています。
マレー語・中国語・タミル語そして英語です。
マレー語・中国語・タミル語に関してはそれぞれの民族の中でしか使われないことが多いため、シンガポール国民全体でコミュニケーションをとるための言語として英語がシンガポールでは高い地位を確立しています。

しかし、公用語だけでも4つの言語が存在するシンガポール。
それぞれの言語の訛りが英語にまで浸食していっているのです。
そのようなシンガポール独特の英語がシングリッシュという言語になっていってしまったのです。
そのため、本来の英語公用語国のアメリカやイギリス、オーストラリアといった国で話されている英語と異なる単語やアクセント、発音などがあるため、シンガポールは国としてはこのシングリッシュの排除に動いています。

では、シングリッシュにはどのような特徴があるのでしょうか?

シングリッシュの特徴

時制の変化がない

本来の英語であれば、現在形や過去形など単語の形を変えることによって時制を変化させますが、シングリッシュの場合すべて現在形に統一されます。
文の中で時間を表す言葉(today、yesterdayなど)と一緒に使うことで時制を表します。
これはマレー語にみられる表現であり、マレー語ではこのように言葉そのものが時制によって形を変えずに、時間を表す言葉を一緒に使うことで時間の変化を表しているのです。

省略される

シングリッシュでは、主語やbe動詞が省略されることがあります。
主語を省略するのは日本語的な言語の扱い方ですね。
また、be同士がないというのもマレー語的な感じがします。

中国語的な語尾をつける

文末にlahやmehが使われることがあります。
lahは中国語の了の意味で、『~だよ』というような意味を持ちます。
また、mehは吗の意味で、疑問文を表しています。
どちらも本来の英語にはない表現であり、英語と中国語とがまじりあった独特の表現です。

thの発音が変わる

日本人も苦手なthの発音。
シングリッシュだと、表記はthであったとしても発音はtやdに変化します。
これは母語にこの音がない人にとってはありがたいですね。
ところが、thとtが同じ発音になってしまうため、単語によってはスペルは違うのに発音は一緒、といったものが現れてきてしまうのだそうです。

強調するために単語を繰り返す

シングリッシュでは、言いたいことを強調するために同じ単語を繰り返すことがあります。
これは完全にマレー語からきています。
例えばcanをcan-canとすると、絶対できるみたいなニュアンスになります。

いかがだったでしょうか。
ほかにもいろいろあるシングリッシュの特徴。
ここまで見てみると、シングリッシュの特徴は、言葉の変化を避けたり、疑問文の作り方を単調にしたり、省略したり、省略語を作ったりと、発音しにくいものを発音しやすくしたり・・・etc.etc.
いかに英語を楽に使うか、という特徴があるのではないかと思います。
たしかに、これにどっぷりつかってしまうと、英語は話せなくなるわな・・・と思います。
世界の公用語としての英語を使いたいのであれば、シングリッシュはもはや独自の変化を遂げた新たな言語といってしまっても過言ではないかもしれません。
シンガポール政府が排除に乗り出すのも納得です。