今回はウズベキスタンの伝統工芸についての記事です。
ウズベキスタンの嫁入り道具として代々受け継がれてきたものがスザニと呼ばれる刺繍製品です。
自分の家に娘が生まれると、母親がその娘の嫁入りに向けて縫いはじめ、嫁入りの際に持たせるものとして
ウズベキスタンでは代々受け継がれてきているものです。
もちろんそういった本来の用途としてだけではなく、ウズベキスタンの伝統工芸品として、お土産としても取引が行われています。
ウズベキスタンでは比較適度の街でもスザニを販売していたり、製作していたりする工房などがあったりするわけなのですが、それほど歴史と伝統のある工芸品なのであれば、その製造工程をぜひとも見てみたいものですよね。
もちろん、そんな要望を満たしてくれる場所があるのです。
そこはスザニセンターといい、ウズベキスタン西部にあるトルクメニスタンとの国境近くにある町 ヒヴァの世界遺産イ・カラ城壁内にあります。
実際のスザニを製作している現場。気になりませんか?
今回はこのスザニセンターについて紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
ウズベキスタンのヒヴァに関する記事です。





スザニセンター
ウズベキスタンの西部にあるトルクメニスタンとの国境近くにある町ヒヴァ。
以前紹介したこともあるように、ここは世界遺産として登録されているイチャン・カラという城壁に囲まれた内城があり、数多くの観光客が訪れる世界遺産都市です。
イチャン・カラ内にはモスクやミナレット、そして世界遺産内にあるにも関わらず人々が暮らす日常生活の光景を見ることができる場所として、世界的にも人気を博している場所の一つです。
人々の生活がそこにはあるため、もちろん人々が働く場所もここにはあるのです。
そんなイチャン・カラ内には、少しほかの場所とは違った雰囲気を醸し出している工房があります。
ウズベキスタンの伝統工芸品の一つであるスザニという刺繍。
これを黙々と製作している女性たちが集まっている工房があります。
ここはスザニセンターといわれる場所であり、常時多くの女性がこの刺繡つくりに携わっています。
工房ではあるものの、外部に開かれており、一般の観光客でも気軽に入って、その様子を見ることができます。
なぜこのように開かれた作りになっており、ほかの場所とは異なった雰囲気を持っているのかというと、ここはユニセフがサポートして女性の自立支援を行っている場所なのだそうです。
女性たちに仕事ができる場を用意し、そこで売られている商品で得られた利益の一部(それでもほんの少しだそうですが・・・)がまた女性たちの自立支援のために使われていく。
そのような目的をもった施設だったのです。
しかし、実際に作り手の女性たちに支払われる賃金はほんのわずか。
しかも、このスザニセンターに囲い込まれて、他でスザニを作ったり、自分で個人売買をしたりすることは禁じられているのだそうです。
果たしてこれで女性の自立支援といえるのだろうか・・・。
スザニ製品は、なかなかいい値段がします。
女性たちが、一枚仕上げるのに数日という長い時間をかけた作り上げられたスザニには、それ相応の価値があります。
物価がそれほど高くないウズベキスタンにあっても、スザニ製品は100ドルを超すものといったものが数多くあります。
アクセス
イチャン・カラ内の、巨大なジュマモスクの裏側あたりの細い路地の場所にあります。
※地図上の位置は大体です。
スザニセンターへ行ってみた
それでは、スザニセンターへ行ってみましょう。
スザニセンターは、ヒヴァの世界遺産であるイチャン・カラ城壁内にあります。
モスクや建物が林立する中に、女性たちが黙々とスザニを作り続けているスザニセンターはあります。

スザニの特徴はなんといってもその繊細かつち密に計算された美しい模様です。
一枚のスザニを仕上げるまでに何時間かかるのか。
気の遠くなるような時間をかけて、女性たちの手によって美しいスザニは作られていきます。

このスザニセンターでは、スザニ製作の取り組みを通して、ユニセフとも関係があり、女性の自立支援を後押ししているのだそうです。
ウズベキスタン国内だけではなく、他国にも素晴らしい伝統工芸品として認知されてきているスザニ。
さらにウズベキスタンの女性の方々の活躍の場は広がっていくことでしょう。
しかし、その待遇については私たちはしっかりと事実を把握して、問題提起していくことも必要なのだろうと思います。
いかがだったでしょうか。
こうして作られたスザニは、様々な製品やじゅうたんなどに加工され、人々の身近なところで長く使われるようになっていきます。
ウズベキスタンに訪れると、こういったスザニ製品をいたるところで目にします。
これを作った人々の活動に思いをはせながら、お土産にいかがでしょうか。