625【ラオス紀行】なぜここに凱旋門が!!?ラオスの首都ヴィエンチャンにある『アヌサーワリー・パトゥーサイ』

ラオス(Laos)
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ヨーロッパのフランスで建造物はと聞くと、まず名前が挙がる建造物は何でしょうか。
フランスと聞いて思いつく2大建造物、エッフェル塔と凱旋門
このうち凱旋門とは、何らかの戦いにおいて勝利をおさめた際に、その勝利をもたらした群などが凱旋式を行う記念のために造られた門なのです。

フランスの凱旋門は、ナポレオン・ボナパルトが1836年に造らせたエトワール凱旋門が有名ですよね。
ただし、実はこのフランスの凱旋門も、最も古いものではないのだそうです。
凱旋門の起源は古代ローマ時代。
そのため、西暦4世紀ごろに造られたコンスタンティヌスの凱旋門をはじめ、多くの古代ローマにはかなり多数造られていたようです。

しかし今回は、ヨーロッパではない凱旋門についての記事です。
今回紹介する凱旋門はなんと東南アジアにあります。
その国は、ラオスであり、その首都のビエンチャンには、アヌサーワリー・パトゥーサイという凱旋門があるのです。
ラオスはかつてフランスが統治していたということともあるのか、その関連性はわかりませんが、アジアにある数少ない凱旋門の一つを今回は見ていってみたいと思います。

【今回のわきみち】
  • ヴィエンチャン観光では外せないスポット。上に登って市内を眺められることからも有名な定番の凱旋門を見に行ってみよう。

ラオスに関する記事です。

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アヌサーワリー・パトゥーサイ

凱旋門とは何のために建てられた建物なのでしょうか。
有名なものはフランスにあるエトワール凱旋門が有名ですよね。
このエトワール凱旋門は、ナポレオン・ボナパルトがロシア・オーストリア連合軍を破ったアウステルリッツの戦いの勝利を記念して建設が行われたこととして有名な門です。
世界的にみても凱旋門と聞くとここを思い浮かべることと思います。
そんな凱旋門ですが、エトワール凱旋門が建てられた由来からもわかるように、国の将軍や軍隊などが何かしらの戦いで輝かしい戦果を挙げた際に、その凱旋式を行う記念の建造物として建てられる門なのです。
そして、その起源ははるか昔の古代ローマ時代にまでさかのぼるのだそうです。

そんな凱旋門ですが、実はフランスだけではなく、世界を見渡してみると意外と数多く残されているのです。
古代ローマ時代のものはコンスタンティヌスの凱旋門などが代表的ですが、完全な形で残されているものは多くはありません。
また、近代以降に造られた凱旋門は、やはりその多くは欧米に集中しています。
しかし、それだけではなかったのです。
実は、東南アジアも凱旋門があるのです。
それが今回紹介しているラオスの首都ヴィエンチャンにある凱旋門、アヌサーワリー・パトゥーサイです。

アヌサーワリー・パトゥーサイは多くの観光客が訪れる、ヴィエンチャンでも有名なスポットです。
この名前はラオスの言葉ラーオ語で、アヌサーワリー=記念碑、パトゥーサイ=勝利の門を表しているものなのです。

その歴史はそれほど古くはなく、ラオスがフランスから独立した後のことになります。
1962年にラオス国内の内戦が終結したことと、ラオス共産主義勢力であるパテート・ラーオが勝利したことを記念して建造されました。
その外観は、前述したパリのエトワール凱旋門を参考にして建設をしたとされています。
しかし、エトワール凱旋門とアヌサーワリー・パトゥーサイを比べてみると、特に上部の外観が異なることがわかるでしょう。
この上部に代表されるような建築様式はラオスの様式で造られているのだそうです。
しかし、かなり立派に見えるアヌサーワリー・パトゥーサイではありますが、実は建築途中で資金難に陥り、現在もまだ完成していないのだそうです。
実際どこが完成していないのかはよくわからないのですが。

アヌサーワリー・パトゥーサイは、上部まで階段で登ることができます。
ヴィエンチャン市内はそこまで高さのある建物がないため、高さが55mもあるこの凱旋門上からは、市内の様子を一望できます。

アクセス

ワッタイ国際空港から東に5km場所にあります。

アヌサーワリー・パトゥーサイへ行ってみた

それではヴィエンチャンにある凱旋門、アヌサーワリー・パトゥーサイへ行ってみましょう。

今回は、北側にあるパトゥーサイ公園からアヌサーワリー・パトゥーサイへ向かいました。
そこそこの高さのある建物なので、遠くからも見えます。

パトゥーサイ公園内に入りました。
きれいに整備されており、地元の人々の憩いの場になっています。

この公園で、かつて紹介したホビロンを食べました。

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公園を抜けると噴水が見えてきます。
その奥にアヌサーワリー・パトゥーサイが見えてきました。

ぐるーっと周りをまわって後ろ側に行ってみます。

凱旋門が一本に伸びる道の上にあることがわかるでしょう。
この道はラーンサーン通りと呼ばれ、この道をパリのシャンゼリゼ通りに見立てて建築したのだそうです。

アヌサーワリー・パトゥーサイの中に入り、天井を見上げると、色彩豊かなレリーフがあります。

この時はアヌサーワリー・パトゥーサイには登らなかったのですが、階段を上ると4階にはたくさんお土産物屋が入っています。
さらに上って7・8階まで行くと展望になっており、市内を見渡すことができます。

いかがだったでしょうか。
ヴィエンチャンは見どころでいうと少ない街なのですが、その中でも訪れた人々が必ずと言っていいほど訪れる場所がこのアヌサーワリー・パトゥーサイなのです。
ヴィエンチャンに訪れた場合は、ぜひ訪れてみてください。