632【城ノウハウ】惜しくも消失してしまった天守でも、再建されるときにはいろいろなパターンがあるのです

百名城/続・百名城(Castle)
この記事は約5分で読めます。

お城見学でワクワクするポイントが、天守の存在だという方も多いでしょう。
確かにお城のシンボル的存在であり、遠くから天守が見えてきたときには、テンションも高まってきます。

一方で、天守がない方が想像力が掻き立てられてテンションが上がる、という方もいるでしょう。
天守台からかつてそこに存在した天守を想像し、自分なりのストーリーを膨らませる。
これはこれで人それぞれの楽しみ方でしょう。

今回は天守のお話なのですが、当ブログでも幾度となく取り上げているように、日本には現在数多くの天守が存在しています。
しかしその中で、現存している天守というものは12しかなく、現存十二天守といわれている、いわゆる別格の天守たちがあります。
ところが、日本に現在存在している天守は、合計で約100近くあります。
現存天守が12とすると、それ以外は復元されたものであるということが容易に想像できますが、新たに建てられたといっても、いくつかに分類されるということは知っていましたでしょうか。

今回は、そんな再建された天守それぞれが、どのような分類になっているのか調べてみることにしました。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • お城巡りを楽しくしてくれる天守の存在。あるのとないのとでは大きな違いはありますが、再建された天守にはいろいろと種類があったのです。

再建された天守の種類とは

お城のシンボル的存在である天守
あるのとないのとでは、お城そのものの風格が変わってきますよね。
そう考えると、やはりあってくれた方が強烈な威厳を感じることができるため、欠かせない存在です。

しかし、日本国内にある天守は、江戸時代の一国一城令や、明治時代の廃城令。
さらには太平洋戦争による戦災など数多くの苦難を乗り越えてきているため現存しているものは非常に少ないのです。

ところが、日本には現在100近い天守が存在しています
しかし、それらすべてが、長い歴史を持った現存している天守ではないのです。
では、現在残っている天守は、どういった分類に分けられているのでしょうか。

現存天守

まずは現存天守です。
現存十二天守ともいわれており、江戸時代を含めてそれ以前から残っている天守がこれに分類されます。
天守によっては創建時からそのまま天守が残っているものもあれば、幾度かは建て替えを経験した天守もあったりしますが、それが江戸時代に行われて現在も残っているものなのであれば現存天守として分類されています。
現存天守とは言われますが、改修や修繕でいったんすべて解体されて組みなおされたりしたものもあります。

現存十二天守は何度も紹介していますが、
東日本:弘前城・松本城
西日本:丸岡城・犬山城・彦根城・姫路城・松江城・備中松山城・丸亀城・伊予松山城・宇和島城・高知城
圧倒的に西日本にほとんどが残っていますね。

丸岡城
犬山城
彦根城
姫路城
松江城
備中松山城
丸亀城
伊予松山城
高知城

再建天守

現存天守以外で現在残っている天守は大きな分類では再建天守となります。
ところが、この再建天守は、その造られ方によってさらに分類されるのです。

復元天守

再建天守の中でも、天守の図面などが現存し、それらを忠実に再現した城が復元天守と呼ばれます。
そのため、実際にかつての天守が存在していた史実を正確に知りたい人たちなどにはありがたい再建天守でしょう。

復元天守の中にも大きく2つ存在していて、外観のみを史実通りに再現して内部は金コンクリートなども使用されている外観復元天守と、内部を含めてすべて再現した木造復元天守との2種類が存在しています。
外観復元天守では、日本の各地域で中核を担ったような重要な拠点がたくさんあったりします。
有名なところでは、名古屋城や広島城、和歌山城や岡山城といったところでしょうか。
2020年に話題になった明智光秀の福知山城もこれに分類されます。

内部まで木造で忠実に再現されたものが木造復元天守であり、掛川城や大洲上の天守などはこれに分類されます。

名古屋城
大垣城
広島城
和歌山城
岡山城
福知山城

復興天守

かつてその城に天守が存在していたものの、図面などが存在しなかったり、史実に忠実ではなく、他の城の天守などを参考にして再現した場合は復興天守と呼ばれるようになります。
かなり有名な城である者の、実は復興天守だったというものがあったりします。

その代表格が大坂城ですが、現在建っている大坂城は豊臣秀吉時代の初代大坂城と、徳川時代の2代目大坂城とのハイブリッドデザインの城なので、史実に忠実な天守ではないのです。

それ以外にも、小田原城や岐阜城、岡崎城など、名は知られているものの、天守は実は復興天守だった、というものがたくさんあるのです。

大坂城
岸和田城
岐阜城
岡崎城
小田原城
岩国城
福山城

模擬天守

かつてその城に天守が存在していないものの、歴史的には何の根拠もなく天守を建ててしまった場合は模擬天守となります。
現在存在している天守の半分以上はこの模擬天守となります。
もともと存在していなかったものであるため、どう作ろうが後世の人間の自由。

中には、伏見城のように、伏見桃山城キャッスルランドという遊園地のアトラクションとして再建され、保存されているようなものもあったりします。

洲本城
伊賀上野城



いかがだったでしょうか。
現存十二天守はよく知られていますが、それ以外の再建天守が、復元天守なのか、復興天守なのか、模擬天守なのか、そういった予備知識を持ってお城を訪れると、より城めぐりが楽しくなるのではないかと思います。