幕末、日本が開国し、いち早く開国された函館。
国際貿易港として開かれた函館は、古き良き港町として、たくさんの外国からの船が出入りし、街には様々な他国の文化であふれました。
後に日本国内にはたくさん海外に向けた港が開かれることになりますが、いち早く他国の文化がやってきていた函館の街には、異国情緒あふれる街並みが今もなお残り続けています。
当時の雰囲気が残る教会や洋館の数々。
古い建物をリノベーションして入った新しいお店のショッピングをしたり、函館山からの夜景を楽しんだり。
ノスタルジックな雰囲気を感じながら、ゆったりとした時間を楽しむことができる街ではないでしょうか。
札幌のような大都市とは違う。
富良野などのような大自然とも違う。
北海道の歴史を感じることができる街だと思います。
新幹線も開通し、以前よりも訪れやすくなった函館の街の中でも、最も異国情緒を感じる元町の街並みを紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
北海道函館関係の記事です。





函館 元町
函館は、江戸時代末期の幕末に海外に向けて開港された伝統ある港です。
異国情緒あふれる建物群は、かつてここに数多くの海外からの往来があったことを物語っています。
そんな賑わいも今は昔。
今は静かな雰囲気漂う港町になっていますが、それと古くから残る建築物の雰囲気が相まって、ノスタルジックな独特の雰囲気を醸し出している人気の観光地となっています。
そんな函館らしい雰囲気を存分に楽しめるのが、函館西部の函館山と函館港に囲まれた位置にある異国情緒あふれる町が元町です。
いくつもの坂のある中に教会や古い洋館が立ち並び、函館観光では外すことができないスポットとなっています。
この地域は、『函館の伝統的建造物群保存地区』に指定されており、明治末期から昭和初期にかけてこの地域に建てられた数々の歴史的な建物が残る地域となっています。
そこをゆっくりとした路面電車が走り、ゆったりとした時の流れを感じる雰囲気となっています。
建物は、日本らしい和風のものから、西洋から入ってきた洋風、さらには双方のよいところを採用した和洋折衷の建物まで様々な種類の古い建物が見られます。
この地域で有名な建物が、
・函館ハリストス正教会
・日本基督教団函館教会
・函館聖ヨハネ教会
・カトリック元町教会
といった教会群でしょう。
江戸末期から明治・大正にかけて建てられた教会群があります。
また、それら以外にも
・旧函館区公会堂
・元町公園(かつての函館奉行所)
・函館市旧イギリス領事館
など、実際に内部に入ってその様子を見学できる建造物もあります。
元町には、こういった歴史ある建物の中にあるカフェでティータイムを楽しむことができます。
せわしない日常から離れて、独特の時間で進む雰囲気が堪能できますね。
そして建物だけではなく、元町で忘れてはいけないのが坂です。
この坂から見える海の風景が非常に美しく特徴的であり、様々な映画やテレビの撮影地としても使われているのです。
もっとも代表的な坂が八幡坂です。
ここは、坂の上からまっすぐに海を見下ろせる雰囲気と、両サイドに立ち並ぶ並木が美しく、撮影に使われているのも納得の坂の風景です。
このほかにも、二十間坂や大三坂、基坂など、古くからこの元町を支えてきた坂の数々が見られます。
アクセス
函館市電の電停末広町もしくは十字街から徒歩5分で到着します。
函館 元町に行ってみた
それでは、函館 元町へ行ってみましょう。
今回は電停の末広町で下車し、日和坂を登って旧イギリス領事館後から見て回ることにしました。
函館市旧イギリス領事館

まずは、現在内部が開港記念館として一般公開されている、函館市旧イギリス領事館です。
こちらについては、以前紹介したことがありますのでそちらをご参照ください。

元町公園

次にやってきたのは、函館港が一望できる広々とした元町公園です。
ここはもともと、函館奉行所があったところであり、今もその敷地内にはそのゆかりのある建造物が残されています。

元町公園内 函館奉行所跡

こちらが元町公園内にある函館奉行所跡です。
今はそのあとが示されているだけになります。
元町公園内 四天王像

1982年に設置された、明治期の函館の発展に尽力した4人の財界人像です。
残念ながら4人とも自分は存じ上げませんでした。。。
元町公園内 旧北海道庁函館支庁庁舎

元町公園内にある旧北海道庁函館支庁庁舎であり、明治42年(1909)に建てられた建物です。
元町公園が整備された際に、修復整備され、現在もなお公園敷地内に残されています。
明治末期の洋風建築として非常に歴史的価値が高く、現在は元町観光案内所、そして函館の歴史を伝える写真資料などの展示場となっており、自由に入館ができるようになっています。
元町公園内 旧開拓使函館支庁書籍庫

旧北海道庁函館支庁庁舎の対面にある建物です。
重厚なレンガ造りであり、旧北海道庁函館支庁庁舎よりも古い、明治13年(1880)に造られました。
明治40年(1907)には大火に見舞われたものの、その堅牢さによって内部は守られたのだそうです。
現在はいることはできませんが、2年に1回、防火点検時だけにその扉が開かれるのだそうです。
旧函館区公会堂

こちらは旧函館区公会堂です。
この公会堂は、明治40年に函館を襲った大火の後、当時の豪商などの尽力によって明治43年(1910)に建造された公会堂です。
こちらも北海道にある明治洋風建築の代表的な作りになっており、その内部には、かつての貴賓室やシャンデリアなどが残され、当時の華やかさを今に伝える貴重なものとなっています。
2021年にリニューアルオープンされたため、現在は写真のものとは少し色合いが異なっています。







八幡坂

元町の数ある坂の中でももっとも有名ではないだろうかと思われる八幡坂です。
八幡宮が文化元年(1804)の奉行所拡張工事によってこの坂の上にれたことからこの名前が付いたのだそうです。
名前の由来になった八幡宮は、現在は別の場所に移っています。
カトリック元町教会

こちらも明治40年に焼失してしまったのちに、大正12年(1923)に再建された教会です。
ここの祭壇はローマ法王から贈られたものなのだそうです。

ハリストス正教会

ハリストス正教会は、もともとは安政6年(1859)に建てられた、ハリストス正教会函館復活聖堂というのが正式名称である建物です。
明治40年(1907)の大火によって類焼した後、大正5年(1916)に再建されたものが現在の建物ものです。
日本最古のロシア正教会の聖堂です。

ハリストス正教会の鐘は、日本の音風景100選にも選ばれています。
現在の鐘は度重なる火災や、戦時中の供出を乗り越え、5代目の鐘となっています。
函館聖ヨハネ教会

函館聖ヨハネ教会は、明治11年(1878)年に聖堂が建てられましたが、火災などが原因で何度か移転することになり、現在この地に移ったのは大正10年(1921)年になります。
建物自体は、昭和54年(1979)に再建されたもので、中世期のヨーロッパの建築様式が見られる教会です。

チャチャ登り

かわいらしい名前とかわいらしいサイズの坂ですが、チャチャとはアイヌでおじいさんのことをいうそうです。
庫の急な坂を上るために、誰もが前かがみになってをまげて、おじいさんのように上ることからチャチャ登りというようになったのだそうです。

小さい坂ですが非常に風情のある坂です。


チャチャ登りに続く大三坂を下っていくとこのような雰囲気に。
二十間坂

名前の通り、道幅が20間(約36m)ある坂であり、幾度となく函館を襲った大火から町を防ぐために、明治12年(1879)に整備された坂です。
夕暮れ時の雰囲気もいいものです。
いかがだったでしょうか。
今回は函館の元町にある建物群などをざあっと紹介してきました。
今後、個々の建造物についても紹介することができればと考えています。