今回はとある国の料理についてです。
この国の料理は、国の名前を聞いたら誰しもが思い浮かぶことと思います。
しかし、そこから一歩深く追及されると、自分は実は何も知らなかったことを思い知らされます。
さあ、いったいどこの国のことなのでしょうか。
その国とは、
インド
です。
さあ思い浮かんだことでしょう。アレが。
じゃあ、アレ以外には何がありますか?
タンドリーチキン?ビリヤニ??
実際この程度ではないでしょうか。

今思い浮かんでいるアレですが、実は日本で食べられているアレは、インドからではなく、インドのアレをヒントに、イギリスの人々がアレのミックススパイスを考案し、それが日本に持ち込まれたという経緯があります。
しかも、日本にやってきたアレは、日本国内でさらに発展し、さまざまに形を変え、日本人の国民食にまでなっています。
そして昨今では、スパイスの配分によって様々な店が独自の味を出そうと試行錯誤しています。
インドの原点に返ってきたような感じですね。
日本人も少しずつスパイスの使い方を覚え、スパイスの配合によって自分たちなりの味が出せるということがわかってきたのでしょう。
では、今回はインド料理とはどういったものがあるのか、ここを深めて調べていきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
インド料理とは
インド料理といえば何でしょうか?
もちろん、カレーですよね。
じゃあみんなカレーを食べているのか?
と聞くと、カレーって何?となってしまうのが本場インドなのだそうです。
それもそのはず、日本で食べているようなカレーはインドから直接来たものではありません。
そして、インドでスパイスを使って調理された様々な料理がカレーなのだという話もあります。
つまりはインドでは“カレー=おかず”という認識が近いのかもしれません。
では、インド料理とは何なのでしょうか。

インド料理を大きなくくりで考えると、様々な種類のスパイスやハーブを多用し、巧みな配合によって味わい深い味を作り出している、インドを中心として発展してきた料理です。
インド料理ですが、広大な国土を有するインド。
北と南では気候も大きく異なるインド。
となってくると、食べるものも変わってくるのです。
北インド料理
まずは北インドの料理から見ていきましょう。北インドは北の周辺諸国からの影響を強く受けており、パンの種類を主食として、牛乳やヨーグルト、ギーというすましバターなどの乳製品も多用されているのが特徴です。
北インドを代表する料理は、チャパーティーやナーンという小麦から作られたパンを主食とするとともに、タンドリーチキンや、ビリヤニ、そして肉などを煮込んだマサーラーなど、私たちのようにインド料理になじみがない人でも知っているもののほとんどは北インドの料理なのです。

この中でもタンドリーチキンの名前にも入っているタンドリーとはタンドゥール窯を使って焼いた料理であるためこの名前がつています。
カレーとともに食べるナーンもこのタンドゥール窯で焼き上げますよね。
この調理法は北インドの特徴の一つなのだそうです。

ビリヤニとは、肉類などから出た濃厚な肉汁と米、スパイスを一緒に炊き込んだごはん料理です。
日本でもずいぶん提供されているお店は増えてきていますよね。
北インドの軽食感覚で食べられているものでいうと、サモサもあります。
三角形の揚げ春巻きのような外観で、中には野菜や肉などが具だくさんな一品です。
以前ネパールの軽食で紹介したネパール風餃子のモモも北部地域では見られます。
乳製品もよくつかわれているのが北インド料理の特徴です。
東インド料理
肥沃な土地が広がる東インドでは、米が主な主食です。
ガンジス川を抱える東インド地域では、川で取れる魚もたくさん消費されます。
魚を使ったカレーやスープ、煮込み料理などがよく食べられています。
北東インド料理
北東インドでは、チベットや東南アジア、ミャンマーなど周辺諸国の影響が多いため、様々な種類の肉や魚などを中心に良く食べます。
中央インド料理
中央インドには宗教的な禁忌がほとんどない先住民族が多いとのことから、他のヒンドゥー教やイスラム教の人々が多い地域の料理と比べると、独特なものが多くなっています。
食べ物だけではなく飲み物も自由であることから、様々な種類のお酒も豊富な地域です。
西インド料理

西インド地方は、インドのありとあらゆる食が集まってきているのだそうです。
主食はパンと米の両方が食されており、魚などの魚介料理が有名かつ、素材の味を生かした料理が多いのだそうです。
また宗教的に菜食主義の人が多いため、野菜を使ったメニューも充実しています。
また、この地域にはゴアがありますが、ゴアは少し違った特徴があります。
ゴア料理

ゴアはポルトガルが香辛料貿易の中心地としていたことから、カトリック料理が広く食されています。
そのため、ここだけでしか見られないような豚肉や牛肉を使った料理や、ワインに合う料理など、歴史的な経緯が食にも表れている地域です。
とくに豚肉の消費はかなり盛んなのだそうです。
南インド料理

インドの中でも年がら年中熱いこの地域では、北インド地域とは対照的に米飯が中心の地域です。
乳製品よりも南国ならではのココナッツミルクが多用されています。
油脂は他地域に比べると少ないらしいので、あっさりとした料理が特徴です。
暖かい気候のため米や野菜もたくさん収穫でき、野菜や豆を中心とした料理が非常に発達しており、ベジタリアン向けのメニューも豊富な地域です。
インド中華
中国系移民から伝えられ、今ではインドで一般的に食べられるようになってきた料理がインド中華料理です。
チョウミンというやきそばや、春巻きであるスプリングロール、チリソース炒めなどが食べられています。
しかし若干のアレンジはされているので、中華であってもスパイスの香りがします。
いかがだったでしょうか。
一言にインド料理といってもすべて把握しきれないぐらい多くの分類がありましたね。
インド料理=カレー。
確かにそうなのですが、カレーといっても一人の人生ではすべてを試しきれないくらいのカレーの種類があることが見えてきたことでしょう。
日本でもインド料理の店で、インドの地域を前面に押し出してくる店も増えてきました。
日本国内に居ながらにして、インドのあらゆる地域の食を堪能できる日もそう遠くはないことでしょう。