695【城ノウハウ】城の設計図 縄張。その種類も目的に応じていろいろあるようで

百名城/続・百名城(Castle)
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日本の数々の城を見てみると、いろいろと工夫を凝らして設計をしているなというのがよくわかります。
城というのはそれぞれに目的をもって建造されます。
守りをかためるための造るのか、攻撃のために造るのか、権力者の力を誇示するための造るのか。
そこには目的があるわけなのです。
そういった目的を達成するためには、天守だけではなく、それを取り巻く区画だったり建造物をどのように配置していくかということが重要になってきます。

城を見に行ってみる、”〇の丸広場”というような場所をよく見かけるのではないかと思います。
この”丸”を別名では”曲輪”もしくは”郭”といいます
曲輪とは、城の内部の区切られた区域のことを言い、これをどのように配置するかのプランを縄張(なわばり)といいます。
この縄張りにの組み合わせ方によって、どのような目的のために城を建造するのか、城の性格が決まります。

では今回は、城を建造する際の縄張と、その分類について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 縄張から城の性格がわかる!?いったいどのような目的をもってそれぞれの城は造られていったのでしょうか。

縄張とは?

城を造るとなったらまず何をしますか?
天守と建てて、はい!おしまい!
であれば、敵が攻めてきたときにあっという間に城は落とされてしまいますよね。
いかに城の中心部を守り、天守の力を維持し続けることができるかどうか。
城造りはそういったことを考えて造らなければいけません。
そこで必要になってくるのは、築城プランですね。

自然の川や山、谷などを城造りにどのように利用するか。
城内の敷地をどのように区切ったり、組み合わせたりして曲輪を設けるか。
こういった、城の設計プランのことを縄張(なわばり)といいます。

日本の場合は、海外の城で見られるような周りを高い城壁で囲って、というものはあまり見られず、いかに曲輪を上手に配置することで城の堅牢具合を高めていくかということが重要になっていきます。
曲輪の配置の方法で基本的なことは、その土地に堀を掘って区切り、何重にも曲輪を設けて城の中心を囲むのが基本となってきます。
また、独立した曲輪を設けてそれらをつないで段階的に防御することも城の防衛には必要不可欠な縄張となってきます。

縄張の分類

縄張りの分類は、大きく次の4つに分類されます

包括型

輪郭式もしくは梯郭式とも呼ばれます。
本丸を中心にして同心円状に曲輪を配置する縄張です。
また、背後を川などにして半円型にしたものもあります。
この形はどこから敵に襲われるかがわからないことを想定して、全方向に向けて防御を高めた形です。
大阪城や二条城などはこの中心部を守るために何重にも取り囲んだ形の城です。

また、川や谷などがあれば、そういった自然の地形を利用して半円型にするなどして築城されたこともありました。
松本城や上田城などはこの形の城となります。

連続型

連郭式とも呼ばれ、本丸の前後に直線状に曲輪を配置する縄張です。
また、本丸を最奥部において直線的に曲輪を配置する場合もあります。
この縄張は、山の尾根や細長い給料などの上に城が設けられ、一方向かに方向からしか攻撃できない場合に用いられる縄張です。
そのため、山の登山道の形状によっては直線的な配置となるとは限りません。

侵入方向が限定される場合に用いられる連続型の城ですが、尾根を区切って区画し曲輪を作ることによって直線的に防御性を高めています。
この形の城では、犬山城や彦根城、備中松山城などがあります。

連結型

独立した曲輪を橋などで連結していき、最終到達地点が本丸となっている縄張です。
本丸と二の丸などがあり、その周囲を別の曲輪で包む縄張である並郭式も連結型に含まれます。
本丸や二の丸など独立した曲輪が橋などで連結されており、本丸に到達するためにはほかの曲輪を経由していかなければ到達できない造りとなっています。

この形の場合、曲輪が小さかったとしても、一つ一つの曲輪を攻略しなければ本丸に到達することができないので、なかなか容易に攻略することができません。
連結型の城としては、大垣城や津城などがあります。

U字型

山の尾根と尾根の間にある谷間を利用して天然の城壁都市、その谷間の出口をふさいでしまえば強固な防御力を得られる縄張です。
自然の地形を存分に利用した形であるため、尾根などに砦を設ければ十分に監視ができ、防御性も高い形でした。

しかし、築城するための地形が限定され、山地であることから交通が不便であったり、規模が限定されることからあまり築かれることはなかった形でした。
代表的なU字型の縄張の城としては、一乗谷城などがあります。

群郭型

城主がいる中心にある曲輪の周囲に、曲輪を配置しそこに家臣の屋敷を配置した縄張です。
中心になる曲輪の周囲に、家臣の居住地と防衛拠点を兼ねた屋敷を設けたことで、城全体の防御面が向上するという特徴的な縄張であり、小諸城などが挙げられます。

稜堡型

大砲などの兵器で防御を固めるために鋭角に張り出した稜堡をもつ縄張です。
日本では北海道の五稜郭や、東京湾にある台場跡などがあります。
戦国時代にあまり大砲が普及しなかったことで、稜堡型の縄張はあまり普及せずじまいでした。

いかがだったでしょうか。
今回は代表的な縄張の形について紹介してきました。
日本国内にある城はこれらのいずれかの形に分類されています。
実際に城を訪れた場合には、どれに分類されるのかも考えながら見て回るのも面白いかもしれませんね。